チャプター1 監禁船の四月は君の虜 非日常編(1)
今日からしばらく連続更新です。
ぼくたちの前に現れた死体。
昨日までは普通に話して、明日も一緒に居れると思っていた彼、【超逸材のカウンセラー】の相川祐樹さんは体育館の上で張り付け死体となってぼく達の前に現れていた。
アイカワ・ユウキ「相川さん……なんでこんなことに……」
ミツルギ・ヒイロ「なんでだよ、なんで祐樹が……」
トキワギ・トオカ「ユウキッチ……」
ぼくは困惑して、常盤木さんはその場に膝をついて倒れた。そして御剣さんは先に死体を見つけた3人――――中吉田さん、橋渡さん、大和さんの3人に詰め寄っていた。
ミツルギ・ヒイロ「おいっ、さゆり! これはどういうことだ!?」
ナカヨシダ・サユリ「そ、そそ、そんなことをわたくし様に言われても分からないにゃん! 歩さんに言われて恋歌さんと体育館に見たら死体を見つけたのだにゃん……」
御剣さんが大和さんに視線を移すと、彼は「メールが来たんだ」と答える。
ヤマト・アユム「……体育館に3人で来て欲しい、そんな内容のメールが今日起きたらオレのゲシュパットに入っていた。それで、食堂に行く前に中吉田さんと橋渡さんの2人について来て貰ったんだ。そしたら死体を見つけちゃって……な」
ハシワタリ・レンカ「びっくりしましたよ♪ なにせ体育館に着いたら、相川さんが電源プラグで十字架に貼り付けにされているんですものね☆ 私、驚いて腰抜かしちゃいましたよ♡」
いや、橋渡さんのその嬉しそうな表情からは、腰を抜かして驚いている様子は一切見受けられないんだが……。
ナカヨシダ・サユリ「本当にびっくりしたにゃん。まさかコロシアイが起きるなんて、わたくし様は思ってみなかったにゃん……。緋色ちゃんはさっきの放送で?」
ミツルギ・ヒイロ「そうだなぁ。丁度そこの2人と一緒だった時に聞こえてな」
と、御剣さんは中吉田さんに対して説明をし始めていた。そんな中、ぼくは十字架に張り付けられている相川祐樹さんの死体を見て、愕然とした目で見ていた。
ユキワリ・キョウヘイ(……十字架? なんで相川さんが、十字架に張り付けられているんだ? と言うよりも、なんで相川さんが殺されてるんだ?)
相川さんはこのコロシアイを止めて、ここから出ようとしていた。ゲシュタルトが用意したコロシアイを起こすための、【コロシアイ動機ビデオ】も外に出るための動機の1つとして考えてみたいで、皆で外に出ようと必死に考えていた。そんな彼がどうして……。
そんな事を考えていると、他の人達が体育館へと集まっていく。さっきの放送を聞いて、集まったのだろう彼らもまた、相川さんの死体を見て驚いていた。
ショコラティッシュ「ショコラ、びっくりしてるよ……。なんで相川さんが殺されてるの?」
センジョウガハラ・ケイマ「相川殿……何故、吾輩の目の前で死体と成り果ててるのか? しかし相川殿の死は捨て駒として、全体の局面……いや、今の状況を変えるための好機として見せよう。そのために、相川殿を殺した相手は、吾輩が必ず……」
ヘイワジマ・ノゾミ「ユウキー、ナゼ死んだのねー? ミーは不思議だーヨー」
皆が思い思いの感情を死んだ相川さんにぶつけていると、不穏な音楽が体育館に響き渡る。すると、相川さんの隣に嬉しそうな様子のゲシュタルトが現れる。
ゲシュタルト《ぐふふぅ! いやぁ、素晴らしいなぁ! いや、ボクの望むコロシアイがいよいよ始まったねぇ! 嬉しくて、嬉しくて、仕方がないねぇ!》
ミツルギ・ヒイロ「おいっ、ゲシュタルト! てめぇ!」
