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箱庭?のロンド ―マリサはもふ犬とのしあわせスローライフを守るべく頑張ります―  作者: 彩結満


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48 畑活② ~六日目


「ひゃっ!」


 テントを出ると朝焼けに染まったジャングルと化した畑が広がっていた。

 天に向けてこんもりと盛り上がり、四方に伸び、テントに迫る勢いでモジャモジャボーボーと生い茂っていた。


「うわっ、よく見るとジワジワ動いててこわいっ。ええっと、なんだろうこの既視感は……」


 昨日種と苗を蒔いた後、セレース様の呪文を唱えてステイタスを見た所、カミナリコムギは八時間余りで収穫できるとあった。


『+S(品質)・カミナリコムギ イネ科・成熟期 サイズ・三割り増し 光魔法(成長促進)により八時間で成長』


(品質もSのプラスで、サイズも三割増しな上、二時間も収穫時間が短くなるなんてね、きっと女神様のお力だわ)


 マリサは手を組み思わず女神に感謝するのだった。

 しかし、ここまで生い茂ってしまうとは思わなかったのだ。

自分が横になったのは確か……と、マリサはそこまで考えてやっと気付く。

夕飯も何も食べず、日が落ちるとそのまま横になり、疲れもあってあっと言う間に眠ってしまったのだ。おそらく眠ったのは午後七時頃で、日が昇り始めた今は午前六時前後くらい。畑を十~十一時間以上放置してしまった事になる……。二時間以上も余計に成長させてしまったのだ。


「うはは〜やっちゃったわ」


 これをライアンが見たら、またいじられそうだと顔をしかめる。おかしくなってふふっと笑うが、険しいリラの顔が浮かび、同時に虚しさが胸を締め付ける。


(ううっ……。いかんいかん、落ちこんでる場合じゃないぞ、マリサ!)


 頬をパンパンと叩き、井戸へ駆け寄って顔をばしゃばしゃっと勢いをつけて洗った。


「よしっ、収穫っ。……そうだ!」


 畑を縦横無尽に駆け回りながら、手を翳せば、野菜達は軽快なメロディと共に次々に収穫される。野菜を日持ちさせるためにもアイテムボックスへ直接入れていく。

 それと同時にすぐさま次の種と苗を取り出す。公爵城で貰った種と苗があったと気付き今度はそれを中心に蒔いていく。


「我ながら、収穫と同時に蒔くっていい思いつきよね」


 むふふとほくそ笑みながらマリサはせっせと収穫し、また畑に植えるという時短作業を続けた。

 シロリントラクターで耕した畑の状態を見れば、まだ余力はありそうだったが、念のために堆肥も一緒に撒いていった。


「ふぅーっ」


腰に手を当てて立ち畑を見渡す。もうじわじわと芽が茎が伸び始めている。

 こんな時こそ、身体を動かして働くのはいいことだと、マリサは頷く。


「シロリンに沢山耕してもらって良かった! あっと言う間に全部の畝が埋まったもの。シロリンが繭から孵ったら、また畑を広げてもらおうかしら。そう言えば、今頃ロバジイは移動中かなあ……」


 収穫してもロバジイは来ないのには理由がある。ロバジイは、家族を伴い再び南の領地へ赴いているからだ。そのためしばらくの間、荷車便は休みだった。ロバジイは、他にも親族が居るから都合をつけようかと言ってくれたが、マリサの方で、丁重に断ったのだ。


「今回はポイントを貯めたいしね」


 10000ポイントのログハウス風の家に設定してあるが、ここでスマホを取り出して改めて交換アイテムを確認する。

 スクロールしていくと、あることに気が付く。


「あれ? 前よりアイテム増えてるみたい……」


 もしかしたら、マリサ自身のレベルが上がっていることと関係しているかもしれないと思い至り、マリサはうんうんと頷く。ゲームのマリーサの時もそうだったではないかと。自分のことに割と無頓着なマリサは自分のレベルアップすら確認もせずにいたのだった。


「見ようとは思いつつ、忘れちゃったり、まあいいかってなるのよね」


 苦笑いして画面を見ていると、ぴたっとスクロールの手が止まる。


「これよこれ、火炎(フレイム)山鳩(ダブ)の塊肉(一キロ)があるわ!」


 そうだったと思い出す。ポイントとモモクマの餌としてお肉等をここで交換していたのだ。


「大切なこと忘れてた」


 ほぼモモクマ目当てで惰性でやっていたスマホゲームだ。ポイント交換は日常茶飯事で、他のアイテムと共に気にも留めずやってしまっていた。


「モモクマには大切なごはんなのにね」


 他に種類はないかと見るが、今はこれだけらしかった。


「ということは、私のレベルも上げなくちゃね」


 呟きつつ、フレイムダブの塊肉、とりあえず買えるだけポイントと交換する。

 一つ500ポイント×六で3000ポイントだ。


(シロリンのごはんが一番、次いでマイホームね)


 残りのポイントは500未満だが、今日はぎりぎり後二回収穫できそうだ。焦らずとも、マイホームのポイントへ辿り着くのにそうそう日数はかからないだろうと、マリサは思考を巡らせる。


「けど、簡単に蒔ける、収穫できると言っても、畑をあちこち駆け回るのはちょっと大変だわ……」


 ここ数日、シロリンと共にかなり歩き回ったものの、それまではほとんど身体を動かさない生活が長かったのだ。

 思い出してロバジイから貰ったコカトリスの羽を着けたおかげて、なんとか身体は動いた。だが疲労がまだ抜け切れていないマリサだった。


「でも、私のレベルアップになると思うしやりがいはあるわ」


 握り拳を作って決意するが、


 くくぅ〜。


 空腹では働けないのだった。




感染症に罹ってしまい、今日も気怠いです。

他サイトで連載を始めたことと、急な仕事もあるため、更新が更にゆっくりとなりすみません。


少しでも楽しんでいただければ幸いです。

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