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一日一回
特別な音に聴こえたうさぎの話
からから からから
君からしたら
これは魅力的な音なのだろう。
きらきらした瞳が私を見ている。
顔を出した君に、
私はクッキーを一つ渡す。
からから からから
学校から帰ってきた私は
今日もプラスチック容器を左右に振る。
君は嬉しそうに、今日も玄関から顔を出す。
その大きな耳に、
この音はどんな風に聴こえているのかな?
君は名前を呼んでも耳を動かすだけ、
この音じゃないと顔を出してはくれない。
なんて現金な奴だろう。
からから からから
それでもそのきらきらした瞳に逆らえず
今日も今日とてクッキーをあげる。
この音は君の大好きな音