遭遇 part4
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どうもありがとうございますっ!
帰り道での何度かの交戦を経、町に着いたのは日が沈み始める頃となっていた。
ディヴァーとの戦いでかなり疲れたし、ほとんど歩きっぱなしだったので足も痛い。
――とは言っても、実際に歩いた距離はそこまで多くはないはずだ。度重なった戦闘が原因となっているのだろう。
「やっと帰ってこれたな……」
夕暮れ時の町は、昼と比べると人通りも落ち着いている。
ガインの家も町の入口からあまり遠くはなかったので、わりと早く到着できた。
「よしっ、じゃあ俺は休むぜ!」
意気揚々と部屋へ向かおうとするクロードを、ガインが制止する。
「休むのは剣の血糊を落としてからだ。そしたら剣を貸しな、鍛えておいてやる。まあ、魔法剣の方は下手にいじらないでおくが。ところで俺の剣はなぁ、こうやって何度も鍛えて金属の質を高くするから、丈夫で切れ味もなかなかのものができるんだ。肉を斬り、骨まで裁つような剣が、な。まあ、お前の魔法剣と比べたら天と地の差がある、いや比べること自体が間違いか。それと剣には――」
延々と続きそうな話が本格的に深まる前にクロードは横槍を入れる。
「なあ、いつになったら終わるんだ? 俺は早く休みたいんだが」
「おう、悪いな。じゃあ、拭き終えたらそこに置いといてくれ。明日には元通り以上だ」
口ではそう言うが、悪く思っている様子は皆無だ。むしろまだ物足りない、という感じだ。笑みさえも見受けられる。
語らせたら、解放されるのはいつになることやら。流石は鍛冶屋、といったところか。
「ああ、頼むよ」
布を受け取り、自室に入って作業を始める。意外にも時間がかかってしまった。
やっとのことで終え、剣を置くために部屋の外へ出ると、そこにはガインかいた。
「おう、終わったか。じゃあ、そこに置いといてくれ。休憩が終わったら鍛えておく。後は任せておけ」
「そうか? じゃあ、すまないが俺は先に休ませてもらうぜ」
部屋の扉を開けながらガインに感謝し、中へ入っていく。
「今日はキツかったからしっかり休めよ」
ドアを後ろ手で閉めようとするクロードにガインが声を掛ける。
「分かった、そっちもほどほどにな」
閉じかけているドアの隙間からの応答を聞き、ガインは作業場へと入っていった。
「やれやれ、俺も早く休みたいぜ」
彼の独白は誰の耳にも届かない。
数分後には金属音が定期的に鳴り響くようになった。
「あれ? ずいぶん暗いなぁ……って、もう夜か」
クロードが目を覚ますと、辺りは暗くなっていた。
「腹が減ったな。何か食べるもの、っと」
部屋に入り込んでいる微かな月光を頼りに居間へ出る。
置いてあったランプに火を灯し、テーブルの上を照らす。そこにはクロードのために簡単な食事が用意されてあった。
「おお、助かるな。ガイン、ありがとう」
今は奥の部屋で休んでいるだろうガインに向けて礼を言う。
クロードはそれをゆっくりと食べ、水を飲む。
「ふぅ~、食った食った。さて、寝るか」
そして彼は自室に戻って眠りについた。
お待たせしました~
今度の投稿はいつ頃になるのでしょうね(笑)