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別世界で俺は体感バーチャルTPSの才能がとてもあるらしい。  作者: 風祭 風利
第2章 曜務電脳統合高校生徒会
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第12節 生徒会の人ともう1人、雰囲気

「一応言っておくが、俺はまだ認めた訳じゃないからな。 志摩川の奴が勝手に勧誘したんだ。」

 志摩川先輩の隣にいるどこかのアニメの社長を思わせるかのような威圧感を出しながら話しかけてきた。


「そういう君だってそっちのメンバーの子がスカウトしてきた子を認めてたじゃない。 私だって同じの筈よ?」

「君のように好き勝手選んだんじゃない。 この幸坂 務(こうさか つとむ)が認めた人材なのだからな。人材は優れている。」

「私だって好き勝手選んだんじゃ無いわよ? 彼の能力を私は買ったのよ。」

「君の見ている能力なんてたかが知れているな。」


 なんか急に喧嘩が、始まってどうしたらいいのか分からなくなる。 俺の事なんだよな? 喧嘩の理由は。


「何時もの事だから気にしないであげてくれ。」


 右側に座っている、銀の髪色で長い髪をヘアゴムであろうもので止めてある男子からそんな声がした。


「何時もの事・・・・・ですか・・・・」

「君が悪い訳じゃないからね。 気にしないでくれ。 おっと紹介が遅れたね。 僕は朝塚 志狼(あさつか しろう)っていうんだ。 君とは班が違うけれど、よろしくね。」


「よ・・・・・よろしくお願いします・・・・。」

「おーおー 固くなっちまって、慣れないと先が思いやられるぜ? 俺は倉俣 蓮(くらまた れん)だ。同じ班同士仲良く行こうぜ。」


 左側に座っている、黒の角刈りの先輩が「ハハハ」と笑いながら挨拶をした。 活発な人だけど苦手な部類の人かも。


「順応するのは戦闘と同じって言うけれど・・・・や、やっぱりいきなり喧嘩をするのは心臓に悪いわ・・・・・ あ、あたしは夕暗 恵那(ゆうくら えな)。 あなたとは親近感を感じるわ・・・・。」


 紫の前髪をダランと垂らした女の先輩 (なんだけど、顔が隠れて表情が見えない。)がこちらに声をかけてくる。 親近感って・・・ まあさっきの人よりは話せれるとは思うけれど。


「相変わらず恵那は暗すぎですよぉ。 もっと明るくなりましょうよぉ。 素顔可愛いんですからぁ。私はぁ歌垣 樹奈恵(うたがき きなえ)っていうのぉ。 飛空君これからよろしくねぇ。」


 金髪のウェーブカールの先輩が挨拶を・・・してるんだよな? 緊張感が全然伝わってこない。それ以上に、雰囲気が持ってかれそうで怖い。


「まあ、こんなメンツだけれど、仲良くやっていこうじゃないか飛空君。」


 志狼先輩がそういって申し訳なさそうな顔をする。 この中なら1番信頼していい先輩だな。


「ほらほら会長も副会長も、飛空君が戸惑ってるので、先ずは経緯を説明しなければいけないでしょ?」

「そうっすよ志摩川先輩。 帰りにドーナツ買ってあげるんで、今は抑えて抑えて。」

「ほんとに!? じゃぁチョコドーナツがいい! 中にクリームが入ってるやつね。」


 さっきまで不機嫌顔だった志摩川先輩が倉俣先輩のドーナツ宣言で一気に元に戻った。 現金な人。 いやあれぐらい単純な方がいいのかな?


「すまない。 話が逸れてしまったな。 とその前にこちら側のメンバーも紹介しないとな。」


 幸坂先輩がそういうとドアがノックされた。「どうぞ」の声と共に入ってきたのは白髪ボブカットの女子だった。 っていうかあれ?どこかで見た顔をしている気がするんだけど、どこだっけ?


