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彼らと彼女らの日常  作者: 時白
4/9

休日ゲームプレイ四天王

 

「みてみてー! 新作ゲーム買ってきた!」

 ダチのシスコン相談やらその後のシスコン追跡劇を聞くのにでこいつと遊ぶの久々だな。しかもゲームって。家で遊ぶの好きな女で金かかんなくていい。顔も可愛いし。一緒にいて飽きねえし。

「おお。じゃあ今日はそれやるか。タイトルとジャンルは?」

「『ドキドキ土の四天王』だね。ジャンルはわかんない。パッケージが農作物の肥料の絵だから」

 地雷の予感が半端ねえなおい。

「まあ、地雷ゲームは嫌いじゃねえしな。やろうぜ」

「名作かもよ?」

「はは。それはねえよ」

「もう!」

「いいから起動しろってゲーム」

「はあい。ポチっとニャ」

「うぜえwww」

「ダブリュダブリュダブリュって言わないでよ!」






 名前を決めてね!!

(何にする?)

(土の四天王っぽい名前にしろよ)

(分かった)

 土田 これでいい?

 決定。

 ゲームスタート!!

(お前、土田って)

(まさに土の四天王でしょ!)

(ファンタジーに合わねえー)

 魔王城。謁見の間。

 私、土田! 四天王の中で最弱の土の四天王! 今日は魔王さまからお話があるみたい。一体なんだろう?

(土田女かよ!)

(金髪童顔ショートヘアーの可愛い女の子だねー)

 魔王デスナイトメア「揃ったか。四天王たちよ。今日は貴様らに話があるのだ」

(おい! 魔王色白のイケメンなのに名前だせえぞ!)

(デスナイトメアだもんね。私がその名前だったら死んでるよ)

(だな。魔王メンタル強いな。さすがだ)

 火の四天王「話とはなんですか?」

 魔王デスナイトメア「うむ。勇者が覚醒した。貴様らには勇者抹殺の指令を与える」

 風のドボルザーク「ついに魔王の宿敵となる勇者が現れたのか。楽しくなってきたぜ」

 水のシルエラ「ちょっとおー。魔王様でしょー。殺すわよードボルザークちゃん」

 風のドボルザーク「はっ! 俺は風よ! 俺の行動も言動も誰にも縛ることはできねえよ!」

 魔王デスナイトメア「シルエラよ。我は仕事さえすれば言動などいくらでも許すぞ?」

 水のシルエラ「きゃあー! 魔王様は器が大きい!」

 炎の四天王「さすがは我らの魔王様だ」

(おい。気付いたか?)

(うん)

((炎の四天王名前がねえ! モブかよ!))

(ドボルザークさんはワイルドなイケメンだねー)

(シルエラはグラマラスな美女だな。性格悪そうだが)

 魔王デスナイトメア「さて、土田よ。お前が先鋒だ。勇者を抹殺してくるがいい」

 土田「わ、わたしですか!!」

 水のシルエラ「あら魔王様。土田は四天王の中で最弱のゴミですよ。あたしに任せてくださいよー」

 炎の四天王「シルエラよ。誰よりも先に勇者を倒して手柄を立てるつもりではあるまいな?」

 水のシルエラ「そうねー。手柄を立てて貴方を抜かして四天王ナンバーワンになりたいしー」

 土田「さ、最弱のゴミ……」

(炎の四天王ナンバーワンなのに名前ねえのかよ!)

(か、可哀想)

(土田もな!)

 魔王デスナイトメア「先鋒は土田だ。異論は認めん。誰にもな」

 風のドボルザーク「(土田は様子見の捨て駒ってわけか。つまらねえ)」

 土田「ま、魔王様。私、頑張ります!」

 魔王デスナイトメア「励めよ」

 土田「は、はい!」

 水のシルエラ「どうせぼこぼこに負けるんだからー。傷だらけで戻ってきなさいよ? あはははは!」

(シルエラうぜえ)

(うーん……)

 よーし。勇者抹殺頑張るぞ! 生きたまま土に埋めてやるんだから!

(土田地味にこえー)

(それは同感) 





 マウンテン山。

 よーし。ここで勇者を待ち伏せだ! どこに隠れよう?

 1、岩

 2、草の茂み

 3、橋で待ち構える

(選択だね。どうする?)

(てかこれ乙女ゲーじゃね?)

(かもしれないね)

(んじゃあ適当に3で。男を口説く趣味ねーし)

(まだ口説く選択肢じゃないよ!?)

