表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ギフデッド~才能溢れる者達のコロシアイ学園旅行~  作者: 超逸材の感想募集家
チャプター1 監禁船の四月は君の虜
15/207

チャプター1 監禁船の四月は君の虜 (非)日常編一日目③

 この監禁船で探っていないあの場所(・・・・)。それはぼくと相川さんが初めてあった、あのゲームセンターだった。ぼく達が目覚めたのはボーリング場であったが、船内見渡し図に書いてあった地図によると、この辺りにはゲームセンターコーナーという場所があるみたいである。

 ボーリング場の他にも打って気分爽快になれるバッティングセンターや将棋やオセロなどのボードゲームが楽しめる遊技場、簡易的に映像を上映するための映画館の3つが併設されているらしい。


 ゲームセンターの施設内から、ぼく達がまず遊技場を調査することとなった。遊技場へと入ると真ん中には大きなホッケー装置が置いてあった。そして机がいくつか置いてあり、その上には将棋とオセロなどの簡易的なボードゲームが置いてある。壁には【コロシアイ万歳!】、【コロシアイ最高!】と言うようなコロシアイを促進させるようなポスターが何枚も貼ってあった。


ユキワリ・キョウヘイ(紹介文としては、どれもどうかと思うような奴だけど……)


ヤマト・アユム「【殺戮OK! 人の命をかっ飛ばせ! ゲシュタルトバッティングセンター】、【コロシ将棋に盤上殺戮サツリク・オン・ゲームのゲシュタルト・ザ・ルーム】……。極めつけは【洗脳バリバリなムービー・ゲシュタルト・センター】……。どれもコロシに関連しそうな奴ですね。これから分かるように、ゲシュタルトはどうにかしてオレ達にコロシアイをはじめさせたい……みたいですね」


カスガ・ハルヒ「当たり前でしょ」


 と、パンフレットに目を落としていた大和さんから、パンフレットを奪いながらそう言う春日さん。


カスガ・ハルヒ「わざわざ私達を殺さなかった事から見ても、彼女がなにかしたいのは明白でしょう。彼女の目的が本当にコロシアイなら、それを誘発するような行為は当然でしょう」


ミツルギ・ヒイロ「なるほど! なら、今からコロシアイ誘発するような奴を剥がしまくれば良いんだな! よしっ、剥がすぞ! 春日!」


カスガ・ハルヒ「何故、私が……経験上として、剥がしてもすぐに貼られるので無駄だとは思いますが、拒否権はないんでしょうね」


 はぁ~と溜め息を吐きながらも春日さんは、問答無用で御剣さんが首根っこを掴んで引きずられていた。


カスガ・ハルヒ「……分かりました、付き合いますよ。付き合いますから引きずらないで貰えません? ちょと痛いんですけど……ねぇ、聞いてます? 無能で何も聞いてないカラッポなその耳は飾り!? 飾りなの!?」


 御剣さんは春日さんの首根っこをつかんで、そのままポスター剥がしの作業に向かいました。大和さんは遊技場から出ようと扉に手をかけていた。


ヤマト・アユム「よし! オレはバッティングセンターの方を探って来るぞ! 誰かついて来る者は居ないか!

 ……居ない? ねぇ、居ない? 本当に?」


タカナシ・アカリ「……誰も付いて行かないとは言ってないでしょうが。私もそちらに用があるので行きます」


 とことこと1人で勝手に歩き出した小鳥遊さんに続くように、慌てるようにして大和さんも続いて行った。残されたのはぼくと相川さん、それに橋渡さんの3人。相川さんがぼくと橋渡さんの2人と向き合って、ボーリング場を調べようと言って来た。


アイカワ・ユウキ「まぁ、見落としがないかきちんと探ろう。小さな点でも、もしかしたらなんらかの足掛かりになるかもしれないからね。雪割杏平くんと橋渡恋歌さん、2人と一緒で心強いよ」


