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第二話 恋愛 6.罰ゲーム(2)
結局罰ゲーム関係なく皆の恋愛話になった。
一通り桃井の彼女の話を聞き出した所で、赤木が私の方を向く。
「緑川は?」
「私も特に今いないよ。」
向かいの桃井の表情が動いたのが分かる。驚いているのか、それとも私が嘘をついていると思っているのかもしれない。
でも嘘じゃない。
もう失恋したのだ。黒沢への恋が終わったのなら、今は好きな人がいないって事でしょ?
キャンプから帰って自分の部屋に入ると、眠かった筈なのに早瀬さんの言葉がぐるぐる回って眠れなかった。
黒沢の事を思い出して泣いた。自分があんな風に泣くなんて信じられなかった。
でももう十分泣いた。自分の中では消化した事なんだ。今更誰かに相談するような事でもない。