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第三話 カラーレンジャー 前編 3.嫉妬(3)
* * *
黒沢と下校中、僕の携帯電話が鳴った。ポケットの中で震える携帯を取り出して二つ折りのそれを開く。ディスプレイに表示されたのは11桁の数字。名前が出ないと言う事は知らない番号だ。
携帯の画面を見たまま中々電話に出ない僕を不思議に思ったのだろう。黒沢が「どうした?」と声をかけてきた。
「うん。知らない番号から掛かってきてる。」
「・・・。いたずらか?」
「かも。」
一旦切れるが、すぐにまた同じ番号からかかってきた。試しに電話に出てみる。携帯を耳に当てると、無言電話だった。10秒ほどそのままでまた切れる。
だが、これ以降電話がかかってくる事は無かった。
「なんだろ?」
僕と黒沢が顔を見合わせる。しかし結論など出るわけもなく、僕は携帯をカバンにしまった。