チャプター2 それでもボクは殺ってない (非)日常編一日目①
とりあえず完成したので一話投稿させていただきます。
これからは不定期更新になりますが、よろしくお願い致します。
――――体育館のステージ上にて張り付け死体となって発見された【超逸材のカウンセラー】の相川祐樹さん。
――――相川さん殺しとしてマシンガンの処刑を受けて殺された【超逸材のイラストレーター】の倉中りぼんさん。
16人居た者達はコロシアイという形にて2人死んでしまって、残りは14人となってしまっていた。
そして皆が困惑して食堂へと来ると、食堂で意気消沈した顔をしているぼく達をゲシュタルトは「ぐふふぅ……!」という無駄に大きな、ぼく達に聞こえるようにゲシュタルトは笑い声をあげていた。
ゲシュタルト《ぐふふぅ! やっぱりコロシアイは最高のエンターテイメントだねぇ! それにこのおしおきも楽しかったねぇ! なんにせよ、オマエラがこうしてコロシアイに手を染めてくれた事に、ボクは本当に嬉しい限りだよぉ!》
ヤマト・アユム「ふざけんじゃねぇよ! オレたちがこんな目にあっているのはお前がこの船に監禁したせいだろうがぁ……と思うよ?」
カスガ・ハルヒ「……そこは普通に言い切って良いと思いますが、概ね自称冒険家の言う通りだと思います」
ショコラティッシュ「え、えっと、その……倉中さんもゲシュタルトさんのせい、だと思うよ?」
それに関してはショコラティッシュさんのいう事はもっともである。なにせ、彼女が相川さん殺しに踏み切ったのだって、ゲシュタルトさんが用意したコロシアイ動機ビデオが原因のようなものなのだから。
ユキワリ・キョウヘイ「そもそも、あのコロシアイ動機ビデオがなければ相川さんも、倉中さんも、殺されはしなかった……」
ヘイワジマ・ノゾミ「オー、ソレは言えてるネー。カウンセリングルームで2人だったのは、コロシアイ動機ビデオがあったからヨー」
相川さんが倉中さんを殴ってはいたが、その殴った場所はカウンセリングルームだった。そもそも相川さんがそのカウンセリングルームに居たのも、コロシアイ動機ビデオという与えられた物を皆で見て、それについての面談をした結果である。
つまりは今回の事件は、ほとんどゲシュタルトのせいだと言える。
ゲシュタルト《うっ……それを言われると、えっと……そのぉ……あのぉ……》
ミツルギ・ヒイロ「そうだぞ! 認めるべきだぞ、ゲシュタルトぉぉぉぉ! 自分のせいでコロシアイが起きた事にはなにか弁明すべきだろうぅぅぅぅ!」
トキワギ・トオカ「そうですよ! コロシアイをさせる役としても、今回の件はほぼ100%あなたが悪いです!」
タカナシ・アカリ「……なにか言うべきことがあるんじゃないの?」
皆でゲシュタルトを攻め立てると、ゲシュタルトはぷるぷると震えていた。そして仮面越しでも分かるくらいに顔を真っ赤にして、ヤケクソであるとばかりに言い放つ。
ゲシュタルト《い、いいでしょう! 明日をお待ちください! 明日、オマエラが驚く事を見せてやりましょう! 見せつけてやるから待ってろよぉぉぉぉ!》
煽られやすいのかどうかは分からないが、ゲシュタルトはそう言い残して食堂から出て行った。
シラカミヤマ・タケル「あ、あのあの! さっきのって一体、どう言う意味なんでしょうか? ボク達が驚くこと、って」
スズキ・シーサー「さ……あ……な……?」
ナカヨシダ・サユリ「にゃにゃにゃ……とっても気になるのだにゃぁ~」
とは言え、ゲシュタルトがどう言った手段で驚かせているのか気になりつつ、ぼく達は2人の死よりも今をどうするか。それが一番大事と考えて、食堂で食事をするのであった。
そしてご飯を食べて、今日一日どうしようかなぁと考えていると、中吉田さんがこちらへと向かって来ていた。
ナカヨシダ・サユリ「あっ、杏平ちゃん! 杏平ちゃんは今日、特に予定はなかったりするのかにゃ? もし良かったら、わたくし様と一緒に来てくれないかにゃ?」
ユキワリ・キョウヘイ「……? なにかあるんですか?」
ナカヨシダ・サユリ「にゃにゃにゃ……実は今から緋色ちゃんと灯里ちゃんに頼まれて、ちょっとやるべき事があるにゃが、良かったら来るかにゃ?」
緋色ちゃんと灯里ちゃん……【超逸材のヒーロー】の御剣緋色さんと【超逸材のネイリスト】の小鳥遊灯里さんの2人? なんだか珍しい組み合わせなのだが、どう言う事なんだろう?
ともかく少し気になったので、ぼくは中吉田さんに「ぼくも行く」と告げると
ナカヨシダ・サユリ「それは良かったにゃ! それにゃら、一緒に来てくれるかにゃ?」
と言って、手を差し出して来た。
ユキワリ・キョウヘイ「えぇ、行きましょうか」
ぼくは中吉田さんと共に後を追って行った。




