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別世界で俺は体感バーチャルTPSの才能がとてもあるらしい。  作者: 風祭 風利
第11章 文化祭・・・の前に
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番外編 飛空の彼女達と飛空の両親

祝! 累計100回目の投稿になります!

それを記念して今回のお話は、飛空に想いを寄せる彼女達のお話と、異世界転移した飛空を見守る神様の話を書きました。

 飛空と付き合う事になった8人の女子が集まってみんなで今後の事を話し合ういつかのお話。


「それじゃあ第一回、飛空さんの彼女達の会を開きます。」


 仕切り役は山本 夭沙、生徒会のメンバーであるため、彼女が仕切り役としてみんな納得している。


「なんか結局、こうなっちゃったかって感じかしらね。」


 第一声は桃野 紅梨。 不服そうな喋り方をしているが、ほんとのところは嬉しそうだったりする。


「でも、誰か1人に絞られなくて、良かった、です。」


 そう話すのは紅梨の双子の妹、桃野 白羽。 大人しめではあるが、想いはみんなと変わらないようだ。


 今みんながいるのは軟瑠女子高校の中庭。 ここは女子の限った事だが中庭を一般開放している。 なぜ彼女達がここに居るのかというと。


「ほんとです・・・私は・・・飛空さんに・・・常に会える訳では無いので・・・忘れられたのでは・・・ないかと・・・内心不安で・・・いっぱい・・・でした。」


 唯一曜務学園出身ではない 青坂 瑛奈 小動物系の振る舞いだが、最近は彼女なりに動いているようだ。


「休日しか会えないのはあれだけど、自由に使えるのは大きいよね。」

「そうそう。 こんな話ってなかなか公共の場所じゃ話せないしね。」


 仕切っている夭沙の姉 山本 鮎とその隣にいる長楽 文香はあまり気にしていない様子。 性格からしてあまり気にならないのだろう。


「しかし本当に女子しかいないのここは。 まあ教師以外で男性がいてもそれはそれで困るがの。」


 買ってきていたジュースを飲んでいるエレア嬢ことエレイダルト・サクリマ・アーカイブは物珍しさにキョロキョロしている。


「私は普通にアンドロイドの状態で来れたから良かった。」


 そう呟くのはイバラ 本名を弦舞 蜜音だ。 彼女はアンドロイドの中で憑依出来ているためそのままみんなと集まっている。 ただしアンドロイドだとバレないために深めの帽子と服は着用している為、下から覗き込まれない限りは普通の女子高生に見えるだろう。


「さて話が逸れてしまいましたね。 では集会を再開してもよろしいですか?」

「とは言ってもなにを話せばいいのかしらね?」


 夭沙の再開宣言に水を差すように紅梨が疑問符を述べる。


「やはりあれかの? 飛空のどこに魅力を感じたかとかそんな所からかの?」


 エレアがそう言うと、みんな頬を赤く染めていた。


「自分の思う飛空君の魅力をみんなに説明するって事なのかな?」

「そういう事・・・なのではないので・・・しょうか?」


 文香と瑛奈がバツが悪そうに聞き返す。


「そういう事だの。 みんなが無いのならわらわから言うぞ? やはり飛空の魅力は、誰も彼もを差別しない所にあると思う。 わらわは一国の王女だが、そんなのは関係ないと言わんばかりにわらわと対等に接しておる。 最初に会った時からそうだったのでの。 余計にそう感じるのだ。」


