第二話 恋愛 3.片想い(2)
「おい、白田。」
「何?桃井。」
「早瀬ってあの時の女子じゃなかったっけ?」
「そう。」
「なんでそんな奴と遊ぶんだよ。」
「さぁね。」
「おいおい。情報通の白田らしくねぇな。何か訊いてねぇの?」
「訊いてみたんだけど、緑川からはとりあえず大丈夫、みたいな返事しかなかったんだよ。」
「なんだよそれ。女って分かんねぇなぁ。」
「まぁ。緑川もなんだかんだ言ってお人良しだからね。頼まれたら断れなかったのかもよ。」
「頼まれたって?何を?」
「例えば、黒沢との仲を取り持って欲しい、とか。」
「は??何?あいつ黒沢狙いな訳!?」
「そうみたい。」
「・・そういえば、緑川って誰ともつき合ってないんだよな?」
「そう。僕らの中で彼女持ちは桃井だけだね。」
「それは今関係ないだろ。ったく、青山でも黒沢でもさっさとすりゃいいのに。」
「人それぞれだからね。人の恋愛事情には首突っ込まない方がいいんじゃない?」
「しねぇよ。」
「ま、あの二人は大丈夫でしょ。今回は助っ人も居るみたいだし。」
「助っ人?」
「花田さん。彼女は事情知ってるみたい。」
「へぇ。」
「・・・・・白田。ちょっと待て。」
「どうしたの?」
「・・・・・・・。俺、付き合い始めたのつい最近なんだけど。」
「先週からでしょ。」
「・・・・・・・・。誰にも言ってねぇ筈だけど、何で知ってんだ?」
「あれ?そうだっけ?」
「・・・・・。」