 橋で待ち構える事にしたよ! やっぱり正々堂々と肉弾戦だね!

 勇者アルフ「そこにいるのは誰だ!」

 土田「来たな! 勇者よ! 我は魔王様の配下である土の四天王土田! ここがお前の墓場だ!」

 勇者アルフ「魔王の配下か。生きたまま皮を剥いでやるぞ!」

(勇者こええ!!)

(乙女ゲーの発言じゃないよね!?)

 土田「食らえ! <アースバイク!>」

 あ、あれ? 魔法がでない?

 勇者アルフ「馬鹿が! ここは橋の上! 土を利用するアース系魔法は使えるか! くたばれ!」

 土田「し、しまった!」

 自分の失敗に気付かなかった私は勇者の攻撃をまともに受けて橋の下へと落ちてゆきました。

 魔王様。ごめんなさい。命令を果たせませんでした。

 1、このまま目をつぶり落ちる

 2、あきらめない

(2だな)

(だね)





 マウンテン河原

 ?「土田!! 土田起きなさいよ!」

 う、うーん。声が聞こえる。この声は

 土田「シルエラ?」

 水のシルエラ「よかった。起きたのね!!」

 涙で頬を濡らしたシルエラがいた。

 土田「私、勇者に負けて橋から落とされて」

 水のシルエラ「そうよ! 本当にあなたは弱いわね! 馬鹿!」

 土田「う、ううごめん」

 水のシルエラ「本当に馬鹿なんだから……」

 そう言ってシルエラは私を抱きしめた。

 土田「えっ」

 水のシルエラ「あんた弱いんだから最初から戦わなければいいのよ……そうすれば私も心配なんてしなくてすむのに」

 シルエラが私を心配?

