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-outburst-  作者: ロロル
chapter/05-灰色の孤独-
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05

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 親戚の家から金を奪い家出した彼をアステルは拾い、サイバーギャング団へ迎え入れた。

 そこで彼は父親とサイバーギャング団の関係を知ることになる。

 

 自分の父親は元サイバーギャング団の一員であり、警察の物資をサイバーギャング団へ運んでいたこと――。

 

 そして、アステルから聞かされた真実は幼い彼の”復讐心”に火を付けるのに容易いものであった。

 

 警察が、自分の父親と母親を抹殺したのだと――。


 アステルは手を差し出して、彼を誘う。


 「共に父親の仇を取ろう」


 そう言ったアステルを見て彼は、神様のように神々しく映る。

 神の導きに従うように彼はその手を取った。


 それから彼の人生は変わった。

 人道的には正反対なことばかりだったが、悪くないものだと彼は感じていた。

 サイバーギャング団というのだから殺伐としたイメージがあったのだが、どの連中らも気楽な者達ばかりであった。


 アステルは彼を学校にへと入学させた。

 名前を変えて入学した彼は、プログラミングを中心とした機械の仕組みや構造を真剣に学び続けた。

 その結果が身を結び、見事優秀な成績を出すことになる。


 そして、その力を使ってサイバーギャング団に貢献し続けた。


 全ては父親と母親の仇を取るため。


 もはや彼の人生は復讐心だけで動き続けていた。

 (警察)が黒へ――。

 サイバーギャング団()から白へ――。

 

 灰色の世界ではどちらが正しいものかなど、愚問な話である。

 彼にはただ一つ、()()があればそれでいい。


 彼の復讐心は大きな火災となって止まる事なく広がり続ける。

 成績発表の時に自分と同等に立つ優秀な生徒が彼の目に入った。

 彼女は刑事である兄の力になりたくて、将来共に警察になることを語っていた。

 

 彼の中で虫唾が走った。


 その日から、彼の中で復讐の計画が始まる。

 

 止まらない復讐の火の波に飲まれて、正しい事の判別がつけられないでいた。

 卒業するまでは余計な事はするなというアステルの命令を無視して、彼はブラック・マーケットから仕入られてきたjob:bot達を使ってハッキングし、命令を行った。

 

 ……今さら冷静になってみても、どうしてこんな事をしたのか、彼には理解が出来ない。

 

 昔の幼かった自分を馬鹿にされているように思えたのか、彼女の夢が今の自分のやっている事と比べて遠くへ感じてしまい、何よりも――。


 星のように輝いて、見えたから。


 灰色の世界に1人だけ残された自分とは違い、真っ直ぐ夢へ追いかける彼女が、彼はとても羨ましかった。


 ただ、それだけだった。


 ――――――。


 

「……つまり、あんたは坂本刑事の息子さんって事か」


 黒田はそう問うたが、全てを話しきった彼"鷹敷"はその問いに何も答えず、ただ沈黙だけが返ってくるだけであった。

 ”沈黙は肯定”という事だろうか……だが黒田には、それ以上の事を確かめようと鷹敷に追求することはなかった。

 

 これではっきりとしたことが坂本刑事は元サイバーギャング団の一員であり、警察の中に潜って物資を盗んでサイバーギャング団へ貢献していた。

 皮肉なことに、坂本刑事の息子もまた同じように後を追おうとしている。

 

 そして、それらを知ってもなお許している警察署内にサイバーギャング団と手を組んでいる輩がいるという事。

 

 白と黒……段々と真実へ近づく度に混ざり合い、灰色から黒に近づいていく。


 だが、事件は終わっていない。

 黒田は時刻を確かめようとパソコンに近づきモニター画面を見ようとした途端、モニター全ての画面が切り替わり、とある場所を映し出していた。


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