表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/15

遭遇 part3

今回は強敵との戦闘です。



 下山しながらクロードはガインに話し掛ける。

「なあ、さっきの敵、なかなか強いヤツもいたよな」

 それにはガインも同意する。

「そうだな。俺も槍を止められて驚いた。生前はなかなかの戦士だったのかもしれないな」

「そうか、ガインですらもそうだった――」

 グギャアアアアァァーー!!

 クロードの話を遮って、突如魔物の咆哮が響いた。

 それは聞く者の恐怖を掻き立てるかのような威圧を帯びていた。

「なあ、あれって、まさか……?」

 クロードは逃げ出したい気持ちをなんとか抑え、ガインに尋ねる。

「ああ、例のディヴァーだ。だが俺が戦ったのよりは少し小さいな。俺達が戦ったヤツは3メートルくらいあったかな」

 ガインに怯えは見受けられない。少しばかりは動揺しているようではあるが。

「だが、どうやってこんなのと――」

「来るぞ!!」

 ガインの鋭い叱声。

 クロードも我に帰り、精神を研ぎ澄まして約2メートルもの巨駆の突進を避ける。

 間一髪。危なかった。

 そして、向きを変えつつあるディヴァーに向かって突きを繰り出す。弱そうな腹を狙って。

 ディヴァーの痛みの叫び声が響く。今のはそれなりに効いたようだ。クロードの剣は狙い通り腹部に突き刺さった。刀身が半分程埋まっている。

 ディヴァーが怒り暴れるので、止むを得ず剣を残して飛び退く。

 ガインも奮闘しているが、あんなに大きい相手に1人では分が悪い。

 と、なれば――

(使うしかない、よな)

 背中越しに剣を見る。

《我を使うがいい。手助けしよう》

 タイミング良く声が来て、クロードは即決する。

「よしっ! いくぜっ!!」

 流れるような動作で抜剣、大きく跳んでディヴァーの目に斬りつける。一連の動作に無駄は無く、その過程で刺さったままの剣も抜き取る。

 ディヴァーは噴き出す鮮血と失った左目の痛みや怒りなどで悲鳴を上げつつ、クロードに体当たりを仕掛ける。

 それを見て跳び退るが、完全には避けきれず、衝撃を和らげるだけに留まった。少しの距離を吹っ飛び、地面に打ちつけられて一度跳ねる。

「ううっ……」

 痛みに呻くクロードに、ディヴァーはとどめを刺そうと向かってくる。

 なんとか立ち上がるが、とても攻撃を避ける余裕なんて無い。

(くっ、どうすればいいんだ……)

「俺の存在を忘れるなっ!!」

 突然ガインが横からディヴァーを突く。大したダメージは与えられていないが、注意を引くには充分だった。

「すまない、助かった!」

「気にするな、お互い様だ!!」

 痛みから立ち直ったクロードも攻撃に参加……しようとした時、剣に話し掛けられた。

《主よ、このままでは埒が明かぬ。魔法を使ったらどうだ?》

「魔法という手が! だが俺は……」

 クロードは名案に思ったが、記憶喪失なので使えないことに気付く。

《案ずるな、頭では覚えてなくとも、心の内では覚えている筈だ。我に続いてルーンを唱えよ》

 剣に言われた通り頭の中で唱えられるルーンを復唱する。難しいと思ったが、なるほど確かに覚えているようだ。

 短いルーンを終え、叫ぶ。

「ガイン、避けろよ! くらえっ、ファイア!!」

 かざした左手に熱が集まり、小規模な火の玉となってディヴァーへと向かっていく。ガインは射程圏外だ。

 見事に命中し、大きな悲鳴が上がり、倒れる。黒く燻っている部分もある。

 ガインはそれでもなお立ち上がろうとするディヴァーに攻撃を仕掛ける。少し遅れてクロードも続く。

「食らえっ!」

 2人の攻撃を受けたディヴァーが耳をつんざくかのような断末魔を上げる。

 そしてディヴァーは横倒しになって少しもがいた後、動かなくなった。

「ふう……、なんとか倒せたな」

 ガインが安堵の表情を見せる。

「しかし、よく魔法なんて使えたなぁ。俺はそっち方面はさっぱりだ」

 そう言って軽く笑うガイン。

「とは言っても、俺は剣の力で使っただけだ。記憶が戻れば自在に使えるようになるかもしれないが、今はまだ厳しいな」

 まだまだだ、とクロードは首を振る。

 ガインが気分を改めるかのようにして手を叩く。

「さて、片付いたし、帰るか。日が暮れてしまう」

 クロードも同意する。

「そうだな。じゃあ、帰ろう!」

 


とうとうストックが尽きかけてしまいました……

次回は苦し紛れに人物紹介などに逃げるかもしれません(^_^;)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