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別世界で俺は体感バーチャルTPSの才能がとてもあるらしい。  作者: 風祭 風利
第2章 曜務電脳統合高校生徒会
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第10節 集合と司会者、自己紹介

 背の高い先輩、髪色が凄い先輩、真面目そうな先輩、チャラそうな先輩。 電脳室に入ってきて目に飛び込んだのはそんな先輩達の喧騒だった。 先輩達も後輩が出来たことでテンションが上がってるのか?


 俺達4人は「新入生」と書かれたプレートの前に行き、そこからまた辺りを見渡した。

 これ全校生徒なのか? 40人×3クラス×3学年だから、ここに先生含めて全員入ったら400人位になるのか? 入りきるのか?


「あ、いたよ。紅梨ちゃん。」

 そんな喧騒の中から白羽の声がした。


「ああ良かった。 この中から探すの大変だったわよ。」

「お疲れ様。 あぁ、紹介するよ。 彼らは輝己君と啓人君だよ。」

「嵐山 輝己や。 よろしくな。」

「伊奈川 啓人だよ。 よろしくね。」

「桃野 白羽です。 輝己さん、啓人さん。 よろしくお願いします。」

「桃野 紅梨よ。 あんた達の試合はしっかりと観させてもらったけど、なんかゴメンなさいね。」

「わいらなんで謝れとんのや?」

「お前ら2人が組んだ女子いるだろ? あれ2人とも彼女達と寮で同じ部屋なんだと。」

「あの2人のことはちょっとわたしたちでも弁解が出来ないので。」

「弁解なんてしなくていいのよ。 同じチームを組んだ人の悪いところしか言わないんだから、弁解するものなんてないのよ。」

「なんや!? あいつら、わいらの悪口ばっか言っとったんか!?」

「正確には自分達が「やらなかった」事をあなた達に対して「やれなかった」事にしてたよ。 「私達はちゃんと動いてたのに~」みたいな。」

「・・・・・・あの試合は新入生以外にもこの学校の人物なら観ているんだ。 誤魔化せる筈がないだろうに。」

「ま、あいつらの事はもう忘れろよ。 連帯されそうになったら弁護はしてやるからよ。」

 そんな事しなくても、あの2人はあまりいい印象は持たれないだろうな。


 そんな事を話し合っていると、壇上に先生が現れた。 あ、錦戸先生じゃないか。


「全校生徒諸君。 午後のレクリエーションが始まるぞ。 在校生の生徒は、先ほどの試合で少なからず、新入生諸君らに興味を持っている。 しかし人数が多いため、どのようにして声を掛けようか先輩達も迷っているのだ。」


 そんなことない気がするんだけど、先輩達の方を見ると明らかに「知っている」顔なのである。 恒例なんかな?


「そこで新入生諸君には自分の武器について紹介をしてもらいたい。 とはいっても全ての武器を紹介するのではない。 個人それぞれ、誰とも被らない武器を紹介してもらう。君達の適正検査結果を教員方々は見ているので厳選をさせてもらった。」

 なるほど、紹介するものが絞れれば語りやすいという事か。


「では私はここまでだ。 後は・・・」

「はいはーい! 僕に任せてくださーい!」


 やたらハイテンションな人物が出てきた。 金髪で中肉中背だが彼の服装が極めて奇抜だった。 バンダナにパーカー、ロージーンズにチェーンベルト。 なんかパンチとキックを使ってラップする音ゲーの主人公みたいな恰好だな。


「高花・・・紹介する前にでてくるんじゃないよ。 本当に落ち着きが無いなお前は。」

「これが僕の性格ですからね。 許してもらえると嬉しいですね。 では新入生諸君。 初めまして! 僕は高花 琉矢(たかばな りゅうや)と言います。 ここからはこの高花が進行を務めさせていただけることになりました。」


 将来大物司会者になりそうなテンションの人だな。 実際にはどうするか知らないが。


「皆さんの自己紹介の仕方なのですが、今、僕の手元にあるこの抽選BOXに新入生の名前と紹介する武器が掲載されています。 名前を呼ばれた方は壇上まで上がってきてもらって、僕から紙を受け取ってミーティングルームへと入ってもらい、電脳世界で武器の紹介をしてもらいます。」


 実際に使ってるところを見せた方が分かりやすいって事なんだろうな。 百聞は一見に如かず、説明だけでは分からない部分が出てくるだろうしな。


「では早速いってみましょう! 最初は誰かな~? っとはい!

