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異世界戦争(仮題)  作者: 原子牛
序章
9/80

第八話「頂上にて」

「あれ……ここは……」


 気が付くと、何も無い空間に立っていた。


「――来たか、カイトよ」


 黒の鎧を纏った騎士が語りかけてくる。

 偽雷帝……つまり此処は、俺の意識の中か。


「……俺は死んだのか?」


 前にもした質問を、デジャヴのように投げ掛ける。


「まだ死んではいない。――が、時間の問題だろう」

「そんなに重症なのか?」

「傷自体は命に係わる程ではない。しかしあやつは、お前の生死に関係なく食うつもりだ」


 食われるのか……あの巨大狼に。

 だが、この世は弱肉強食。

 俺は、奴に負けた。

 つまり――弱者だったのだ。

 ……ちくしょう。


「悔しいか?」

「……ああ。不思議とな。俺は自分がそんな風に感じる人間とは思ってなかったんだが……」

「皆そんなものだ。本当に勝ちたい相手に負けるのは、誰であれ悔しいに決まっている」

「そうだな……で?」


 ここに呼んだという事は、何か用があるのだろう。


「まあそう焦るな。お前はこのままだと目覚めても死ぬが……一つだけ生きる道がある。だが、その前に質問だ」

「なんだ?」

「あの狼はどういう奴だった?」

「速かった」


 咄嗟に口をついたのはやはりそれだった。

 あの巨大狼は速かった。

 目では到底、追えない程に。


「そうだ。奴は速い。それで、お前は奴の動きを見切れたか?」

「無理に決まってるだろ。あんな速くちゃ……人間じゃ掠りも見えやしねえ」

「ふむ……だがお前は最後、微かに奴の動きが見えていた」

「なに? ……いや、見えてないぞ」


 悔しいが、俺は最後まで奴のスピードに付いていけなかった。

 見えていれば、最後の攻撃を避けられたことに気付けたはずだしな。


「だから微かに、だ。お前はお前自身が認識出来ていなかっただけで――目では、奴の動きが見えていた」

「えっと、つまりどういうことだ?」

「つまりだ……お前はついさっき、器が成長したのさ」


 前に偽雷帝は言っていた。

 器が成長すれば新たな力を授ける、と。


「与えよう──新たな力を」


 力強く言った偽雷帝はこちらに手を向けた。

 偽雷帝の手のひらに淡く帯びた灰色の光は、ゆらゆらと俺の顔に近付いてきて――

 ぽわぁ……、と左目に灯った。

 左目に、小さくも頼もしい力が巡るのを感じる。


「……これはどういう力なんだ?」

「【虚眼(ホロウアイ)】。その目で見たモノ――正確には照射した光が当たったモノの動きを、著しく減速させる。それこそ、時が止まったようにな」


 【虚眼ホロウアイ】か……また格好よろしい名前だこと。

 だが、この力は使える。

 かなり強力な新能力だ。


「これも原子生成(クオリア)なのか?」

「ああ。通常は原子生成(クオリア)は一人に一つだが……俺達は特別なのさ」


 達……『十三英傑』のことか。

 世界には他にもこんなバカげた強さの能力を持った輩があと十二人もいるのかよ。


「では行くがいい。不細工な狼に、一泡吹かせてこい」

「あんたは、一体……」


 言葉を言い切る前に、意識がまどろんで途切れた。



 覚醒した意識を確かめるように目を開くと――

 黒騎士の推測通り、巨大狼が俺を喰らおうとする寸前だった。


「どけッ!」


 本気の右ストレートをかます。

 やられっぱなしでむしゃくしゃしてたんでね。


「ブゴォッ!」


 と、不細工な声を上げて巨大狼は仰け反った。

 寝ている体勢だったのでブッ飛ばす程の力は出なかったが……隙は出来た。

 俺はすかさず紫電を放ち、奴の胸を貫かんとする。

 が、奴は危機を察知したのか残像を残して姿を消した。さすがだな。


「よっこらせっと……」


 体が痛いので、ゆっくりと立ち上がっていると、


「ガァッ!」


 巨大狼が背後から攻撃を仕掛けてくるが――()()()()()俺は、灰色の光を湛えた左目で射抜いた。

 光を浴びた巨大狼の動きが、スーパースローモーションカメラで撮った映像の如く限界まで遅くなる。


「――じゃあな。お前のお陰で少し強くなれたよ」


 断末魔の叫びを待たず、極太の紫電を放つ。

 ――瞬刻を経て、この場に残ったのは俺だけだった。


「……っはぁ、はぁ……」


 いやー、まじで疲れた。

 こんなのいつ振りだよ。

 中学の時、水泳部で外部コーチが来た時限定でやらされる”鬼練”並に疲れたわ。

 まあ今回は練習じゃなくてボス戦だが。