 エレアが淡々と言うとみんなどこか納得したように頷く。


「確かに飛空はどんな相手でもまずは話しかけるよね。」

「私の時も・・・そんな感じ・・・でしたね。」

「あいつ、見かけによらずお人好しなのよねぇ。」


 鮎、瑛奈、紅梨は今までの彼の行いを見て、そう感じたのだろう。


「あ、はいはい! それなら次は私! やっぱり彼の強さが魅力だと思う! 私が「ブラッド」に襲われそうになった時に颯爽と現れた時はまさにヒーローそのものだったよ。」


 文香は恍惚した表情でそう語る。


「でもその強さを超える程の優しさも飛空は持ってる。」


 ズイッとイバラが主張する。彼女らは実際にそうさせて貰っているからこその主張だろう。


「それをどちらも兼ね備えてこその飛空さんですよね。」

「意外とそれで、好きになることが、多いですよね。 紅梨ちゃんとか。」

「な、なんでそこで私に振るの!?白羽! いや、まあ、それは、そうなんだけど・・・」


 夭沙が納得し、白羽が茶化すように紅梨に話しかけて、顔を真っ赤に染める紅梨。 彼女はその第一人者なのだ。 そう言われてもしょうがない。


「でも、ちょっと初心な所あるのよね。 飛空って。」

「あ・・・わかり・・・ます。 でも・・・それぐらいの方が・・・私はいいです。」


 鮎の意見に瑛奈が肯定する。 みんなもうんうんと頷く。


「こうやって改めて聞くとやはり飛空さんは素晴らしく魅力的って事がほんとによく分かります。 ふふっ、飛空さんは幸せものですね。」

「そうね。 というかこれでなにも感じないのはさすがに悲しむわよ?」


 夭沙がみんなの話を纏めて、紅梨がそれに意見する。


「でも・・・これから・・・どうしましょう? みんな・・・両親に・・・説明しなきゃいけない・・・んですよね?」


 瑛奈の質問にみんなうーんと首を傾げる。


「私たちの所は多分大丈夫なのよねぇ。 母さんはあんなだし、父さんも、彼氏云々に関しては心配してたけど、出来たならそれでいいって感じだし。」

「ただ、2人共同じ彼氏って、ところに、納得するか、どうかって、ところだよ、ね。」


 桃野姉妹のところは問題はなさそうだ。


「わらわもその辺は大丈夫だぞ。 お父様には説明してあるしの。」


 エレアがそう主張する。 彼女の中では飛空の婿入りは決定事項だったらしい。


「私はそもそも話す相手がいないから、根本的な所から心配無用。」


 イバラの場合は現状が現状な為に致し方なしと言った所だろう。


「問題は私たちよねぇ。」


 鮎の一言に頷く夭沙、文香、瑛奈の3人。


「私のところは命の恩人ってだけで、それとこれとは話が別なのよねぇ。」


 そう嘆くのは文香。 彼女の父は警官で、「ブラッド」の調査もしていたのだが、娘の危機に立ち会えなかった所を飛空に娘を助けてもらった恩があるらしいのだが、その話と娘が彼氏を連れてくる云々の話とはまた別なようだ。


「私の場合は・・・まず驚かれると・・・思います・・・ね。 産まれてこのかた・・・ほとんど男子と・・・話すことが無かったです・・・から。」


 瑛奈は少し遠い目をする。 そんな自分の一娘が段階を飛び越して彼氏が出来たとなれば、そりゃ驚かれるだろう。


「まあ、隠し立てはしない方がいいですし。 飛空さんと決めて後々みんな挨拶をしに行きましょう。」

「その場合、みんなでいく? それとも個別?」

「みんなで、行ったら、ほんとに、驚かれちゃう、よ。 紅梨ちゃん。」


 夭沙の提案に紅梨が疑問述べて、白羽がそれを正す。 ある意味この桃野姉妹は連携という点ではこの中では1番かもしれない。


「しかしこの事実をどう受け止めるかはご両親次第ぞ。 我々が良くても親が許さないのなら意味がないのだからの。」


 エレアの言う通りである。 交際をしたからには話を通しておかなければならない。 それが例え認められなくても。


「・・・・そう言えば飛空の両親にはどう伝えよう?」


 イバラの一言でみんな固まる。 そうなのだ。 先程の話はあくまでも「自分たちの両親」と話す場合である。 それ以外にもう1つ、飛空の両親という壁があるのを彼女たちは忘れてはいけなかった。


