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別世界で俺は体感バーチャルTPSの才能がとてもあるらしい。  作者: 風祭 風利
第14章 脅威は突然やってくる
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第113節 解読とコンビニ、新たな趣味

「それで、今はその解読に必死な訳なのね。」


 隣にいる文香と共に食堂で夕飯を取っている。 それでも手にしているのはモーレス信号の書かれた半紙と電子パネルだ。


 あれから丸一日経ったのだが全くと言っていいほど解読が出来ていない。 まずはモーレス信号の配列を照らし合わせなければいけないのだがこれがまず厄介だった。 区切る場所を間違えればほぼほぼ振り出しに戻される。 これを暇がある時は常にやっている。


「えっと、「ワタシガイマイルノハカイシヤトハ」・・・んん? これ小さい文字には対応してないのか? なら「カイシヤトハナバカリノバシヨデヒトチイ」・・・あ、また間違えたなこれは。 えっとこの区切り方はこうじゃなくて・・・」


 食べるのをそっちのけで解読に専念しているため、ほかの事が全くと言っていいほど見えない。 これほんとに解けるんかな?まだ1行目なんだけども・・・


「ねぇ、飛空君。」

「んー?」

「その解読も大切かもしれないけどさ。 せめて食べ終わってから、自分の部屋でやって欲しいかな?」


 その文香の言葉に電子パネルを閉じて、周りを見てみるとすっかり冷めきっているご飯が目に止まった。


「・・・あれ? どのくらい時間が経った?」

「飛空君が感じてるほどじゃないけど、まあそれなりには時間が経ってるよ。」


 むむう。 詰め込みすぎるとろくな事にならないと分かってるんだけどなぁ。 文香にも申し訳ないことしたな。


「ほんとに分かってるー?」


 あ、やべ、見透かされたか。


「普通に皆のことをすっぽかし過ぎだよ?飛空君。 いくら事件解決で忙しいからって蔑ろにするのはよろしくないよね?」

「・・・なにを一体ご所望で?」


「簡単な事だよ。 今週末はデートしてもらおっかなって。 ほら先週は瑛奈ちゃんとデートしたみたいだし?」

「どっちかって言うと遊月の策略にハマったような感じだったけどな。」

「とにかく、今週末はデートするの。 あ、別に二人きりじゃなくてもいいわよ? せっかくだから買い物行きましょ?」


 それくらいならいくらでも付き合う。 というかそれぐらいしないとマジで詰め込みそうだからな。


「分かったよ。 だけど誰が一緒でも文句言うなよ?」

「紅梨達となら全然問題ないわよ。 まあ、あっちもそれを待ってるんだろうけどね。」


 厳しい見解だな。 冷めきった夕飯を食べ終えて、文香と分かれて自室に戻る。 詰め込み過ぎるなと言いたいところだが、残念な事に電脳世界には入れない。 しかし他に趣味が無いので、どうすることも出来ない。


「・・・誰もいないし近くのコンビニで何か買ってこようかな?」


 そう言い終わるが先か、体がもう動いていた。 珍しくみんな外に出かける用事があったようで、俺一人部屋に取り残されているのは悲しみを背負ってるみたいだったので、外に出て気分転換がてら今後のことを改めて整理しようと思ったのだ。


 寮から10分程歩くと着くコンビニにはボチボチとお客さんがいた。 これぐらいの方が気兼ねなく買い物したり中を見たりできるというものだ。


「そう言えば飲み物が無くなってたよな。」


 そう言ってドリンクコーナーにいって、適当に今の気分の飲み物をとる。 少し甘めのコーヒー飲料だ。


「ちょっとなんか雑誌でも買っていこうかな?」


 普段は雑誌なんて読まなかったのだが、これも趣向の変化に繋がるかもしれない。 適当に雑誌を見ている。


「えっと、「今年流行る! 男性のコーディネート」、「1度は行きたい盟星絶景スポット」、「お家にいることが楽しくなるお家コーディネート」、「今年のあなたの運勢は? 有名占い師による今年の運勢」ねぇ・・・」


 どうもパッとしないものばかりだ。 やっぱり俺に雑誌は向いてないな。 そう思って目をマンガなどが置いてある棚に向ける。 この世界はあまり漫画や小説というものが少ない。 いや小説といってもライトノベルのようなものだ。 しかしこう趣味が無さすぎるのもほんとに困ったものだ。 今度みんながやってる事をやらしてもらおうかな? そうすれば新しい趣味としてハマるかも。