「あー……」


 気が抜けたのか、脚から力が抜けて尻餅を着く。

 岩石地帯の間を抜けて吹きつけた強めの風が、火照った体に程良いクールダウンを与えてくれる。

 ついでに小鳥が一羽飛んで来て、ピーピーと鳴きながら俺の足をついばみだした。


「おい、やめんか。食うぞ」


 だがさすがに小鳥を殺す気にはなれず、なすがままにぼんやりと茜色のを眺めていると……


「カイト!」

「カイトさん!」


 崖から上がってきた、二人の美少女が駆け寄ってきた。

 見ると、アイルが少し怪我をしてるみたいだが……見た感じ軽傷のようだな。

 あれ。無事じゃないのって俺だけかよ。まあそれならいんだけどな。


「フィルト……やったぜ」


 笑いかけると、フィルトは可憐なウインクで返してきた。


「当然よ。やってもらわないと困るんだから」


 そこで一旦しゃがんだフィルトはいつになく優しい笑顔を浮かべ、


「でも、信じてたわよ」


 と、労うようにそっと手を俺の頬に当ててきた。


「ふふっ。カイトさん、お顔が赤いですよ」

「っ……うっせえ。ほら、もう少しで頂上だぞ。行こうぜ」


 立ち上がろうとすると、二人に慌てて止められた。


「ばか。あんたってホントばか。今日はもう陽が沈んでて登ってもどうせ何も見えないから、もう休みなさいって」

「フィルトさんの言う通りです。夕食は私が獲ってきますので、カイトさんはどうか休んでいて下さい」


 二人共、真剣な面差しでそう言ってくれる。

 こんなに心配してくれているのにわざわざ反抗するのも、悪いか。


「実はめっちゃ疲れてた。寝る」


 体を倒すと……フィルトが俺の顔を手で挟んで、自分の膝に乗せた。

 ふわりと甘い女の子の香りがして、頭が痺れる。

 こ、こいつってこんな匂いだったんだ――じゃなくて。


「フ、フィルト?」

「今日だけは特別。おやすみ、カイト」

「おやすみなさい、カイトさん」

「……ああ。ありがとう。おやすみ」


 目を閉じると、何かを考える間もなく泥のように眠った。



「あ……! 二人共、あれを!」


 アイルの声に顔を上げる。

 朝日に照らされて銀色に反射する山の斜面。

 その終わりが、見えてきた。


「頂上……頂上よ!」


 疲れた表情をしていたフィルトが、安堵の籠った声音で叫んだ。


「ああ、やっとだな……よし! ここはみんなで一緒に行こうぜ!」


 嬉しくなった俺は、ノリでフィルトとアイルに手を伸ばす。

 やや驚いた顔を浮かべた二人は――二人で見合って頷いた後、俺の手を取った。


「行くわよ!」

「行きましょう!」


 たったったった。

 三人で並びながら走る俺達は――

 とうとう、圧倒的な高さを誇る山の頂上に辿り着いた。


「「「……!」」」


 一斉に言葉を失う。

 感動から……ではなかった。

 この山は壁のように聳えている為、横幅が広い。ので、頂上まで登らない限り反対側の景色を見る事は叶わなかった。

 だからこそ、景色の全貌を見るのは初めてなのだが――

 ――眼下には、圧倒的なまでの大密林が、地平線に渡って広がっていた。


「まじかよ……森ってこんなに広いのか……?」

「……。これからどうする? 戻る……のよね?」


 俺達が言葉を失っていた理由は、それだ。

 ここまでの規模の大密林を越えるのは、山を登るよりも難しい。それは、この数日の旅を通してフィルトとアイルも確信しているはずだ。

 元々、俺達は周りを見渡すためにこの山を登ってきた。

 ならば、とりあえずノルマ達成と言えるだろう。

 だがやはり、ここから引き返すというのは……キツイな。精神的に。


「カイトさん」


 アイルの俺の手を握る力が強まる。

 悲しみを隠して励まそうとしてくれているような、そんな笑みを浮かべていた。


「アイル。ありがとう……」


 感謝を言おうとして尻すぼみになってしまい……三人に重い沈黙が流れる中、不意に岩陰から、


「――あれ。こんな所に人間なんて、珍しいどころじゃないね」

「っ!」


 やや高めの男の声が聞こえて、俺は反射的に身構えた。


「そう警戒しないでよ。僕はただの通りすがりさ」


 そこには――金髪の男が立っていた。

 男……端正な顔立ちをした金髪碧眼の青年は、両手を広げて爽やかな笑みをこちらに向けている。


「あんた、誰よ」


 おお、フィルトはさすがだな。初対面相手にも臆さない。


「僕の名はカーサス。君らは、どこから来たんだい?」


 俺達の恰好をチラ見しながら尋ねてくる。

 彼の服装を見るに、俺達の姿は珍しいのだろう。

 ……ん?

