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明るい日  作者: 沢野百合
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心の記憶 

開いたドア 代わり映えしない青空

歩乃の前を、改札へ向う帯人

ひとけの少ないホーム 騒がしい声

秋だね‥キリギリス それともコオロギ

鳥の声‥それとも何かのイベント

音楽の様に 楽しげでもなく哀しくもなく

単調なテンポの複雑な音の合唱


此処‥いつか 来たことがある

はじめて降りた駅のはず


やさしさ包む空気と風 

懐かしい いつかの匂いがしている


聞こえない声が聞こえて

小さな自分を観ている様な 童心の記憶


歩乃の深呼吸 少し歩いてみてもいいかな

帯人は、最寄りのバス停へ向かっていた‥

「あまり数多めじゃないね」

「次のバスは30分後‥」「そうだね」


少し歩いて行こう‥


こんにちは‥良かったらどうぞ

騒がしい音の中から現れた 

ハロウィンもどきの紳士? 渡されたポスター

17時スタートの収穫祭のイベント 映画?


メジャーじゃない 映画 

ストーリーも掴めない 出演者も知らない


ちょっと観たいかなこれ‥

うん‥ちょっと観たいよね この映画


イベント会場までなんとか歩いて行けそうだし

その間‥どこかで食事できるといいかも


草の生い茂る 誰かの歩いた跡へ出来ている

道を並んで歩いている


並んで誰かと歩いている 懐かしい記憶


歩乃は、人と並んで歩く事は、なかった

彼女の苦手なもの‥人


友達がとか 恋だとか 感情とか

が嫌な訳じゃない けれど‥


日々‥過ごしていた間 誰とも共鳴できず


好きなものを共有する経験がなかった

たとえ‥同じ好きでも 好きな理由は違った


相手を理解する努力より

相手を理解する事は難しい と思った


人と話すのは 会話というより 伝言となる


けれど‥歩乃は知っていた

こんな風に想うのは自分だけじゃない

ほぼみんなだということを

会話をするのは共有というより 弱さ

会話をするのは自己主張の様な 侘しさ


それでも、知っている

広い世界 運命の様なソウルフレンド


自然に分かりあえる もう一人の自分の様な存在

似ているとか‥といより

似ていないのに‥同じ世界を生きている誰か

それが‥帯人なのかどうか 分からないけれど


並んで歩いた 懐かしい空気の知らない街


いくつかのオープンドア

どこへ入ろうか(笑)


お寿司 洋食屋 うどん蕎麦 定食屋


苦手なものあるの‥と聞かれた

苦手なもの‥人間かな


え‥(笑) お店どこに、しよかな

って‥人間が苦手なのか 歩乃は‥


僕も同じかと‥いろんな人達の思考

興味あるのは‥かつての偉人達かも


笑顔とかいいなと想う 人の幸せな合図


うん‥(笑)


人は苦手だけど‥映画もストーリーも好き

水平線を目指して 泳ぐ波の様な




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