見知らぬ地で part3
2日連続でパソコンを開けたので、頑張ってみました。
「……さてと、もう充分か?」
食べ終わった頃合いを見て、クロードに声を掛けるガイン。
「ああ、ごちそうさま。それで、何だ?」
「ちょっと訊きたいんだが、良いか?」
クロードはガインの要望に頷く。
「記憶が無いのは分かったが、身体面はどうだ? 例えば剣は上手く扱えるか?」
魔物討伐のことを案じてなのか、それともただの興味本位なのか、ガインが訊いてくる。
「そうだなぁ、扱えるとは思うが、上手くと言うと…… 何しろ記憶が無いから……」
「いや、大丈夫だと思うぞ」
訝しげに答えるクロードと、自信たっぷりに即答するガイン。だったら、何故質問のか少し疑問だ。 クロードが根拠を尋ねると、一言「剣だ!」とまたしても自信満々の様子で言った。
沈黙……
「えっと……、それだけ?」
数秒の後、クロードが聞き返す。
「ん? じゃあ――」
今度はとてつもなく長くなりそうな説明をクロードは慌てて遮る。
「簡潔に、そして分かりやすく頼む」
ガインは軽く唸ってから話し出す。
「……その剣は、かなりの代物なんだ。なにしろ鍛冶屋の俺でさえも知らない金属が使われているからな。そんな剣の持ち主だ、その腕前が鈍い訳はないだろ? ま、全てが俺の勝手な推測にすぎないけどな」
「へ~、俺の剣はそんなに凄い剣だったのか」
クロードは驚きつつも、簡単にその事実を受け入れたようだ。
「あ、因みにその剣には魔力でコーティングがしてあった。これもまた貴重で珍しいことだ。あと、その剣を少し鍛えさせてもらった。今回は上手くいったぜ」
ガインは笑みをこちらに向けるが、クロードはとても笑えなかった。
「おぉ、悪いなぁ、そんなことまでしてもらって」
口ではそう返すが、クロードは内心ほっとしていた。
(何だよ、今回『は』って!? 良かった、上手くいって……)
技術が無いのか、言語の構成能力が無いのか、それとも今回はたまたま間違えただけ(とは到底考えられないが)なのか、彼の言葉にはこれからも惑わされるかもしれない。
「ところで、この後はどうするんだ? この町でも見て回るか?」
話を変えて、町の散策を提案するガイン。
「あ~、そうだな。暇だし、行ってみるか」
と、いう訳で昼食後はまずこの町をぶらぶらと歩いてみることにした。鉱石採りは予定通り明日の朝、昼食を持っていくことにした。意外と時間が掛かるようで、丸1日使うらしい。
この鍛冶屋兼ガイン宅は町の東部の中央部にあるそうだ。 この町は国の首都にそれなりに近い、ということもあってなかなか発展しているようだ。道も整備されているし、店もかなり品揃えが豊富で、人口もそこそこある(ガイン談)。
だから、この町は割と広い。端から端まで歩くとガインの足で20分くらいかかるという。そして、町の主な構成は中央部は店と住宅地、西部及び東部は住宅と、田畑などがちらほらあるようだ。
クロードは中央部にある店を見て回ることにした。但し、特に何も買うつもりはないので、持ち物は剣だけにした。
「じゃあ、行ってくる。いつ戻ってくるかは分からないが、そんなに遅くはならないと思う」
クロードは出掛けるにあたってガインにそう告げる。
「ああ、分かった。もしかしたら俺も出掛けているかもしれない。明日の準備をしないといけないからな。一応、鍵を渡しておこう」
ガインは一旦奥の部屋に行き、鍵を持って出てきた。
「じゃあ、よろしく」
ガインの言葉にクロードは軽く手を上げ、中央部へと向かう。
なんか、みなさんの小説には後書きが付いているようですね。
俺も何か書こうかな~
……と、いうことで今回の後書きはこれで終わり(!?)です。
笑いを取るセンスとか無いし……
次回も是非よろしくお願いしますm(_ _)m