「うーん、他にはなにか・・・ ないかぁ。」


 仕方が無いのでもう一度雑誌に確認をしに行く。 ざっと目を通して、ちょっとそれっぽいものを見つけたのでそれを手にレジに行き、会計を済ませて寮に戻り、部屋に帰る。するとみんな戻っていたようで、みなゆったりとしていた。


「おかえり飛空。 なにを買ってきたの?」

「飲み物と雑誌をな。」

「ふーん。 漫画や小説はやめたんや? まあこの世界じゃあまり意味をなさんがな。 紙の漫画とかは。」

「そうだね。 電子書籍があるからあんまり、ね。」


 そっか、この世界なら電子書籍があったか。 しくったな。 今度探してみよ。


「で、買ってきた雑誌が「盟星 曜務を楽しむ歩き方」って書いてあるんだけど。 ウォーキングでも始めるつもり?」

「まさか。 志摩川先輩と一緒にしないでくれ。 歩くのは嫌いじゃないけどよ。」


 この雑誌を買ったのはこの世界の事を少しでも知るためでもある。 デートの行き先とかにも使えそうだしな。


「そう言えばみんなって休日って基本的に何やってるんだ? 寮じゃあまりにすることが無くてさ。 特に今の状況だとさ。」


 今の状況とは勿論電脳世界に入れない状況の事を言っている。 今の俺にとっては何よりも辛いことのひとつだ。


「わいはシャドーボクシングしとるで。 感覚を忘れるとあかんようにな。 中学生の時んはジムも行っとったが、今の状況だと通うほど時間のうての。 まあそれでも多少は顔出したりはしとるがの。」

「僕は鳥を観察してるよ。 山にいる鳥もいいんだけど、都会に入り交じる鳩なんかを見てたりしてるね。 動きが面白かったりするんだ。」


 輝己や啓人がそう自分の時間を過ごしてるようだ。 まあある程度予想は出来ていた部分はあった。 特に輝己は。

「それで? 海呂はどうなんだ?」


「僕? 僕はそうだなぁ。 家にいることがほとんどだからなぁ。 ゲームしたり本読んだり、音楽聞いたりしてるくらいかなぁ。」


 案外普通、というかお前ヒッキー体質かよ。 必要最低限外に出る感じか。 今の子かよ。


「寮で入り浸るように電脳世界に入ってた飛空には言われたくないよ。」


 ごもっとも。 サバゲーを体感して、電脳世界がいかに素晴らしいか実感したよ。


「しかしなんでいきなりそんな事を聞くんや?」

「いやなんだ、さっき海呂が言った通りなんだけどさ。 俺電脳世界に入れなかったら何もしてないなって思ってな。 1回くらい別の事をしてみようかなって感じたのさ。」

「それ誰かに言われたのかい?」

「別に? 俺の個人的な見解だよ。」

「でもお前ハマるととことんな性格してそうやで。 今やっとるモーレス信号の件もそういう事やろ?」


 モーレス信号に関しては違うんだけどな。 面白いとは思うが。


「そう考えるのは勝手やが、多趣味にすると何もかもが中途半端になるで?」

「まあちょっと知りたいくらいだよ。 俺だって本格的にやるかは分かんないし。」


 あんまりやること多すぎても困るしな。


「それで、モーレス信号の方の解読は進んでるかい?」

「昨日の今日でそんな簡単に解けるかよ。 絶賛苦難中だ。 区切る所間違えるとほぼ1からなうえにその度に合わせなきゃいけないから大変なんだぜ?」

「確かにモーレス信号とは随分と古い用法を取ったものだよね。 悟られないようにとはいえ、今の人はほとんど知らないよ? その「ブラッド」の父親さんは息子に大してなにか大きな事でも伝えたかったのかな?」

「じゃなかったらこんな危険をおかすようなこと、しなくないかな?」

「とにかくなにかのメッセージであることは間違いないんだ。 それだけでも進展はするさ。」


 今電脳世界に入ることが阻まれているのなら少しでも脅威は取り除いておきたい。 そう考えるのは人間の本能だろう。 不安は人とにて何も生み出さない。 そう考えるようなったのは、今の現状からだろうか?


 その後みんなで、モーレス信号について解読を進めたり、他愛ない事を話して今日を終えた。 やっぱり俺にはこの生き方があっているのかもな。 決して前の世界が嫌いだったわけじゃない。 だけど断然楽しいと思えるのはこっちの世界だ。 転移神様には感謝しないとな。

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