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いちにちひとつぶ ~迷える君への贈りもの~  作者: おじぃ
高校生活 夏

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報われたい

 3年ぶり、やっと大好きな人と同じクラスになれて4ヶ月が経過した。


 けど、せっかく、せっかく同じクラスになれたのに、丸一日言葉を交わせない日もたまにある。夏休みなんて接点がない。


 失恋した上、告白した相手に暴行を受けた私に優しくしてくれたアイツはいつも幸薄そうで、寂しそうにしていた。


 ううん、それは今でも変わらない。だから、せめてもの恩返しとして、何か力になれないかと思って、前向きな気持ちになれそうな言葉を時々かけていたりもする。それで本当に前向きになれたら、それだけで嬉しいから。しばらくはそう、思っていた。


 だけど、だけどアイツは、私に対して露骨に壁を作っていて、私から声をかけても、向こうからは一切声をかけてくれない。


 やっぱり私、嫌われてるのかな?


 こんなにしつこくてやかましい女、嫌われたって仕方ない。アイツから声をかけてくれないのは、時々見せてくれる笑顔が単なる愛想笑いだっていい加減気付けよという意味かもしれない。


 でもどうして? 私はキミに元気になってほしくて、キミ自身のいい所を知ってほしくて、それを私が掘り出して直接告げて。一般的に照れ臭い台詞は、なんでも軽く言えそうなイメージを持たれてそうな私にだって凄く勇気が要るんだよ? キミと一緒に幸せになりたくて一生懸命なんだよ!


 なのにキミはただ不愛想に、ときに照れ臭そうに受け取るだけ。受け取る一方だ。色んな人に囲まれて、最近流行りの恋愛ゲームの主人公にでもなったつもりなの? ふざけんなお前何様だ。


 なのに、なのに、恋の病は治らないどころか強くなる一方。もし神様がいるとしたら答えてほしい。々辛い思いをしてきた私をどうしてここまで苦しめるの? どうして恋愛まで苦しまなきゃいけないの? 大好きな人と距離を縮めたいっていう想いすら、私には罪なの? そんなの、そんなの酷い。酷すぎるよ……。


 ああ、最低だ、私。なんだよこの感情。昼ドラのヒロインかよ。


 大好きな人を応援する代わりに離を縮めたいなんて見返りを求める私は、きっと下衆げすなんだと思う。


 でも、私だって辛いんだよ。母親に裏切られて、姉貴を失って、そんな辛い思いをしてきたから他の人には優しくしようって頑張ってきた。


 やっと私を理解してくれそうな男の子に出会えて、彼も疲れてそうだから一生懸命エールを送った。


 疲れ顔で冷たい反応をされても、少しでも元気になってくれたら嬉しいと思った。だから鬱陶しいと思われても傷付くのは自分だけだからと心に釘を刺しながら、夜は一人で泣いたりしながら歯を喰い縛って笑顔を作り続けたけど、もう疲れちゃったよ。


 笑顔が引き攣ってるの、いい加減気付いてよ。こんな日々がいつまで続くの? どうしてキミはいつも、他のたくさんの女の子と柔らかい笑顔で会話してるの? もうヤダよ。


 私、いつになったら幸せになれるの?


 だからきょう、思い切って告白に踏み切った。


 付き合ってくれないとビーズの秘密を教えないなんて、卑怯な条件を付けて。


 これじゃ嫌われても仕方ない。でもこれまでの宮下の態度から、こうでもしないと本気を伝えられない気がした。


 あぁ、緊張する、いままでの告白で、いちばん緊張してる。


 高鳴る鼓動、荒ぶる呼吸。フラれちゃったらどうしよう。


 そんなことばかりが渦巻いて、堂々巡りだ。

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