 土田「どうして……私、シルエラに弱いから嫌われてるんだと思ってたのに」

 水のシルエラ「あんたを戦わせたくなかったから! あんたをいつも弱いって使えないって! くずだとゴミだと言って! 私、あんたの事ずっと前から好きだったのに!!」

 土田「シルエラが私の事を好き?」

 水のシルエラ「ええ。そうよ……私は貴女の事が好き」




 回想

 私は同姓からいじめられていた。

 理由はなんだろう? 大人になった今では、私が可愛かったし男子にモテてたから嫉妬していたんだと思う。

 あとは魔族なのに癒しの魔法が使えたっていうのもあるかも。

 昔はピュアで気弱な私だったから何もやり返せなくてされるがままにぼこぼこにいじめられてたんだけど。

 でもそんな時にヒーローが現れたんだ。

 女子「あんたさ。なんで生きてんの?」 

 女子2「ほんとー。はやく土に帰ってないかな? 死体で」

 女子3「自然に分解を拒否されるゴミだから無理だって! キャハ!」

 シルエラ「ふぇぇーん!」

 ?「まてまてまてまて!!」

 女子「あん? 誰?」

 いじめっこの前に私を庇うようにして立ちはだかる金髪の女の子。

 土田「私は土田! 最強無敵の魔王様になる女だ!」

 言動がアホな娘だった。

 女子「はあ? くたばれし」

 女子2「えい!」

 女子3「それ!」

 土田「あいたっ!」

 集団でぼこぼこにされてた。

 次の日も次の日も彼女はいじめっこに立ちはだかってぼこぼこにされた。

 いつしか私はいじめられなくなった。

 彼女は代わりにぼこぼこにされてた。

 魔族なのに誰かを助けるなんて馬鹿だと思った。昔も今も。

 あるとき、関わらないように話しかけてなかったのだけれど、一つだけ聞きたくなったので聞いた。聞いてしまった。

 シルエラ「どうして私を助けたの?」

 私のヒーローはこう答えた。

 土田「いつか私は魔王となって軍を率いる事になるからね! 軍の中で差別とか苛めとかは許さないんだよ! だからそういう行為を許す訳にはいかないよ!」

 シルエラ「そんなに弱いのに魔王になるとか馬鹿なの?」

 土田「努力すれば強くなれるんだよ! 私はまず四天王の一人になる! そして魔王様に認められて、後任の魔王になるんだ!」

 シルエラ「魔王を倒して魔王にならないの?」

 土田「それだと世の中が乱れちゃうよ! 私は覇道じゃなくて王道をいくんだ! 魔族の皆が笑って暮らせる世界にするためにね!」

 シルエラ「わ、私も努力すれば強くなれる?」

 土田「なれるよ! 頑張ればね! そして私の片腕になってよ!」

 それから私は彼女を目で追うようになっていた。

 彼女はいつしかボロボロになりながらもいじめっ子を倒す強さを手に入れていた。

 私も努力を始めた。

 天才で努力した私は最年少で人間の砦を落として四天王になった。

 彼女も四天王になった。

 彼女は地道な任務で戦って戦って戦って功績を上げて四天王に這い上がってきた。

 最高に弱い彼女は四天王になったのだ。

 彼女は何度も傷つき何度も瀕死になりながらも。

 母性本能というやつだろうか。

 死んで欲しくなかった。傷付いて欲しくなかった。

 いつしか私は彼女を守ってあげたいと思っていた。魔族なのにだ。

 だから私は、彼女をなるべく戦地に行かせないように仕向け、私が魔王になって彼女を後任にするべく更なる努力をした。

 私は四天王の風のドボルザークを抜き側近のナンバーツーになった。

 後は、炎を蹴落として、魔王の後継者になるはずだったのに。

 勇者が覚醒した。




 マウンテン河原

 水のシルエラ「私は死なせたくないのよ。死にかけてるあんたをこの目でみて母性本能じゃなく愛してるって分かったから」

 土田「シルエラ……」

 水のシルエラ「だからあんたはここで休んでなさい。勇者は私が抹殺してくるわ」

 土田「シルエラ待って!」

 うぐ! 体が痛い!

 水のシルエラ「ここで休んでなさい。いいわね」




 マウンテン山

 水のシルエラ「見つけたわ」

 勇者アルフ「何者だ!」

 水のシルエラ「四天王の一人。水のシルエラよ」 

 勇者アルフ「さっきの馬鹿な土田とかいうやつの仲間か。くたばれ!」

 水のシルエラ「いきなり斬りかかるなんてね。好戦的ね」

 勇者アルフ「黙れ! お前ら魔族は一人残らず殺す!」

 水のシルエラ「私はあんただけは絶対に殺すわ。私を変えてくれたヒーローを殺そうとしたから」

 勇者アルフ「はっ! お前には殺すことは無理だよ。喰らえ! <ライトニングボルト!>」

 水のシルエラ「きゃあああ! 私の弱点を的確に……」

 勇者アルフ「自分から水のシルエラだって名乗ったからな。弱点は雷だろ? 俺の一番得意とする属性魔法のな」

 水のシルエラ「迂闊だったわ……」

 勇者アルフ「じゃあな! とどめだ! <ライトニングボルト!>」

 土田「<アースガード!>」

 勇者アルフ「弾いただと!」 

 水のシルエラ「土田!」

 土田「やっと分かったよ。四天王最弱の私が、成長すれば魔王様と互角に戦えるようになると言われる勇者の一番最初の四天王に選ばれたのかを! 勇者! お前はまだ雷属性しか使えないんだな! 私と相性の悪い!」

 勇者アルフ「ちっ。まだレベルが足りないからな。だが最弱な四天王ごとき剣術で圧倒できるわ! 死ね!」

 土田「それはどうかな? <アースバイク!>」

 勇者アルフ「ふん! 無駄無駄!」

 土田「今だ! シルエラ!」

 水のシルエラ「<アブソリュートゼロ!>」

 水系最強の魔法が勇者を貫いた。

 勇者アルフ「ぐわあああああああ」

 土田「やった!?」

 勇者アルフ「おのれ……無念だ……ここで果てるとは」

 そう言って勇者は事切れた。

 私達二人は勇者に勝ったんだ!

 ほぼシルエラのお陰だけど。




 エピローグ

 私とシルエラは出世しました。

 シルエラは四天王ナンバーワンに。

 私はナンバーツーになりました。

 水のシルエラ「土田! 特訓するわよ!」

 土田「うん! シルエラ! 今行くから!」

 そしてシルエラを抜かしてナンバーワンになり、自分の手で魔王になったら、私からシルエラに告白しようと思います。

 私の人生の片腕になって下さいって。

 シルエラノーマルEND






「ノーマルエンドかよ! 百合かよ! 畜生! またやりたくなるな!」

「そこそこ面白かったね!」

 確かに色々と気になる部分があったが俺は楽しめた。

「さて、ご飯にしようか。大分時間が経ったし」

「だな」

「なに食べる?」

「お前が作ったもんなら何でもうめえからお前が食べたいもんを作れよ」

「分かった。オムライス作るね」

「おう」

 また今度の機会にやりに来るとするか。














































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