チュートリアル コロシアイ殺戮に至る病 模擬裁判編
この話はチュートリアル、作品の雰囲気を楽しむ程度の物です。
チュートリアルを飛ばす主義の方は、第3話からお楽しみくださいませ。
☆==== ====☆
これはチュートリアルです。本編の雰囲気をほんの少し理解して貰うためのチュートリアルとなっておりまして本編の登場人物は出てきますが、番外編ですので本編と関係ないので、あくまでも雰囲気を感じて頂けると嬉しいです。なお、「そんなの関係無い! さっさと本編を読ませろ!」と言う方は次ページを参照してください。
・雪割杏平
【超逸材のスケット】。主人公気質。名探偵である兄の【超逸材の探偵】の雪割花江を手伝っていたために、推理としての知識もある程度ある。
・常盤木十香
【超逸材のサッカー選手】。被害者役。ラスト1分でハットトリックを決めて自身の中学を優勝へと導き、とにかく前向きなチームのムードメーカーとして有名だった。
・小鳥遊灯里
【超逸材のネイリスト】。黒い手袋や黒いマフラーなど全身黒で統一しており、誰に対しても素っ気ない態度で接する。「〇〇の爪の垢を煎じて~」という特徴的な言い回しを好む。
・相川祐樹
【超逸材のカウンセラー】。他人に対して親身に接する事を信条としており、一番最初に会った雪割杏平にも同い年とは思えないほど大人びた態度で接する事が多い。
・久能環
【超逸材の神】。神ゲーと呼ばれるゲームを数多く作り上げて来た。極度の人見知りで、ダンボールを被った状態でしか人と喋れない。
・御剣緋色
【超逸材のヒーロー】。男らしい熱血漢であり、人を殺したり殺されたりする事が大嫌い。「男なら体で語る」を持論としており、常に熱く燃えている。
【証拠品】
・ゲシュタルトファイル
被害者の名前は常盤木十香、発見場所は彼女の自室。死因は頭を四角くて硬いものに殴られた事による撲殺。全身が爆発による熱によって燃えている。
・常盤木十香の部屋
彼女の部屋は爆弾によって全壊している。だけれども部屋には常盤木さんの死体と金属バットが置いてあった
・金属バット
彼女の自室に置いてあった金属バット。血は着いていない
・爆破
爆弾によって彼女の部屋は爆破されていた。その爆破によって、皆が発見した。
☆==== ====☆
常盤木十香。【超逸材のサッカー選手】という肩書を持つ、明るい性格で皆を楽しませていた人物。そんな人物は、彼女の自室によって丸焦げになって死んでいた。
殺人、それが起きた事によってぼく達は再び挑む事になった。
人を殺して逃げようとしたクロを突き止めるための、【クロ探し裁判】を。
ゲシュタルト《ぐふふぅ……! と言う訳で、今回は【超逸材のサッカー選手】、常盤木十香さんを殺した犯人を当てて貰いましょう! さぁ、君達は無事に犯人を当てる事が出来るかな?