 妙だな。こんな所まで来ているのに、質素な着衣と腰に提げた古びた角笛以外、何も所持していないように見える。

 左手には皮の手袋をしているが、それだけだ。

 武器なしであの密林を抜けてきたのか?

 ナイフぽっちも持っているようには見えないのに?

 俺たちがあまり友好的でないのに気付いてか、カーサスは対応を変えてきた。


「まあ、別に答えたくなければいいんだけど……」

「遠い所よ。とても」


 フィルトが答えると、カーサスは飄々とした雰囲気を崩さぬまま破顔した。


「へぇ! そこってどんな場所なの?」


 やけに馴れ馴れしいな。演技には見えないが……。


「あはは……僕からすると、君らの方が怪しいんだけどね」

「なんでよ?」

「僕は少し離れた場所にある村に住んでて、この辺りの事は熟知しているつもり。けど、今まで村の外で人に会った事なんて一度も無いからね」


 なるほど。

 それなら確かに、俺たちを怪しむのは当然だ。

 ここはいっそストレートに聞いてみるか。


「……お前は、俺らの敵じゃないのか?」


 核心を突いた俺の問いに、


「それは違うよ。でももし、君達が戦おうと言うのなら――」


 ここで初めて鋭い眼つきになって、カーサスは言葉を続けた。


「――僕は応戦する」

「そう。敵じゃないって事ね。でもそれは、彼女が天使であってもかしら」


 それを聞いてカーサスは、


「……これは驚いた。でも、うん。僕は相手が誰であろうと、敵じゃないなら敵にはならない」


 驚きながらも、そう笑顔で頷いた。


「そ。なら安心ね」


 鼻をならすフィルトに対して……アイルは少し面食らった顔をしていた。


「私が『天』で聞いた教えは間違っていたのでしょうか?」

「『天』にはそんな教えがあるんだ? まあでも、何処かにはそんな人々も居るかもしれないからね。初めて会った人は毎回警戒するくらいが丁度いいんじゃないかな」


 アイルにアドバイスをしたカーサスは、何かを思い出したような顔でこちらを見た。


「ここに登ってきたって事は……君達、《フェンリル》を倒したの?」

「《フェンリル》? あー、あいつか。もしかして駄目だったか?」


 もしかして、山の神として祀られていた、とか?

 だとしてももう遅いけど。


「いや、そんな事はないんだけど……ちょっと待ってね」


 と、カーサスが目を瞑る。

 フィルトとアイルと顔を見合わせていると、小鳥が飛んできてカーサスの指先に乗った。

 あの鳥は……。


「……うん。なるほど。分かった、ありがとう」


 小鳥が飛び立ち、カーサスは爽やかな笑みを俺に向けてきた。

 ……まさかとは思うが、鳥と会話してたのか? マジで?


「君が倒してくれたんだね。助かったよ。僕達も《フェンリル》には困ってたんだ。たまに下に降りてくるから、村の人も迂闊に森で行動出来なくてね」

「ならよかったが……ん? ――なるほど。カーサスお前、原子生成クオリア使いだろ」

「ッ!?」


 目を見開いたカーサスだけでなく、フィルトとアイルも驚いた表情をしていた。


「な……どうしてそれを?」


 戸惑いつつも尋ねてきたカーサスに、俺は手短に説明する。


「別に簡単な事だぞ。《フェンリル》のいるこの山にカーサスが一人で来たって事と、丸腰だってことを鑑みればな」


 カーサスが山に来たのは、彼の住む村にとって厭うべき《フェンリル》を討伐しに来たと考えれば普通だ。

 それに加えて、密林を越え、尚且つあんな化け物の討伐にナイフ一本も持っていないなんて、どう考えてもおかしい。

 つまり、カーサスは相当強い原子生成クオリア、もしくは他の超能力を使えると想像できる。


「……そういうことか。別に隠す程の事じゃないけど……いやぁ、まいったね」


 たはは、と苦笑するカーサスは、続けて、


「でも君らも武器、持ってないよね」

「……まあ」


 カーサスが笑い掛けてくるので、俺もつられて苦笑する。

 なんか、同年代の男と話してると楽だな。

 フィルトやアイルと一緒にいると、楽しいは楽しいんだが、どこか気を張るしな。


「遅れたが、俺はカイト・キジマだ。一応『偽雷帝』ってヤツらしい」


 相手の素性が段々と把握できたところで少し踏み出すと、カーサスは早速仰天したようだった。


「ぎ、偽雷帝!? それ、本当!?」

「うん。ほら」

「おぉーっ! 本当に本物じゃないか! 今世代の十三英傑に会えるなんて……! 実は、僕も十三英傑なんだよ」

「え……」


 はいぃぃぃぃぃ?

