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いちにちひとつぶ ~迷える君への贈りもの~  作者: おじぃ
浸地の小学生時代

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33/84

朝なんて、もう来なければいいのに

 ばぁちゃんの家から小田原に帰って約二週間。賑やかだったせみの合唱は日毎に寂しくなってゆき、あっという間に明日から二学期だ。


 イジメに遭ってから、常に肩甲骨と胸を何かに圧迫されている感覚が抜けず、脳も疲弊ひへいしきって簡単な計算や文筆もできず、読書感想文はもはやどんな文を書いたのかさえ覚えていない。それ以前に、あの童話はどのような内容だったか、ほとんど記憶できなかった。読書というより、文章を目で追って流しただけと言ったほうが正しい。


 現状を自分で打破しなければならないのはわかっているけれど、それまでどれくらいかかるのか。頼れるのは自分だけ。世間ではつらいことを一人で抱え込むなとはよく言われるけれど、人にはそれぞれ異なる人生経験や能力の限界があるから、例え親であっても当てにはならない。それ以前に私の場合、特にお母さんには煩わしがられている。感情の波は伝播でんぱするから、それが負のものであれば感知したくない。故に防衛本能に拒絶される。自然界では病んだものは淘汰され、群れを健康に保つシステムが働く。今の私が置かれているのは間違いなく、淘汰される群れの足手まとい。


 朝なんて、もう来なければいいのに___。


 そんな思いを巡らせていてもやがて空は紅に染まり、やがて陽は昇ってしまった。


 朝が、来てしまった。


「今日から学校でしょー。起きなくていいのーぉ!?」


 母が部屋まで起こしに来た。ということは、もう六時を過ぎたのか。一睡もせず、時間感覚はわからない。このまま永遠に眠っていたい私に土足で踏み込んできた言葉に、敢えて返事はしない。


 カーテンを閉めたままおもむろに制服へ着替え、お母さんが朝食を用意しているのを遠目で見て、両親に気付かれぬよう無言で家を出る。


 眠らず食事を摂らなければ、何処かで力尽き得るかもしれない。


 そう思いながら相模湾さがみわんがぼんやり見える家の前の急勾配をダラダラと下り、小田原駅に辿り着いた。ホームではいつも通り、小田原始発の東京行きが発車待ちをしていた。


 今朝は未砂記とも、会いたい気分じゃない。そう思った私は、いつもの8号車から離れた先頭の15号車に乗り、激しい目眩を覚えつつボックス席の脇にある二人掛けの座席に力なく腰を下ろした。

 明けましておめでとうございます!


 いつも更新遅くなりまして恐縮です(/ー ̄;)


 本年もよろしくお願いいたします!

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