ハシワタリ・レンカ「いや~♪ 恋歌ちゃんとしては他の2組と同じように2人っきりの方が良かったなぁ♡ キョウちゃんやユウくん、どちらも私の恋人候補だから親密に話したいし☆」


 あぁ~楽しみだったのにぃ~、と橋渡さんは悶えていた。


ハシワタリ・レンカ「私は、【超逸材の恋人】なんですよ♪ 与えられる恋と与える愛、その全てを内包する恋人なんだよ♡ 超恋人だよ♡ 逸材の恋人だよ♡ 【超逸材の恋人】だよ♡

 どんな相手とも恋に落ちて、落とさせて貰って☆ 愛欲、情欲、肉欲♪ あぁ、愛って良いよねぇ♡

 そう思わない? ねぇ、そう思わない?」


 目の奥にハートマークをるんるんと輝かせて、橋渡さんはぼくに詰め寄っていた。そんな彼女からは体育館の中で初めて会った時に感じた色気を、いやそれ以上の色気を漂わせていた。


ユキワリ・キョウヘイ「え、えっと……橋渡さん?」


ハシワタリ・レンカ「キョウちゃんはどういう女の子が好み? ごろごろと甘えてくれる妹系? 自分の望みを全て叶えてくれるような姉系? 時折バカなことを言って場を変な空気にさせるアホの子? 女性なのに美少年な行動で同性をも虜にするビファクスネン?

 暴力を振るって来る系? 僕っ子? 他人に対して異常なまでに卑屈? 自分の世界に入り浸る中二病? アルアルいう中国女? クールビューティやデレデレでも良いよねぇ♪

 たとえメジャーなジャンルじゃなくても、全部あなた好みになってみせるよ☆」


 「さぁ♪ さぁさぁ♪」と迫って来る橋渡さんがなんか怖くて、ちょっぴり弱腰になっていると相川さんが橋渡さんの肩を掴む。


アイカワ・ユウキ「橋渡恋歌さん、ちょっと良いかな?」


ハシワタリ・レンカ「なにかな♪ なにかな♪ ユウくんはどういう()が好みだったり? 家が貧乏だったり、貴族階級だったり、大富豪だったりとか、そういう設定系は親とか世間とかの助けもあるから、難しいかなぁ☆ あっ、でも監禁されてるなら真偽が確かめられないから嘘でも良いかなぁ? 恋の駆け引きには、嘘とかも許されるだろうし☆」


アイカワ・ユウキ「……橋渡恋歌さんにどんな精神的欠陥があるか分からないけど、今は皆で1つの方向へと向かうべきだと思うんだ。この状況を皆で調査し、出来れば全員揃ってこの世界から脱出する。今の橋渡恋歌さんの発言には、監禁を受け入れて、この世界で暮らそうという意思が見えるんだけど?」


 じとーっと相川さんが見つめると、橋渡さんはちょっぴり困った顔で笑っていた。


ハシワタリ・レンカ「いやぁ、【超逸材のカウンセラー】さんには私程度の心なんか見破られちゃうみたいですねぇ☆ まぁ、今は確かに監禁から脱出するための情報収集に従事する従順系ヒロインであるべきだよね♪ よしっ、早速ボーリング場の調査をしましょうか♪」


 そう言って橋渡さんは「いっくよぉ♡」とボーリング場の調査を始めていた。今度は……ちゃんと調査に集中しているみたいだな?


アイカワ・ユウキ「よしっ、雪割杏平君。わたし達も探そうか」


ユキワリ・キョウヘイ「そうですね、橋渡さんだけだと不安ですし……」


アイカワ・ユウキ「あはは、それはちょっぴり言い過ぎだと思うけどね……」


 少しばかり笑みをこぼす相川さんに連れて、ぼくも笑顔を見せる。2人で笑い合っていると、突如橋渡さんが大きな声を出す。


ハシワタリ・レンカ「……! ユウくん、キョウちゃんの2人ともちょっとこっちに来て! あなた方の恋人がとびっきりの手がかりを発見いたしましたよ~!」


ユキワリ・キョウヘイ「とびっきりの手がかかり?」


 どんな手がかりだろうかと橋渡さんの方へと向かうと、ボーリング場の壁際に隠れるようにして小さな小窓付きのドアがあった。


ハシワタリ・レンカ「まだ扉は開けてないんで見てないんだけど……☆ どうやらカウンセリングルームみたいだよ♪」


アイカワ・ユウキ「カウンセリングルーム? ちょっとばかり覗いてみようか。カウンセリングルームなら、多分【超逸材のカウンセラー】であるわたしに関係していると思いますし」


