狭い世界
掲載日:2016/06/12
この世界は……
……灰色の空、地面しか見ない木偶人形、高い塔がただ高く天にのびている。
無機質な音、形だけの中身がない空虚な物体、全て腐って、腐敗して、無くなって、消えて…………。
人々は、人形達は笑わない。
今日も毎日俯いて、前を見ないで歩く。
肩がぶつかる、波に飲まれてなにかが消える、新しい波に飲まれてまた消える……消える……消える…………。
定期で変わる色は赤と緑しかなく、白と灰色のコントラスト。
赤で進み、緑で進み……赤い池が出来る。赤と緑、白と灰色しかない世界、世界の日常の風景、そしてまた消えて、歯車が1つまた忘れ去られて、消えて……消えて……。
景色は変わらずただそこにあるだけでなにも変わらない1日が過ぎていく。
味がしない物を体に入れ、意味もないことを行い、罵倒しけなされ、殴られて、理由なんかないのに……歯車として回るだけ。
ただあるだけの、存在するだけの意味もない歯車。
歯車は磨耗し続ける。
歯車ゆえに泣くこともなく。
そして明日も歯車は廻る、忘れ去られるまで。
この色が少ない世界で、無意味な世界で、ただ生きる、役目を終えて消えるときがくるまで……ああ……なんて狭い世界。
人形であり歯車としていきる。
死んで記憶から消える。
そして世界は廻り続ける、1日1日歯車が消えていく。
他の歯車が気づかぬうちに……