ぐふふぅ! さぁ、嘘と偽りのクロ探し裁判の始まりだよぉ!》
皆で【超逸材の死神】と呼ばれるバケモノによって、ゲシュタルトによって集められたぼく達は、仲間である【超逸材のサッカー選手】の常盤木十香さんを殺した犯人を捜すという裁判会場に集められていた。
なんで、こうなったのか……その前後が全く思い出せないのだけれども……。
アイカワ・ユウキ「さて、と言う訳で【超逸材のサッカー選手】の常盤木十香さんを殺した犯人を突き止めようじゃないか。全く、内容が思い出せないんだけれども……」
ミツルギ・ヒイロ「そうだっ! 何故かは全く分からないが、仲間が殺されたならばその真相を突き止めなければならないな! 何故かは全く分からないがな!」
相川さんと御剣さんの言葉に、皆も頷く。そう、全く思い出せない。
常盤木十香が大事な仲間である事は覚えているのだが、そこに至るまでの経緯がまったく思い出せないのである。そこが違和感としてぼく達全員が抱いているのだが、けれどもぼく達は立ち向かわなければならないのだ。この中に居るとされる、常盤木殺しの犯人を。
タカナシ・アカリ「――――まぁ、まずは殺人事件を紐解くとすれば、とりあえず殺害方法を考えましょうか。どういう殺され方だったのかを推理すれば、そこから犯人が絞り込めるでしょうし?」
ユキワリ・キョウヘイ「殺害方法って……かなり物騒だな」
だけれども小鳥遊さんの言う通り、殺害方法から判断するのが犯人に繋がる一番の近道だろう。
クノ・タマキ「……殺害方法、デスか。彼女の身体は全身が火傷した、黒焦げのイタイでしたデス」
アイカワ・ユウキ「あぁ、本当に常盤木十香くんの遺体は見るも無残といった感じだったな」
ミツルギ・ヒイロ「ふむっ! つまり十香は、爆弾によって爆死したのだな!」
そう言って御剣さんが【爆死】と言ったその言葉に、ぼくは「それは違うよっ!」と答えていた。
ユキワリ・キョウヘイ「いや、それは違うよ。確かゲシュタルトファイルには、彼女は【四角くて硬いもので殴られた撲殺】されています。残念ながら、爆弾による爆死ではないです」
ミツルギ・ヒイロ「そ、そうか! ゲシュタルトファイルに書かれているのなら、それが正しいのだろうな」
"ゲシュタルトファイルに書かれていることは事実である"。何故かは分からないが、それだけは事実だと断言出来るのだ。
故に、御剣さんも納得して黙ったのである。
アイカワ・ユウキ「撲殺……確かに、常盤木十香くんを調べた際に、頭部に殴られた箇所があったが、あれが死因だったとは――――」
タカナシ・アカリ「四角いもので殴られた後に、爆発によって死亡させられてしまった。
……常盤木さんは2回も殺されたという事か。この事件の犯人には、平和主義者の爪の垢でも煎じて飲ませたい所です」
クノ・タマキ「ビビッ……検索中。そうイエバ、サッカー選手の部屋には鈍器となるものがありましたデス。
つまり、サッカー選手を殴ったキョーキは、あのヘヤに置いてあったバットデス!」
バンッと、ダンボールの中から手を出して断言した久能さんに対して、ぼくは「それは違うんだよ」と答えていた。
ユキワリ・キョウヘイ「久野さん、常盤木さんは四角くて、硬いものに殴られて死んだんですよ? バットじゃ、今回の事件の凶器としては相応しくありません」
クノ・タマキ「オォ……四角くて、硬い……。ナラ、このダンボールもキョーキじゃありませんデスね」
タカナシ・アカリ「そんなダンボールで、死んだなんて誰も思ってないから安心しときなさい。
けど、それじゃあ問題が発生するわね。あの部屋に他に凶器のようなものはなかった、犯人が持って帰ったという可能性もあるけど、調べた限りこの船にそんな凶器なんて隠されていなかったわ。これは【超逸材のネイリスト】として、名探偵の爪の垢を煎じて飲むほどの覚悟を持って捜査した私が、言い切るわ」
アイカワ・ユウキ「じゃあ、いったい犯人はなにを凶器にしたんだろうね?」
凶器が見つからない……。
いや、もし【四角くて硬い凶器】というのが、"アレ"だったら話は解決するんじゃないだろうか? そう、普段は撲殺なんかには使わないけれども、四角くて硬い形状のものも存在するあれだったら。
そして、ぼくの推理通り"アレ"が凶器だとしたら、犯人は――――。
ゲシュタルト《すとーっぷ! ぐふふぅ、これ以上は語らせないよぉ?
凶器がなんだとか、どういう殺し方だったのか、色々と謎は残ってるかもしれないけど、ここでタイムアップだよぉ。だって、これはお試しだから!
さぁ、次からが本番だぁ。皆、コロシアイの狂気渦巻く生活を是非楽しんでくれたまえ!》
トキワギ・トオカ「あ、あれっ!? あたし、結局殺されたまま!? ど、どうなっちゃうの!? ねぇ、どうなっちゃうの!?」