「飛空の両親が物凄く怖かったらどうしよう?」

「ああ、教育方針的に? 厳しくして、しっかりしてもらうとか。」

「逆に凄い放任主義とか。 ほら好き勝手していいよ、的な。」

「それなら、あそこまで、真剣にならないと、思うんだけど。」


 みんなうーんと、頭を捻る。 自分たちの両親、飛空の両親、そして今後の事。 考えなければいけないことはヤマ積みだ。 これらをどうやって解決して行こうか。


「でもわらわは飛空がいればそれでいいけどの。」


 エレアの無邪気な一言にみんな安堵する。


「確かにそれはおいおいの話ですものね。 今話すことでは無いわよね。」

「というかこのメンバーなら、どんな事があっても飛空を支えられる。 そんな気がするのは、私だけかしら?」


 紅梨が照れくさそうにそう言うと、


「飛空はみんなに優しい飛空。 それは変わらない。」

「どんな事になっても・・・私は・・・飛空さんの傍に・・・いたいです。」

「考えてることは、みんな一緒だよ。」


 イバラ、瑛奈、文香がそう物申す。 それにみんな頷く。


 強気だが繊細な一面のある紅梨。


 引っ込み思案だが優しさのある白羽。


 大人のような余裕を持っている鮎。


 みんなのまとめ役の夭沙。


 マイペースで自分に正直なイバラ。


 変わる勇気を貰った瑛奈。


 好奇心旺盛で無邪気なエレア。


 感情のスイッチが出来る文香。


 この8人には、飛空の長所も短所も、得意な事苦手な事、飛空が支え、飛空を支え合える。 そんな彼女達の飛空との物語はまだ始まったばかりだ。


 ――――――――――――――――――――


「へっくしゅん!」


 唐突にくしゃみが出た。 なんだ? くしゃみすると噂されてるって聞くけど、誰か俺の事を噂してんのか?


「どうしたの飛空。 風邪かしら?」


 今は家 (この世界での)のリビングにいる。 連絡を受けて、今週末は家で過ごす事になった。


 そんな状況下で母 (代理)が心配する。 ちなみに今いるのは母代わりの治療女神様だけで、戦神の父 (代理)は都合上いなかった。


「大丈夫、ちょっとくしゃみが出ただけ。」


 そう言えば今8人と付き合ってるって事をこの神様達に俺は説明しなくちゃいけないのだろうか? いや親代わりだし、説明はするつもりだけど、一応聞いておくか。


「あの、この話は神様の立場として聞きたいんですけれど。」

「なんですか?」

「神様達ってこういう下界とかって常に見てるわけなの? それともあまり見ていないの?」


 神様は基本傍観主義と考えての発言ではあるが、この先彼女達の説明をする可能性も示唆して置かなければならないのでな。


「そうですね。 常に見てる訳では無いです。 が、大体のあらましは見れますので。」

「じゃあ俺の事も・・・」

「ええ、転移者として転移神様が管理して見ておられます。 ただ、転移神様は最近のあなたの動向が面白いとの事であなたをよく観察するようになって。 それを見たさに他の神様達も見ているといった状況です。」


 うわぉ、リアルタイム上映中なのね。 なら2人には説明は不要かも。


 彼女が8人も出来た。 元の世界では絶対に有り得ない体験をしている。 まあバーチャル世界で戦いが出来るってだけでも大分奇想天外だけどな。 ま、神様達に飽きられないように、俺も精進して行かないとな。

如何だったでしょうか?

前半は彼女達を三人称視点で、後半は飛空の一人称視点で書いております。

一応このままの状態がしばらくは続くと思いますが、いつ終わるか分かりません。 ですが、失踪だけはしないようにこれからも応援よろしくお願いします。

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