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第三話 カラーレンジャー 前編 3.嫉妬(4)
* * *
「緑川!」
「あ、」
昼休み。桃井は聞き覚えのある声が聞こえて、そちらを振り向いた。
一瞬緑川が動揺した顔を見せる。それに対して相馬は笑顔だ。
他人同士が会話している所なんてジロジロ見るもんじゃないが、俺は構わず二人を見る。
「どうしたの?」
「これからコンビニ行くけど、なんか買ってこようか?」
「え。あぁ。大丈夫だよ。ありがとう。」
「そう?じゃな。」
「うん。・・・・。」
相馬がいなくなると、緑川ははぁと溜息をつく。相馬と何かあったのはバレバレだ。
そういや最近よく相馬がうちのクラスに顔を出していると白田が言っていた。つき合ってもいないのにこんなやりとりをしょっちゅうしてれば、誰だって相馬が緑川に好意を持っていることはまる分かりだ。
せっかく早瀬の時に協力してやったのに、また面倒な事になってんじゃないだろうな。どうして、ああも警戒心が無いんだ。
ったく。何やってんだ、あいつ。