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第三話 カラーレンジャー 前編 4.動き(2)

 * * *


 最近は文化祭の準備でどこのクラスも放課後まで残っている。私達のクラスでも焼きそば屋の看板や屋台造りで皆忙しい。

 私は詩織や他の女子と一緒にクラスでお揃いのエプロンを作っていた。既製品のエプロンにクラスとそれぞれの名前を入れていく。すると廊下から声がかけられた。


「緑川。」


 ドアの方を振り向くと相馬君が立っていた。


「ごめん。ちょっといい?」

「え、うん。」


 廊下に出ると相馬君が持っていた飴の袋をくれた。


「どうしたのこれ?」

「差し入れ。」

「え!ありがとう・・。」

「緑川のクラスは何やんの?」

「あぁ、焼きそば。」

「へぇ。いいね。うちも食べもんが良かったなぁ。」

「相馬君のとこは何やるの?」

「うち、お化け屋敷。」

「えー。怖いの?」

「さぁ。どうでしょう。まぁ、遊びに来てよ。俺も焼きそば買うし。」

「うん。」


 笑いながら、そんな他愛のない話をしていると、ふと相馬君が何か言いづらそうな表情をしているのに気がついた。


「・・・あー。」

「?どうしたの?」

「あのさ。・・文化祭、もし良かったら一緒に回らない?」

「え、・・・・あ、ごめん。友達と約束してるから。」

「あ、そっか。そうだよな。ごめん。」

「ううん。」

「じゃあな。」

「うん。」


 相馬君は軽く手を挙げると、そのまま自分の教室へ戻って行った。その姿が廊下を曲がって見えなくなると、思わず溜息が出る。

 馬鹿だな、私。もしかしかたら、相馬君は・・

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