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別世界で俺は体感バーチャルTPSの才能がとてもあるらしい。  作者: 風祭 風利
第2章 曜務電脳統合高校生徒会
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第13節 夜の予定とサークル、武装紹介2

「しかしそんな事があるんやなぁ。 生徒会からのスカウトなんて。 自らなりに行くもんやと思っとったでぇ。」

「驚いたのは俺もだよ。 まさかとはほんとに思ったぜ。」

「別にいいじゃないか。 これで生徒会に目をつけられる事も無くなったって事なんじゃない?」

「別の意味で目を付けられちゃったみたいだけどね。」


 ほっとけ。 夕飯のカレーうどんを啜りながら、そんな事を思う。

 時間の割にはかなりまばらな食堂を見渡しながら、4人で夕飯を食らっていた。 ちなみに啓人以外はみなカレーうどんを選び、啓人は山菜そばを選んでいた。 なんでも白いシャツなので汚したくないんだとか、その気持ちは分かる。 跳ねた時のあの絶望感は凄まじいからな。


「そういえば、みんなこの後はどうするつもりだい?」

「僕はサークルに誘われてるから参加してこようかと。」

「わいも同じや。 折角誘ってくれたのに行かないのは失礼ちゃう?」

「輝己の言う通りだな。 それに面白そうじゃないか。サークル参加って。」

「みんないいよね。行きたいって思えるサークルでさ・・・・・ 僕はあんまり参加したくない雰囲気なんだよ・・・・」


 海呂が沈んでいく。 なんだなんだ。なにに誘われたんだこいつ。


「なんや? なんて所に誘われたんや?」

「・・・・・・・・・・・・・・・転生アブノーマル・・・・・」


 ・・・・なんのサークルなのか全く想像がつかん。 海呂が誘われる理由も曖昧だ。


「僕の武器って結構普通でしょ? だから武装でダメなら中身から変えましょうって誘われてさ・・・・ でもその誘ってきた人たちの雰囲気が怪しさMAXでさ・・・・ はぁ。」


 なるほど、見た目から変わるかも知れないって事か。


「そうまでしてアブノーマルになりたいかね? 別にノーマルだって個性だろ。」

「だよね!? そう思うよね!? やっぱり飛空なら分かってくれると思ってた!」


 歓喜に満ち溢れるのはいいけど、お願いだから変な好感度を上げないでくれよ? 友情関係はノーマルで頼むわ。


「でも1回行ってみたら? それでほんとにダメそうなら入らなければいいし。」

「・・・・見た目で判断しちゃいけないって言うけどさ・・・ あれは無理だよ・・・・。」


 そうとうキツイの見たんだろうな。 海呂がさらにブルーになっていく。


 俺達は飯を食い終わり、その流れで風呂にも入り、部屋へと戻り、部屋に設置してある (というか充電されていた。 昨日もあったんだろうが全く気が付かなかった。)半球体の装置に手を伸ばす。 なんでもプライベートルームへ行く場合はこれを装着して経由するらしい。 早速頭につけて自分のベットに寝転がり、スイッチを入れる。 立ったままでは入れない事になっている。 安全対策の為だろう。電源を入れて目を瞑り、目を開けると、電脳の世界に入っていた。


 今俺の目の前には「ルーム名」と書かれている帯状の物がある。 タップ (宙に浮いているためボタンを押す漢字だと思ってもらえるといい。)すると文字列が出て来た。 微妙に元の世界と字の形が違っていたが、まあ読めないことはない。 ここからルームへ行くらしい。 えっと、「ミステリアスウェポン」っと。


 入力した後に別の帯が出て来て、現在の人数を含めて、そのルームの状況が書かれている。 再度タップすると、白の扉が現れる。 これを開けろってことか? ドアノブに手を掛けて、ドアを開ける。 すると昼間にあった先輩達が既に集まっていた。


「あ、来てくれたんだね飛空君! 良かったぁ来ないかと思ったよぉ。」

「招待を受けてくれたんだ。 流石に来ないわけにはいかないだろう。」


 糸門先輩と八つ橋先輩がこちらを見つけて声を掛けてくれた。


「ようこそ飛空君。このルームが我々「ミステリアスウェポン」の本拠地だよ。」


 後ろから二川先輩も声をかけてくる。


「本当はもう1人誘っていたのだけれど、予定が合わなかったみたいね。残念。」


 最後に関先輩もこちらにきてくれる。


「本日はお誘いいただいてありがとうございます。 呼んで頂いてとても光栄・・・・」

「ちょっと! かしこまらなくてもいいのよ! 気軽なサークルだからもっと力抜いて抜いて!」

「突然のことで驚いているのだろう。 しかしこちらとしてもあまりする事もない。 強いて言うなら自分の武器の可能性についてみんなで考えていこうというのが、コンセプトだから糸門の言う通り、気楽にすればいい。」

「いえ、慣れるまではこの感じで。 それで今日は何をするのですか?」

「では今回は我々の武装紹介といこうか。 もう1人の方はまた来た時にしよう。」


「はいはい! じゃあ私から!」

 そう言って糸門先輩が武器を出す。


「そういえば、武器は使う事って出来るんですか? プライベートルームは使えないって言ってたんですけれど。」

「使えないって言っても、それは「お互いにいがみ合いになった時に武装を使えない」って意味で、そういう理由じゃなければ問題は無いの。 だからプライベートルームを使って武器の練習をする人は多くいるわ。」


 なるほど、対人じゃなければいいのか。そもそもプライベートルームで人に銃を向けるって相当なことなんじゃ無いの?