ハシワタリ・レンカ「だよね♪ だよね♪ ここは入るべき、だよね♡ なーんか、面白いのあると良いけどね☆」


 「ばーん☆」と橋渡さんはそう言って、カウンセリングルームの扉を開ける。恋歌さんが一番先に入り、ぼく、そして相川さんが続いて入る。


ユキワリ・キョウヘイ「中は意外と狭いんですね……」


 広さはおよそ四畳半くらい。

 真ん中に少し大きめの対面式のテーブルと、それに付属する形で置かれている座りやすそうな椅子。これだけなら別に狭くはなさそうなんだが、壁際を埋めるようにして大きめの棚が壁を埋めているので見かけより狭そうに見える。


アイカワ・ユウキ「うん、普通に良い感じの大きさのカウンセリングルームだね」


ユキワリ・キョウヘイ「ぼくには少し小さめかと思いますが……」


 ぼくがそう言うと、相川さんは首を大きく横に振って否定の意思を見せる。


アイカワ・ユウキ「カウンセリングルームに必要なのは、2人の人間が話をするスペースだけだよ。極論を言ってしまえば、青空の下にて座布団2枚置くだけでも十分なカウンセリングが出来る。別にこれは【超逸材のカウンセラー】だからという意味でなくて、カウンセリングの本質は相手と向き合う事なんだ。そう言う意味で言えば、雪割杏平くんと良く似てるかもね」


――――相手と向き合うことが大切な、カウンセラー。

――――相手を助けようと思う事が大切な、スケット。


アイカワ・ユウキ「どちらも相手を大切に思うからこそ、【超逸材】と称されるようになった2人だ。まぁ、相手の事を信じられないこんな状況(コロシアイ)だからこそ、わたし達はこの状況をきちんと見極めなければならないんでしょうけどね」


ユキワリ・キョウヘイ「……そうですね」


 こんな、コロシアイだからこそ、ぼくはちゃんと見極めなければならないんだ。

 人を助ける【超逸材のスケット】、この雪割杏平(ぼく)が。


ハシワタリ・レンカ「……あれ? こんな所に変なのがいっぱいありましたよ☆」


 橋渡さんはそう言って、右の棚からiPadみたいな、少し大きめのパッドを出して来る。それは全部で16個あって、そのうちの1つをぼくは手に取って起動してみる。


パッド【ハロー、戦場ヶ原桂馬様。こちら、ゲシュパット。私立幸福ヶ淵学園でLet's Enjoy 学園生活!】


ユキワリ・キョウヘイ「……ゲシュパット?」


 とりあえず、重要な手がかりを見つけたので、ぼく達はみんなの元に戻る事になったのだった。

今話の中でも話しておりますが、

【カウンセラー】は相手と会話してアドバイスを送る存在。

【スケット】は誰かの代わりに他の人を助ける存在。

多くの職業の中でもこの2つは相手がいてこその職業だと思います。


……【恋人】?

アァ、ソウデスネ。1ニンデハデキナイ職業デスネ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この度、続編を作る際のアイデアを出してみました
よろしければ、見て、"こういうキャラを出した方が良いんじゃない?"とか、
"こういう展開をしてくれませんか"など、意見があったら、教えてくれると嬉しいです

アルティメットギフデッド2 また会えたコロシアイ生活(仮)

続編を制作しております、よろしければこちらも是非
スーパーギフデッド2 ありがとうコロシアイ生活
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