表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
箱庭?のロンド ―マリサはもふ犬とのしあわせスローライフを守るべく頑張ります―  作者: 彩結満


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/51

43 帰路にて⑤ ~五日目

ロバジイが手綱を握りシロリンが牽引する荷車は、驚異的な速度で進み、日が傾く前に公爵領の北(公爵領北部)に戻ってきていた。

そろそろ公爵城が見えてくるというところだった。

 マリサは自然に、とても自然にライアンを思い浮かべ祈っていた。


(ライアン様や、戦いに身を投じておられる皆さんが、どうかご無事で、健やかでいられますように。南の領民の方々や、生きとし生けるもの達も、健やかでいられますように。そして、汚染された土地が浄化されますように!)


 頭を垂れ、瞳を閉じ祈るマリサは気付かなかったが、マリサの周囲は、それまでの祈りとは桁違いに発光したのだった。

 その祈りは、瞬時に、南の領地で魔物討伐に苦戦していたライアン等に降り注いだ。



◇◆◇◆◇


  

「……ひ、光だ……」


 魔物から脇腹に一撃を喰らい、毒を受け瀕死だった騎士は、光のヴェールを浴びて全身を震わせた。紫に変色した肌が元に戻っていき、抉られた無残な脇腹の傷がみるみる塞がっていった。

 ポイズン・トレントの蔓に縛り上げられ窒息寸前だった魔術師も解放された。


「グッ、ゴホッ、ゴホッ。ああ、マリサ様……」


 その他、周辺で任務に赴く数百、数千の傷を負った兵士に、領民に、家畜や動物、生きとし生けるもの達へ、その土地へと光のヴェールが降り注いだ。

 勿論、毒を帯び更に凶暴化した魔物へも降り注いだ。


広範囲への祈りに加え、遠隔からであったため、祈りの力そのものは半分程になっていた。それでも、複数の女神から加護を受けたマリサの祈りは、様々な浄化と、正常化を促していった。

領民達や、自警団、国境に詰める者達や、中でも王都からやってきた援軍の歓喜と驚きは一入だった。 

 汗に濡れ、胴体に無数の傷を受け、目も虚ろだったグレイスは、祈りの光を浴びて、全身の傷と疲労がほぼ癒えていた。(プラ)(チナ)の鬣を靡 かせ、翼を大きく広げ、自ら発光するように勇ましく嘶いた。

 息が上がり、剣に縋り膝をつきかけていたライアンは、悠然と立ち上がり、その瞳に再び闘志が宿るのだった。

 傷が癒えたからとはいえ、全ての者が再び立ち上がれはせず、まともに立てる者は六、七割程度にまで減っていたが、それでも十分だとライアンは剣を掲げた。


「 皆のもの! 我々は今、女神の御使い、マリサ嬢の加護を得た! さあ、あと一息だ。 まだ立てる者は後に続け! 」


「「「うおおおーっ!」」」


 淀んだ大気が打ち払われ、荒れ果てた戦場の天に、日の光が戻った。


 

◇◆◇◆◇ 



「あれ……、まりょく?……」


マリサは荷車の中で、ソファに倒れ込んだ。


(……動悸が。これ、魔力枯渇しかけてるんだわ。もしかして、もしかすると、ライアン様へ祈りが届いてるのかな? だったら嬉しいんだけど)


 荷車の走行が止まっていたらしい。幌の後ろ側が開き、ロバジイが上がってきた。


「おい譲ちゃん、また派手にやらかしたなあ」

「へ?」

「ワフゥ……」


 目を向けると、ロバジイに次いで荷車に頭を突っ込んだシロリンの耳も眉も、垂れ下がっていた。


「ったく、突然辺り一面輝くもんだから、あわや事故るところだったぜ。これを飲むんだ」

「うっ……スミマセン」


 ヨロヨロと起き上がり、ロバジイから小瓶ー魔力ポーションを受け取ると、蓋を開けたマリサは、グイッと飲み込んだ。


(ううっ、めっちゃニガイ……)


 魔力ポーションの洗礼を受け、魔力は半分ほど回復したが、涙目になり再びソファに突っ伏した。この苦さに慣れる気がしないマリサだった。


「ワフゥ……」

「シロリン、ダイジョウブヨ~」


と言ってみたものの。立ち直るのに時間が必要だった。


(もう絶対やらかさないように、セーブしなきゃ)


しかし、何をどうセーブしたらいいのかはマリサ自身わからないのだった。





お立ち寄りくださりありがとうごさいます。


更新がゆっくりになりすみません。次回、ようやく領地へ戻ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