表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ギフデッド~才能溢れる者達のコロシアイ学園旅行~  作者: 超逸材の感想募集家
チャプター5 ようこそ恋愛至上主義の教室へ
133/207

チャプター5 ようこそ恋愛至上主義の教室へ (否)日常編×日目

チャプター5、開始させていただきます

今回のタイトルの元ネタ、アニメ化されているみたいなのですが、まだ見てない……

見るべき……なん、だろうね

今はリゼロの番だから、その後にでも

 なにかを生み出すという事は、なにかを壊すという事である。

 創造は破壊の下で、破壊は創造の上で。

 創造と破壊は紙一重の存在であり、なにかを生み出すのと同じく、なにかが破壊される。


 だけれども、たいていの創作者にとって、なにかが破壊されるだなんて思っていない。

 ----ただ純粋に、己の夢を多くの者に伝えたいだけの、"善意の者"でしかない。


 とある1人の作家の戯言と、笑ってもらって構わない。

 狂信者である作家の暴言と、罵ってもらって構わない。

 意味のない作家の空虚な言葉と、聞き逃してもらって構わない。


 だけれども、これだけは分かって欲しい。


 私は、こんな世界を生み出そうだなんて思ってなかった。

 私は、こんな世界になって欲しいだなんて思ってなかった。

 私は、こんな世界にして欲しいだなんて思ってなかった。


 ただ私は、私の世界を皆に聞いて欲しかっただけ。


 ‐‐‐‐【超逸材の覆面美少女作家】 乃等野(のらの)サロン


== ☆ ☆ ☆ ==


----分かりましたか、作家先生様。次の締め切りは、ちゃんと理解できてますか?


 スピーカーから聞こえてくる、男の、【編集】と名乗る者の言葉に、作家である乃等野サロンはなにも応えなかった。

 正確には、応えているのに無視されていた。


「私は、既に守っている。締め切りは、守っている。

 私立幸福ヶ淵学園に通っていた、【超逸材の覆面美少女作家】であるこの私は、本気を出せば半日で小説一作分程度の、文章は書けるだけの、技量を持っています。

 あなた達には、既に二十作以上の作品は見せています。なのに、締め切りなどと‐‐‐‐」


 乃等野サロンの周囲には、何枚もの紙が落ちていた。

 その全てに意味のある文字が、列となって書きこまれており、その数は少なく見積もっても万を超えた。


 "缶詰め"と称して、サロンが【編集】に書かされたモノ。


 サロンは【超逸材の覆面美少女作家】として私立幸福ヶ淵学園に入学し、卒業した人間。

 サロンにとって物語を書くという事は、息を吸う事と同じくらい簡単で。

 サロンの作風は、1人の作家としては恐ろしいほど、多種多様。ジャンルも複数に分岐していた。


 ある時は、世界を救う大泥棒を描いた、人情派SF作品。

 ある時は、誰もが騙されるほどの美術界の謎を鮮やかに解き明かす、王道ミステリー作品。

 ある時は、一瞬で読者を虜にするほどの熱と情報が引き込ませる、反逆のファンタジー作品。

 ある時は、原作を越えることが出来ないとまで言われた、珠玉のラブロマンス作品。

 ある時は、一瞬で時の流行語まで登りあげさせてしまう、とある偉人の歴史紹介伝。

 ある時は、特集が組まれるほど怖すぎて失神してしまう、最恐のホラー怪人作品。

 ある時は、読むだけでその熱き戦闘の一瞬一瞬が思い浮かぶ、アニメ化必死の青春アクション群像劇。

 ある時は、笑わせすぎて芸人が思わず師匠と呼ぶほどの、抱腹絶倒のコメディー作品。

 ある時は、その作品のおかげでVRゲームが完成したとまで言われる、男女2人で大人達の嘘を暴くVRゲーム作品。


 その他にも、サロンが書いた作品は多数存在しており、その全てが読者の心を的確に掴み取る、ミリオンセラーにして多大なる影響を与えるインフルエンサー的な作品だった。


----あなたは何も分かっていない。


 と、そんな作家界隈の神とも評されるほどのサロンに対して、【編集】はそう断言した。


----我々がお願いしたのは、世界を変えるほどの素晴らしい作品だ。

----【超逸材の覆面美少女作家】である乃等野サロン先生ならば、既に分かっているだろう?

----読者が何を望み。

----我々、【編集】が何を待っているのか?


 【編集】にそう促され、サロンの目の前に1枚の書類が落ちてきていた。


 その書類のことは、サロンは何度も見ていた。

 ただし、出来る限り見ないようにしていたのだ。


 それはサロンにとって、書きたくなかった作品テーマだったから。


 世界を救う大泥棒の活躍を描いた、『小鳥遊灯里の怪盗白書』よりも。

 美術界の謎を解き明かす、『美術鑑定士ルパン・ザ・アート』よりも。

 反逆のファンタジー作品である、『オクシデント』よりも。

 珠玉のラブロマンス作品である、『アカハライド』よりも。

 とある偉人の歴史紹介伝である、『城多(きだ)タダシと尊き王』よりも。

 最恐のホラー怪人作品である、『鏡の堕ち人』よりも。

 アニメ化必死の青春アクション群像劇である、『ドラゴン・ハウリング』よりも。

 抱腹絶倒のコメディー作品である、『水泡』よりも。

 男女2人で大人達の嘘を暴くVRゲーム作品である、『スカイ・ハイ・ワールド』よりも。


 どんな作品よりも、どんなテーマよりも、それは彼女が書きづらくて仕方がない作品だった。


 そこにはこう書かれていた。


 『人々が殺しあう、絶望的な作品』、と。


----我々が求めるのは、コロシアイ。

----我々が求めるのは、絶望。

----我々が求めるのは、悪意。


「……そんなのを書いて、何になる」


 サロンは、とある事情からコロシアイが嫌いだった。

 だから今までも、そういう作品は書かないようにしてきた。


 多種多様に、様々なジャンルの作品を書くサロンが、唯一しない、ポリシーだった。


 しかし、【編集】はそれを良しとしなかった。




 こうして、乃等野サロンは【編集】に誘導されるまま、1つの作品を生み出した。

 生み出して、しまった。


 そのタイトルこそ、【ギフデッド~才能溢れる者達のコロシアイ学園旅行~】。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この度、続編を作る際のアイデアを出してみました
よろしければ、見て、"こういうキャラを出した方が良いんじゃない?"とか、
"こういう展開をしてくれませんか"など、意見があったら、教えてくれると嬉しいです

アルティメットギフデッド2 また会えたコロシアイ生活(仮)

続編を制作しております、よろしければこちらも是非
スーパーギフデッド2 ありがとうコロシアイ生活
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