ハダカの付き合い
「いやあ! 胸の大きさは私のほうがちょっとだけ優秀ですなあ!」
浸地の胸をジロジロ見ながらニンマリする未砂記。
黄色い声こだまする仙石原家の浴室。浴槽は一人ならゆったり脚を伸ばせる程度の体積で、未砂記と浸地は二人並び、ミルキーバスに体育座りで入浴している。
「そうだね。私は胸だけじゃなくて頭にも栄養使ってるから」
「はははっ! やだなあヒタッチ! それがおバカな私に捕まった哀れな子羊の台詞?」
「あれは屈辱だわ。いっそバス乗り継いで思いっきり遠回りすれば良かった」
「そんなに私らと付き合うのイヤ!?」
「イヤじゃないけど、バイトで疲れてるの。それだけじゃなくて誰かさんが軽音部の予算の使途配分どうしようとか言い出すし。あぁ、確か部長の仙石原さんだっけ? わ~、未砂記と同じ苗字だけどまさか親友がこんなコキ使うなんて有り得ないよね~」
「えへへー、だってぇ、80万円なんて目が回っちゃうよお。私はヒタッチがいないとダメなんだよね〜」
「もう、そうやって調子いいことばっかり言って」
「てへっ! バレてたか! でも、本当に感謝してるよ。親に裏切られたときも姉貴が死んだときもヒタッチが傍にいてくれたから、私はこうやって明るく生きていられるんだもん。一生かけても恩返しできないくらい。本当に、ありがとね。だらしない私だけど、どうかこれからも、見捨てないでください」
「それはお互いさまだよ。私だって未砂記にはいっぱい感謝してるよ。いじめられたとき、きっと未砂記がいなかったら自殺してた」
「そっか。でも私は当然のことをしただけ! 困ってる親友に小さい手を差し伸べただけだよ! ってことで、ヒタッチの親友である未砂記さんと優成さんが課題で困っています! さあ助けるんだ親友! 船を出せ! 手を差し伸べろー!」
「うわー、せっかくイイ感じだったのに結局そこに帰納するんだ」
「あっ! 宮下が覗いてる!」
「わあハダカ見る前にバレた!」
「おい、後で裏来いや」
「ヒタッチ! 黒いオーラ出てるよ!」
「違うんだ。俺は着衣状態から互いの気持ちを昂らせて愛を確かめつつ徐々に脱衣させながらカラダを絡め合わないと興奮しにくいんだ。だけど黄色い声が聞こえてきたらつい覗きたくなっちゃう本能には逆らえなくてだな、とにかく肩から上は見てないから問題ない」
「ふーん、つまり意図的に覗いたには変わりないんだね」
「ああ、そうだ」
悪びれる様子なくこくりと頷く優成。この後、浸地にプチプチと脛毛を抜かれ、びひゃあああっ! と奇怪な悲鳴がこだました。
お読みいただき誠にありがとうございます!
女性読者さまの多い本作ですが、下ネタ、オヤジギャグ、覗き、その他諸々……。えーと、一応ピュアな感じのストーリーを目指しております!