「紹介しよう。うちのメンバーになる、山本 夭沙君だ」

山本 夭沙(やまもと わかさ)です。 先輩方々、よろしく・・・・・わっ!」

「あーん、可愛いぃ! この子がこっちのメンバーに入るんですよね!? 私大歓迎ですぅ! あ、私は歌垣 樹奈恵っていうの。よろしくねぇ夭沙ちゃん。」


 いきなり歌垣先輩がが抱きつくもんだから、当の本人も動揺を隠せていない。 初対面の人間にいきなりハグをされたら、外人流の挨拶でもない限り驚くのは当然だろう。


「正確には誘ったのは朝塚だが、なかなかにいい人材を手に入れてきてくれた。」

「幸坂は理想が高いんだよ。 だから去年だって見つからなかったんじゃないか。」

「生徒会たるものたるんではいけないのでな。 隣の生徒会長と一緒にされては困る。」

「相変わらずひどい言いぐさね? こっちだっていい人材を揃えてるのよ。」


 なんか生徒会室なのに騒がしくなってしまった。 こっちなんてアウトオブ眼中って感じ。 とりあえず隣の女子、夭沙と言ったか。色々と疑問に思うところがあるので、声をかける。


「あっと、山本さんも誰かに誘われたの?」

「夭沙でいいですよ。鮎お姉ちゃんと混合してしまうとおもうので、後無理に敬語じゃなくても気にしませんよ。」

「あ、じゃあやっぱり。」

「ええ 姉とは双子の関係ですが、誕生日は1日違いなんです。 お姉ちゃんが先に産まれたので。」


 あれか、日付けの変わる前後で産まれてきた感じなのか。 それにしてもどこか雰囲気が、似てると思ったら、双子ね納得。 と言うか今の所女子は同級生は双子しか会ってないな。 こんな偶然ある? それよりも双子なら寮の部屋割りは一緒の筈だ。 気になってることを1つぶつけよう。


「えーっと、 その、映像を観てたから分かると思うけど、俺は君のお姉さんと戦って・・・・・っと・・・・その・・・・」

「言いたいことは分かります。 今の貴方をお姉ちゃんはどう思ってるって事ですよね? 飛空さん」


 言い淀んでいると、スッパリと返答をしたので頷く。


「大丈夫ですよ。 姉も「あれは相手が悪かった。」って言ってました。 気にはしてはいますが貴方を恨む程ではありませんよ。 そもそもお姉ちゃん、初めての決戦だって意気込みであの下着を着たんですよ? 真面目なんですが、どこかズレてるんですよね。」


 やれやれと言いたそうな感じで話す夭沙。 そういうのは俺が元いた世界では「ギャップ萌え」ってやつになるんだよな。


「苦労する? そんなお姉さん持つと。」

「いえ、私自身もお姉ちゃんには迷惑かけている部分もあるので、あまり人のことは言えませんよ。」


 仲のいい姉妹なこって。 お互いがお互いを支え合う。いい姉妹愛じゃね? いや双子だからなれる技か?


「こらそこ新入部員2人! こっちの会話をバックにいい雰囲気出してるんじゃないわよ!」

「志摩川先輩、先に彼らを放置したのは志摩川先輩ですよ。」


 志摩川先輩の発言に倉俣先輩がツッコミを入れる。 いいストッパーだな。あの人。


「まあ2人とも察してはいると思うが、君達は生徒会にスカウトされた。 津雲は志摩川に、夭沙は朝塚にとな。そしてこの生徒会は2つの勢力。 正確には一つの生徒会の中で2つチームがあると言ってもいい。 臨機応変に対応できるように我々の先代生徒会メンバーが決めたことなのだそうだ。」

「き、基本的には推薦か立候補なんだけれど、今回は生徒会メンバー自らが、スカウトしにきた、め、珍しいパターンね。」


 幸坂先輩の話に続いて夕暗先輩が説明をする。


「その後、まあ、明日なんだけど、お互いの新しいメンバーとして認められるためにもう一方の勢力の一番上の役職。 津雲なら幸坂先輩、夭沙なら志摩川先輩と戦って、素質があるかを直接見てもらうのが通例になってるんだ。」


