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英雄に育てられた少女は、どうやら世界を救うようです!  作者: 喜山 涼
第3章 「やがて夜空を照らす者達へ」
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3章ー18話 「突然の宣言」

すみません。

キリがよかったので、今回はちょっと短めです。



「なんっだ、あいつ…!? おい、お前らあいつのこと知ってるのか!?」


「知ってるも何も、逆に何で知らないのか聞きたいくらいよ。どこのど田舎から出てきたの、あんた? ウィリアス・サリスタン。”剣神の再来”と呼ばれてる王国の第二王子だ。まさか入学していたとは驚いたけど…」


 その銀髪の少年を見てテンションを上げる山猿にフェリアが信じられないものを見るような眼で答える。

 

 ウィリアス・サリスタン。

 初代『聖剣星』グリシラ・サリスタンにしか扱うことのできなかったとある一振りの聖剣に選ばれ者。


 シャーリーに話を聞いていたが、実際に眼にしてみるとアイリスにもその異質さが感じ取れた。山猿のように見ただけで戦闘能力がわかるといったことはないが、明らかにその醸し出す雰囲気が他とは異なっている。

 そんな時、不意に教壇近くのウィリアスとアイリスの視線が交差した。

 ウィリアスはアイリスを見つめ、そして何か納得がいったかのように頷くと、ニコリと微笑む。しかし、アイリスとしては突然のことなのでその笑みの理由を理解できなかった。


「何か、アイリスを見て笑ってるわよ。一目惚れでもされたんじゃない?」


「笑えない冗談はやめなさい」


 フェリアが横から茶々を入れるが、アイリスはそれを一蹴する。

 そしてその間にウィリアスの視線はアイリスから外れ、壇上にはスーツ姿の女性が立っていた。


「全員席に着き、私語を止めなさい」


 女性にしては低いが、よく響く声で女性は告げる。

 どうやら内部進学の生徒たちにとってはその女性は知られている様でそれぞれが黙って指示に従い、足早に席に着く。

 その様子を確認し、頷くと、


「よし、初見の子たちもいるので改めて自己紹介させてもらう。私がこの成績最優秀者及び特待生五人で構成されたこの1-1の担任を務める、ポール・ルクレアだ。三年間よろしく頼む」


 礼儀正しく挨拶をするポールに教室からパチパチと拍手がおこる。アイリス達もそれにならい軽く手を叩く。


「ふむ、よろしい。そして、唐突だがキミたちには伝えなければならないことがある。入学早々にすまないがこれからとあるイベントを行わせてもらう」


 突然の発言に教室にざわつきが起こる。

 たしか事前に配られたスケジュールではこのまま互いの自己紹介込みの軽い入学式を行い、今日はそのあとに男女別の寮への案内して終わりの予定だったはずだ。

 この驚きようからして、内部進学組もアイリス同様にそう告げられていたのだろう。

 しかし、ポールはそのざわつきを無視するように話を続ける。


「そもそもキミたちは一年間同じ場所で生活してきたんだ。今回は場所が変わっただけ、今さら入学式など必要ないだろう。だが、まだ何も知らない子たちもいる。このイベントはその子たちについて知るためのものだ」


 そこまで言ってポールは、最上段近くの席に座る五人へと視線が送られる。

 アイリス達もその含みのある言い方で薄々これから何かが行われるのを感じ始めていた。


「どうやら、あたし達に何かやらせるみたいね」


「あぁ、俺様の勘がいきなり素晴らしいチャンスの到来を感じ取ってるぜ」


 山猿の歓喜の声を証明するかのように、ウィリアスを含めた三人が教壇の前に並び立つ。

 ウィリアスの他の二人は、アイリスとも山猿とも違う白みがかった金髪をロール状にした如何にもお嬢様といった少女と腰に少し細めの剣を差した終始ニコニコ笑顔で橙色の髪を男性にしては長めに整えている優男風の少年だ。


 二人とも他の学生とは一線を隔しているかのように落ち着き払っている。

 ポールはそんな三人と特待生五人に交互に視線を送り、


「ここにいる三人と特待生でエキシビジョンマッチをしてもらいます。他の生徒たちに特待生に選ばれたあなた達の力を見せてもらうわ」


 とそう告げた。

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