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明るい日  作者: 沢野百合
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来世へメモメモ

「空を見上げ 答を探して」

なにそれ‥帯人は笑った

なにそれ‥歩乃は答えた

同じ日を繰り返したくないと思わない?


帯人と歩乃 月に一度の同じ休日

シフトの勤務と定休の2人

共に過ごすのは、日が暮れた数時間

10月10日 同じ休日 

朝‥待ち合わせした駅 9時8分の電車の

話し声‥久しぶりの心地良い青空を見上げ

歩乃が言った 「空を見上げて答を探して」


降りる駅は、いつも下車する勤務先の

終点駅


仕事へ向かう日常 降りる駅を

乗り過ごして‥みたいと想う気持ちを

叶える日

終点の「鼎」

いつも降りる駅 座ったまま

降りて行く人達を見つめる

何人かの人達がドアへ 相変わらず

降りる人を待たず乗り込む人を避ける人々

急いで 急いで 向かうのは‥

急いで 急いで 向かっていたのは‥


ゴールはどこ


急かされ過ごす 思考を停止

歩いて考える  思考を取り戻す休日


目的地の「鼎」へ

いくつかの駅を車窓しながら 深呼吸

駅を過ぎるたび 車内の人は少なくなり

乗り込む人達も 休日仕様の模様

話し声も聞き慣れた言葉

懐かしく響くのは 少し心解放されたのだろう


あと少しだね 帯人は電光掲示板を見てる

いつも革靴の彼の足元 アースカラーのシューズ


この街へ転居して間もない日々

スマホの道標を上手く使えず

すれ違う人へ尋ねた

「HANAUTA美術館」への道のりを教えて下さい

帯人は、ネクタイ 革靴 地元の人だと

思った 


あ!開催されてる ミロですよね

次の信号を反対側へ渡り 郵便局を曲がれば

見えてきますよ

チケット前売りならそのまま中へ入れます


ありがとうございます。


チケット‥まだ持ってないので


あ!なら‥ちょっと待ってコレどうぞ

帯人は、内ポケットから取り出した


どうぞ‥これ

ミロの招待券


これは‥チケットですよね


どうぞ‥ここの企画監修を携わりました


良かったら‥お声かけられた御縁です


えっと‥「HANAUTA美術館」の方ですか


あ!はい 内勤じゃないけれど

企画の仕事をしております。


えっと‥ジョアン・ミロ

企画 ありがとうございます‥


こちらへ来て‥まだ間もないので

この機会のタイミングを逃したくない

と思い 慣れない場所へ向かっておりました


そうですか‥次の開催は予定ないので

どうぞ ジョアン・ミロ


企画室の帯人と申します


ありがとうございます。


チケット頂いてよろしいのですか‥


あ!はい是非



初めて訪れた街の美術館

ジョアン・ミロ


後日‥開催終日 再びチケットを購入して

訪れ 館内の彼に尋ねられた


ジョアン・ミロ 如何でしたか‥


その日から‥この街の唯一 最初の友達


予定をした日 予定外の友達 感謝



次‥「鼎」「鼎」電車のアナウンス


さぁ‥休日の始まり



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