体育館のステージ上に現れたゲシュタルトを見ると、御剣さんはステージ上に上がり、ゲシュタルトを強い視線で睨み付ける。ひょいっとゲシュタルトに御剣さんは殴り掛かるも、ゲシュタルトはくるりとまるでバレリーナーを思わせるくらいの身のこなしで避ける。
ゲシュタルト《ぐふふぅ! 今のは見逃してあげるよぉ、ミツルギヒイロくん。けれども次にやったらどうなるか分かるよねぇ?》
パチッと指を鳴らすと、黒幕たる彼女の横に2機のK-64殺戮兵器が現れる。K-64殺戮兵器の銃からは赤い線が御剣さんの額に向けられていた。
ミツルギ・ヒイロ「くっ……!」
悔しそうな顔でステージを後ずさりする御剣さんを、満足そうな顔で見るゲシュタルト。
ゲシュタルト《ぐふふぅ! 分かって貰えて嬉しいよぉ! さーて、オマエラにはこれからアイカワユウキくんを殺した犯人を探し出して貰うよぉ! まぁ、探し出しなければ、オマエラ全員殺すの決定だけどね~。ぐふふぅ!》
カスガ・ハルヒ「殺されたくなければ殺した相手を見つけ出せ、ですか。なかなかに筋が通らない相手ですね。もっともこんな状況を作った相手になにを言っても無駄でしょうが」
スズキ・シーサー「……クロ……探す……」
クラナカ・リボン「で、でもどうやって探すんですか? レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』みたいに良く見たら分かる訳がないですし」
シラカミヤマ・タケル「そ、そそ、そうですぅ。ボクは【超逸材の鑑定士】という称号を持ってますが、絵画系専門ですし……。あっ、イラストレーターさんの言う『最後の晩餐』ならボクも手伝えるかも……ひぃっ、文句を言わないでください。ちゃんと出来なかったらごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
クラナカ・リボン「えっ!? ほ、ほんとうですか!? 白神山さん、その辺り詳しく!」
「ハァハァ……」と鼻息荒く興奮して白神山さんに詰め寄る倉中さんを、春日さんは頭が痛い者を見るような残念な目で見ていた。
ショコラティッシュ「……ショコラも、そう思うよ? ショコラ、あまり頭が良くないから、分からないよ」
ゲシュタルト《ぐふふぅ! まぁ、そうだよねぇ~。なら、今から面白いものをあげるよぉ~!》
『面白いもの』と言ったゲシュタルトの言葉の後、ぼく達全員のゲシュパットがメールが来たことを告げるように鳴り響いていた。ゲシュタルトから届いたメールの題名には、『ゲシュタルトファイル1』と書かれていた。
ユキワリ・キョウヘイ「……『ゲシュタルトファイル1』?」
ファイルを開くと、そこには相川さんの死体についての記録が書かれていた。
【ゲシュタルトファイル1
被害者;相川祐樹ー【超逸材のカウンセラー】
犯行時刻;ヨル11ジ28フン
死体発見現場;体育館ステージ上
殺害方法;刺殺。日本刀で刺されて出血多量によって死亡】
そこに書かれていたのは、相川さんの殺害された状況だった。
ゲシュタルト《ぐふふぅ! それはボクが作った殺害ファイルだよぉ? オマエラだけで任せると、殺害方法ですら分からなくて嘆くかもしれないからねぇ。特別サービスだよ? まぁ、そこに書かれている情報は間違ってないよぉ、もっとも書かれていない情報についてはしらないけどねぇ~。
じゃあ、後はオマエラで頑張ってねぇ~! 一定時間の後、裁判によってクロを見つけてもらうからそれまで頑張って捜査してねぇ! バイビー!》
そう言ってゲシュタルトは消えて、ぼく達は開始することになった。
――――相川さんを殺したクロを見つけるための、捜査を。