 倉俣先輩の話に身の毛がよだった。 つまり双方から認めてもらえて初めて「生徒会」の一員になれるという事なのか。 そりゃ生半可な人間には務まらない職務だけどさ。


「戦いは明日の放課後にこっちで準備をするから覚悟して来なさい。 それじゃあ今日は解散! ドーナツ♪ ドーナツ♪」

「全く・・・・自ら呼びたしておいて解散も自らするとは・・・・ 相変わらず自由気ままな奴だ。」


 そういって幸坂先輩も立ち生徒会メンバー皆が、生徒会室から出る。 そして寮の方角に行くものとそう出ないもので半々に別れる。俺は予定が無いので、寮に向かう側だ。 ちなみに寮直行組は 俺、夭沙、夕暗先輩、志狼先輩だ。


「さっきも言ったけど、いつもあんな感じだから、ある程度は気ままにしててよ。 生徒会って言うだけで、荷を重くする事は無いよ。」

「わ、私でも生徒会に、は、入れてるから、大丈夫よ。あなた達なら。」


 一緒にいた、夕暗先輩と志狼先輩からアドバイスをくれる。 やっぱりこの人達からアドバイスを貰った方がいいな。 隣を見ると、同じように、夭沙もこちらに顔を向けていた。


「うん 気の会いそうな新メンバーが来てくれて良かったよ。」

「せ、勢力は違っても、基本は一緒にいるから、仲良くするなら今のうちよ。」

「ならその一歩として一つ質問をしてもいいですか?」


 俺がそういうと志狼先輩が「どうぞ」と返してきてくれた。


「先輩達はどうやって生徒会に入ったんですか? 立候補ですか? スカウトですか?」

「僕は立候補だったね。 この高校のためになにか役に立ちたいと思ったからね。 そういう時に生徒会に入ろうと思ったね。」

「わ、私は、スカウトだったわ。 もう一つ上の生徒会長にね、「今の生徒会にはあなたのような人が必要なの。」って言われて、当時はちんぷんかんぷんだったよ。 なんで、わ、私みたいなのが、って思ったほどよ。 今でも、よく分かってないし。」

「スカウトと立候補ってどっちの方が珍しいんですか?」


 夭沙が質問を続けた。


「正直な事を言うと、スカウトの方が珍しいかな? 先程も言っていたが、生徒会自らがスカウトするという事はそれだけ認められる何かを持っているという事だからね。」

「当時の事を考えるとなかなかにハードだったわよ、わたしにとっては、 あら、そんな事を話してたら、寮に、着いたわね。」


 話に聞き入っていたらいつの間にか寮の前に来ていた。


「それじゃあまた明日、生徒会室でね。」

「そ、それじゃあね。」


 志狼先輩と夕暗先輩と別れてまた2人の時間が出来てしまった。 なんか気まずい・・・・。


「とりあえず明日両方から認めてもらえるように頑張るしかないですよ。」

「・・・・・・それもそうか。 じゃあ俺こっちだから。 あーっと、お姉さんによろしく言っておいて。」

「えぇ確かに受け取りました。 それじゃあまた明日。」


 夭沙と別れて、正面玄関へと入る。 なんかどっと疲れた・・・・。時刻は4時半。 一旦部屋に戻ろう。そうしよう。 部屋を開けると、みんながこちらを一斉に向いた。


「おかえり、飛空。 生徒会はどうだった?」

「・・・・・なんか生徒会にスカウトされてしまった。」

「なんや! めちゃ優良な事やないか! 良かったな! 怒られることやのうて。」

「そういうことは言っちゃダメでしょ輝己。 でもおめでとう。 これから生徒会として働くなら大変だと思うけど。」


 嬉しい声ばかり来るのだが、正確にはまだなってないので、凄い複雑な気分なんだけど・・・・・

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