 と、今度はこっちが驚く番になった。

 フィルトは「偶然ってあるのね」とクールに驚嘆し、アイルはあまりの衝撃に固まっていた。

 え、なに。十三英傑ってそんなホイホイ巡り合うもんなの?


「僕は『忍者』。こんな辺境であの『偽雷帝』と会えるなんて、運命だね」


 ニンジャ? ジャパニーズ・ニンジャじゃあ……なさそうだな。


「こ、こんな事ってあるんですね……。面積的にも広い『地』で数日間で二人も十三英傑と出会うなんて……驚きです」

「『天』にはいなかったのか?」

「昔、一人だけいたそうですが……少なくとも、私が知る中ではいませんね」


 なら残りの十三英傑は『地』に居る事になるな……けど、うん。

 何となく、もうこれ以上会いたくないと考えるのは……どうしてだろうな。

 

「カーサス。お願いがあるんだけど。あ、私はフィルトね」


 フィルトの手短な自己紹介にアイルが「私も」と続き、その後で……


「それで、お願いってなんだい?」

「私達をあんたの村に連れてって。ついでに地図なんかも貰えると助かるわ」


 さすがフィルトさん。強引でらっしゃる。けどまあ、これに関してはナイスだな。


「それならお安い御用だよ。《フェンリル》のお礼もあるし、むしろ足りないくらいだ。付いて来て」


 フィルトの頼みに快く応じたカーサスは、密林の方――ではなく、俺達が登ってきた方に歩きだした。

 真意は分からないが……ひとまずカーサスに任せて付いて行くと、昨日フェンリルと戦った岩石地帯に着いた。

 首を傾げる俺達の前で、カーサスは腰に提げた角笛を手に取った。

 そして、そっと口を添えて――

 ――ブォォォォォォォォンンン……

 と、低い笛の音が、果てしない大空にこだまする。


「何し――」


 たんだ、と尋ねようとして、遠くから聞こえた音に耳を澄ます。

 角笛の音とは反対に、甲高い鳴き声が天を割いた。


「!?」


 一瞬、大きな影が俺達の足元を通過して――

 一羽の巨大な鳥が、旋回しながら岩石地帯に舞い降りてきた。


「こいつはメドラ。僕の村で神鳥として崇められてる《グリフォン》さ」


 唖然とする俺達に紹介しながら、カーサスは鳥――メドラと仲良さそうに触れ合っている。


「グリフォン……十三英傑といい、『地』は凄いです……!」


 感激するアイルの横で、俺とフィルトは真顔のまま完全停止。

 だってさ、デカいんだもん。

 軽く十メートルくらいあるぜ?

 全長ならフェンリルより全然デカいよ。


「乗せてってくれるってさ」


 カーサスに促され、メドラの毛を掴んで恐る恐るよじ登る。

 もちろんフィルトと「どうぞどうぞ」はやったぞ。学生のノリ的で寒いが、鉄板だからな。

 それにしても……これが《グリフォン》か。目の前にするとよりデカく感じるな。


「実を言うと、メドラの私的使用は村全体で禁止されてるんだ」


 先頭に飛び乗ったカーサスがそんな事を言ってきた。


「え、なのに乗ってもいいの?」

「うん。お礼は僕じゃなくてカイトに言ってくれ。――じゃ、しっかり掴まっててね!」


 顔だけじゃなく言動もイケメンなカーサスが、馬を動かすようにメドラの腹を蹴る。

 それを合図にして一度高い声で鳴いたメドラが、巨大な翼で羽ばたくと――


「「――!?」」


 轟音と共に全身にとんでもないGが掛かり、高速エレベーターばりの上昇によって瞬時に山の景色が遠くなってゆく。

 ――あっという間に、山を含めた俺達の旅路が見下ろせる位置でメドラは安定飛行に移った。


「な、何だよ今の……おいカーサス、聞いてねえぞ!」

「そ、そうよっ! 怖か――危ないじゃない!」

「ははははっ!」


 ギャーギャー騒ぐ俺とフィルトの様子を見てカーサスが大笑いしている。

 突き落としてやろうか? いや、やったら多分メドラに振り落とされるからやめとこう。


「凄い勢いでしたね! ふわぁ、風が気持ちいいです!」


 ここに一名、感性が故障してる者がイマス。


「ほら二人共、見てください! 私達が出会った所ですよ!」


 さらさらの銀髪をばさぁぁぁ……と靡かせるアイルが、後ろを指さした。


「あ、ホントね。なんだか懐かしいわね!」


 ついさっきまでカーサスを燃やそうか考えていたらしいフィルトも、これには感動してる様子。

 俺も……この景色を見てたら、カーサスへの怒りなんてどうでもよくなったよ。

 メドラが物凄い速度で飛ぶせいで前から流れる風に、嫌な事全部吹き飛ばされたかのように。

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