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第一話 仲間 8.体育祭(2)
* * *
「青山くん!お昼一緒に食べない?」
声に振り向くと顔の知らない女子生徒が二人、購買で昼飯を買った俺達の後ろに立っていた。上履きのラインの色でなんとか同学年だと分かる。
「・・・あ、ごめん。友達待たせてるから。」
「えー、そうなの?じゃ、あとでメアド教えてね!」
「え、あぁ・・」
二人は笑いながらさっさと教室の方へ行ってしまった。
茶髪のセミロングにアイメイクが目立つ背の高いスラリとした子と、前髪ぱっつんで似た髪色をしたボブのちょっとふくよかな顔の子。どう見ても覚えが無かった。
「おー、さすが青山。モテモテだな。」
「桃井。・・今の子達誰だか知ってる?」
「いや、知らね。」
「黒沢は?」
「知らない。」
「だよな。」
溜息が出そうになるのをなんとか堪える。
(次声かけられても、顔覚えてないかも…)
「とりあえず行こうぜ。遅くなると赤木が五月蝿いぞ。」
「あぁ。そうだな。」