 最初は「伊奈川 啓人」君です。」

「え? 僕が最初なの?」

「気を張る必要は無いでしょ。画面の向こうでやる訳だし。」

「頼むで啓人! 今後の紹介の仕方は、お前にかかっとるんやからな!」

「輝己。変なプレッシャー与えないの! 啓人困ってるじゃない。」


 うん、今のは余計だな。啓人が深呼吸し始めちゃったよ。

 啓人が壇上に上がり、紙を高花先輩から受け取りミーティングルームへと入っていく。


 しばらくすると背景が変わった。どこかのビルの屋上だろうか。


『皆さん初めまして、新入生の伊奈川 啓人です。 僕が紹介する武器はこの「スナイパーライフル」です。 もちろんただのスナイパーライフルでは紹介する意味はありません。 こちらに付いているスコープは倍率が4、5倍もあり・・・・・』

 淡々と武器紹介をしていく。


『僕は基本メガネをしていますが、試合の時には外しています。見えにくいのではないかと思われますが、僕はむしろ外した方が見やすいです。 フレームなどを気にせずに敵に当てることができるので。』

 そういってスナイパーライフルを構えて照準を定めて、的に当てていく。


『僕の紹介は以上となります。 ご清聴ありがとうございます。』

 そのセリフの後に拍手が出てくる。


「いやぁ、なかなか謙虚な自己紹介でしたね。 こんな感じでやっていってもらおうとおもいます。 あ、啓人君。 君はそのままスグには元の場所に戻らずに先輩達に挨拶も兼ねて向こうに順路通り進んでいってね。 じゃぁ次は・・・・・」


 そんな感じで着々と自己紹介がされていく。 1人終わる頃に先輩の所から啓人から帰ってきた。


「つ・・・・疲れた・・・・ メガネのことめちゃくちゃつっこまれてさ。」

「そりゃあんな意味深な紹介したらそうもなるだろ。」

「失敗したなぁ・・・・」と肩を落とす啓人。 まあ悪くはなかったぜ。自己紹介。


 新入生の自己紹介は、武器紹介をしてその後先輩達に揉みくちゃにされるのがここでは伝統なんだそうだ。


「うーん 燃やされるのは嫌だけど、君の気持ちならむしろ焦がされたいよ!さぁどんどん行きましょう!」


 高花先輩のその後トークは在校生達の心を掴んでいるらしく、大爆笑の渦だ。 あれも才能だよな。


「さてさて気になる後輩は見つかったかな? それじゃあ続きまして「津雲 飛空」君」

「お、俺か。」

「行ってらっしゃい。」


 海呂に見送られた後、壇上に上がり紙を受け取ってミーティングルームへと入る。 えっと紹介する武器はっと 「光学迷彩銃」かまあ当然と言えば当然か。


 背景は摩天楼、目の前にはカメラが設置してある。 ここに向かって喋ればいいんだな。


「えー、初めまして。津雲 飛空と言います。 僕の武器は基本拘束武器なのですが、今回紹介するのは、光学迷彩銃です。」

 そう言って左手のブツを見せる。


「先ほどの試合でも活用させてもらったのですが、このように」

 銃を稼働させて、姿を消す。


「姿が見えなくなるので、逃げ隠れはもちろん、奇襲にも使えます。 あ、カメラさんこっちこっち。」

 カメラが慌てて左を向く。 光学迷彩銃を使用しながら俺自身が左に移動したからである。


「完全には消えてないみたいなので、そこをつけこまれるとダメージが増えてしまう所がこの武器の弱点ですかね? 僕の紹介は以上です。ありがとうございました。」

 そう言ってミーティングルームへと返還されてドアを開く。


「彼に捕まったら最後、なにをされるか分かったもんじゃないね。 では続いては・・・・」


 とりあえず先輩達の方へと歩いていく。 するといろんな先輩から声をかけられた。


「あの試合凄かったよ。」

「吹っ飛ばされた女の子を回転キャッチしたの、カッコよかったわ。」

「最後のアレ、最高だったぜ。」


 三者三葉色んな返答をされながら、戻っていく。 男子の先輩からは武器の性能、女子の先輩からは立ち回りの話を良くされた。もみくちゃにされながら帰ってきて啓人の気持ちが分かった。


「あんなに質問責めさせるとはな。」

「お疲れ様。 大変だったんだね?」

「あぁ、覚悟しといた方がいい・・・・・あれ? 他の連中は?」


 そこに居たのは紅梨だけだった。 というよりも新入生のほとんどがいない。 どこにいったんだ?


「みんな先輩達の方へ行ったわよ。 多分みんなで話にしに行ったんだと思うわよ。」

「ふーんそっか。 でもそれならなんで紅梨だけ残ってんだ?」

「あんたが帰ってきて1人もいないじゃ状況チンプンカンプンでしょ?」


 まあ確かに誰もいないよりは分かる人物がいればいいんだけとな。


「ちょっと休憩がてら待ちますか。 あ、隣失礼するぜ。」


 まだまだ終わらない自己紹介を観ながら紅梨とボーッとしていた。 時折紅梨の方を見ると紅梨は目が合ったと思ってそっぽを向いてしまう。 なんだか複雑な気分だ。


「さて残す所もあと数人、続いては「山本 鮎」さん。」


 あ、俺達が戦った相手の1人の子だ。 視線に気づいたのか、こちらに目を向けて、睨んでいるような表情でこちらを見てミーティングルームへと入っていった。


「・・・・・・やっぱり嫌われたよな・・・」

「うーん でも恨んでる感じでは無かったような・・・?」

「そうかなー?」

 何にしても一度あの子とは話さなきゃ聞けなくなるかも、近いうちに。

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