 そう思っていると、糸門先輩は中型の銃を持っていた。 口径はそこそこ大きく、リボルバー式のシリンダーにはなにか大きな弾が詰め込まれていた。


「私はこの「スモッグボム」が特殊武器なの。 見てて。」


 そういって弾を1発放つ。 すると、一定距離言ったところで弾が弾けて、ガスが出てくる。 独特の臭いがする事からスモッグだということは武器の名前に相応しいと思った。


「爆発系統は、破裂して初めて役に立つものなんだけど、この武器はそんな事は無いみたいなの。ダメージもほとんどだし。」

 相手を不快にするだけなのか? そんなことはないと思うが・・・・


「じゃあそのまま僕の武器も紹介しよう。」

 八つ橋先輩は手元に2つ、ゲームセンターのクレーンゲームのアームの付いた武器を持っていた。


「見ての通り、僕の武器は「ワイヤーアポーツ」と呼ばれる武器だ。 用途は敵に向かってワイヤーが伸びて、相手を掴んだまま自分の方へと引き寄せる武器だ。 しかし如何せん射程があまりなく、判定の有効範囲も狭い。今でも少しばかり慣れない武器なんだよ。」


 残念そうに八つ橋先輩が肩を落とす。 辛いんだろうな、それが適正武器とはいえ。


「次はわたしだね。」

 関先輩が出してきたのは箒・・・・・・ではなく筆だった。先端が黄色に光っている。


「わたしはこの大型武器「ペイントバーツ」よ。 これはね。」

 そう言いながら関先輩は筆を空中で動かし始める。 すると描いた通りに黄色く線画が出て来た。


「こうやって描いたものが浮かび上がって、前方に発射されるの。」

 これはなかなか強いんじゃね?


「ただ欠点を挙げるとするなら描く時間が短いことと、一筆書きじゃないと認められない事かしら。」


 ふーん 強い武器にはそれなりのデメリットは必ず発生するか。


「じゃあ最後は僕だね。」


 二川先輩が持っていたのは2つの長さの違う剣だった。 右手の武器は見たことがある。 対戦相手の鮎 (山本っていうと夭沙と交じるので名前で呼ぶことにする。)が使っていた「レーザーブレード」だ。しかし左に持っている剣は違った。 右が青白なのに対し左は橙色をしている。


「まずは僕の左の武装「膾盾」についてだけれど、これは起動するとこの剣が作動し、斬撃だけで盾を作るというものなんだ。」

 そういって実践させてもらうと、「フォン、フォン、フォン」という音とともに橙色のシールドが出来上がった。 あれ全部斬撃なのか。


「そしてもう一つはこれ。」

 そういってデカいスピーカーが現れた。 どうやって持つんだ、というかどうやって戦うんだ?


「この武器は「エコースピーカー」超音波を武器にして戦うんだ。」

「攻撃だけですか?」

「そう。 かなりの広範囲で攻撃が出来るが、時間がかかる上に調節が難しい。 色々といじっては見ているが思うように上手くいかないんだ。」

「武器っていじることが出来るんですね。」

「一部の武装に限りらしいんだけどね。 それに自分の武器をそんな簡単にいじくったりなんて普通の人はしないわ。」

 関先輩が俺の疑問に答えてくれた。


「先輩達の武装を見せていただきありがとうございます。 オレも武器を紹介したいんですけれど・・・・・・ どれが見たいです?」

「「「「全部!!」」」」


 先輩全員に即答された。 しかも目がランランとしている。有難いけど逆に怖いよ。 もちろんいっぺんには紹介出来ないので一つ一つ説明した。


 ちなみに感想としては。

「これが光学迷彩銃か・・・・・・ 聞いたことはあったが、実物を見るのは初めてだ。」 (二川先輩)

「基本的にスタンガンって支援武器だから、メイン武装として運用することって基本ないと思ってたけど。」 (糸門先輩)

「なるほど、三日月型にすることによって遠心力が生まれ、ロック距離圏内であれば、誘導が効きやすいのか。 誘導武器とは本当に興味深い。」 (八つ橋先輩)

「ロープを縛るまでの時間が一瞬なのね。 どういう原理なのか凄く知りたいわね。 それに縛るっていうのもなかなかに面白いわね。」 (関先輩)


 興味を持ってもらえて何よりだ。 第一印象は上々かな?


「よし、今回の議題は彼の武装についてにしよう。 これから運用していくに当たって色々と参考にしたりさせてもらったりしよう。」


 議題にされてしまった。 まあこれからお世話になるし (この武装にも先輩方々にも)色々とみんなで考えていきますか。

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