表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ギフデッド~才能溢れる者達のコロシアイ学園旅行~  作者: 超逸材の感想募集家
チャプターx アイアム ヒーロー/ゴープレイヤー
189/207

アイアムヒーロー、ユーアーヒーロー

これは、とある時間。

----1人の人間と、黒幕との闘いの記録


 ボクは、死ななければならなかった。

 それがボクが【超逸材の鑑定士】である白神山たけるとして果たすべき、最後の役割だったからだ。


タケル「まぁ、仕方ないよね」


 ボクは自殺……いや、他殺にしか見えない自殺の準備を始めていた。

 今日、この日、ボクはこの船の中で、1人静かに殺される。


 いや、別に自殺志願者という訳でも、世界に絶望したわけでもない。

 生きる気満々だし、そもそも自殺したとしても、ボクは"死なない"のだから。


 ただ単に、このコロシアイ生活を盛り上げるため。

 そのために、ボクは今から自殺する。


 ボクは彼らには"白神山たける"という名前で名乗っていたが、本当の名前はそうではない。

 ボクは、この地球から遥か彼方離れた星で生まれた宇宙人----我妻猛。


 乃等野サロンという素晴らしい神作家様に、ボク達は導かれてこの星へとやって来た。

 全ては、楽しい、死という娯楽を観賞するために。


 ボクを始めとする宇宙人達は、退屈していた。

 ただただ、永遠と言う時を生きるボク達にとって、退屈は常につきまとっていた。


 そんな時だ、1台の壊れた衛星がボク達の星に落下したのは。


 その衛星は、後の調べで地球が、異なる星との交流をするために作ったモノだと分かった。

 ボク達にして見れば、なんでそんな面倒なことを、自分達の星すらまともに統治できない地球人が、宇宙に目を向けるだなんて、と思ったけど。


 そんな無意味に打ち上げられ、無意味にやって来た衛星だけど、たった1つだけ。

 そう、この星に来た"意味"があった。


 ----乃等野サロンの小説。


 宇宙に向けて、多くの情報が発信されてる中で、たった1つだけ、ボク達の心を揺さぶるモノがあった。

 乃等野サロンという、全ての人間----惑星を越えてですら響く、無類の芸術文学が。


タケル「(そう、全てはその小説から始まった)」


 この惑星に来たのも、そしてこんなコロシアイ生活を行うのも。

 その全てが、乃等野サロンが教えてくれた娯楽(ひまつぶし)だ。


 互いの命を賭けて行う、無意味なるコロシアイゲーム。

 これ以上の楽しみはない。


 その楽しみをもっと盛り上げるため、ボクは死を偽装するのだ。

 ----1人の少女をハメて、もっとこのコロシアイを楽しませるために。

 






センジョウガハラ・ケイマ「そこで、なにをしているんだ?」


 と、そんな事を考えていると、背後から声がかけられる。


 振り返ってみると、そこに居たのは----【超逸材の棋士】こと戦場ヶ原桂馬。

 今回のコロシアイ生活で、用意しておいたメンバーのうちの1人だ。


 彼はボクを怪訝な目で見つつ、ゆっくりと近づいてくる。


センジョウガハラ・ケイマ「なにをしている、と聞いているんだ。白神山殿」


タケル「(まずい、こんなところに居るだなんて)」


 ボクは慌てて凶器を、ボク達を一瞬だけ仮死状態にする特殊な薬----ゲシュタルト式三殺セットと名付けておいた毒瓶を隠す。


タケル「なーに、ちょっとした夜の散歩的な? ヨルジカンにうろつくのは悪いと思ったけど、こういう時に【超逸材の鑑定士】としての眼を鍛えておかないと、いけないんですよ。

 ほら、ピアニストが1日ピアノを弾くのを休むと、感覚が鈍る的な」


 嘘、だった。


 今からボクは、このコロシアイ生活を盛り上げるために、自殺する。

 正確にはこの毒瓶を自分から飲み、小鳥遊灯里に罪を着せる。


 既に準備は整っている。

 遺書も、犯人として追い詰める証拠も、そしてアリバイ崩しも。


タケル「(小鳥遊灯里----まさか彼女が、【超逸材の怪盗】があんなにも真実にこだわるなんて。道理で、推理ものの登場人物なのに、殺人事件なんかに出ない訳ですよ。

 あんなコロシアイに向かない、むしろボク達を探そうとしている者には死んでもらおう)」


 それも、自分が殺したと、一切思えない状況で、証拠をたくさん用意して。

 クロとして、小鳥遊灯里が追い詰められるような状況を。


 そうして、後の事件で彼らは悟るのだ。


 "自分達がクロとして挙げた小鳥遊灯里は、本当はクロじゃなかったのかもしれない"。


 その時に見せる彼らの歪んだ顔が----


センジョウガハラ・ケイマ「そうか、ちなみに吾輩はこんなのを見つけた」


 と、そんな事を考えている最中だった。

 戦場ヶ原桂馬が、物資移動レーンに置いていたはずの小鳥遊灯里の私物を見せたのは。


タケル「それ、は……?!」


センジョウガハラ・ケイマ「物資移動レーンにて見つけたモノだ。ご丁寧に血まで付けてのぉ、まるでコイツが殺したという動かぬ証拠みたいにのぉ。

 だから吾輩、誰かが死んだのかと思って、必死に探したんじゃよ」


 ----まさか、今から死のうと考えてるヤツが、ハメるために用意したモノとは知らずにのぉ。


 戦場ヶ原桂馬はボクを、蔑んだ瞳で見つめる。


センジョウガハラ・ケイマ「死んで誰をハメるつもりじゃった、黒幕さん?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この度、続編を作る際のアイデアを出してみました
よろしければ、見て、"こういうキャラを出した方が良いんじゃない?"とか、
"こういう展開をしてくれませんか"など、意見があったら、教えてくれると嬉しいです

アルティメットギフデッド2 また会えたコロシアイ生活(仮)

続編を制作しております、よろしければこちらも是非
スーパーギフデッド2 ありがとうコロシアイ生活
― 新着の感想 ―
[一言] えっ・・・桂馬黒幕に気付いてた・・・!?衝撃的過ぎる
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