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第一話 仲間 7.準備(3)
「黒沢、身長何センチ?」
「185」
「お、高いな。」
「青山は?」
「180は無いぜ。俺は178。黒沢って結構足速いけど、今まで何かスポーツやってなかったのか?」
「あぁ、空手はやってたけどな。今はもう何もやってない。」
「へぇ、そうだったんだ。お、やってるな。」
他の四人は俺達よりも先に裏庭に出て練習を始めていた。
桃井は赤木に引っ張られ、緑川達はマイペースに練習をしているようだ。
その光景に思わず笑みがこぼれる。
「なんか、面白い6人だよな。」
そう言って黒沢を振り返るが、黒沢が何を考えているかは分からない。
目線の先が緑川に向いている気がするのは、俺の気にしすぎだろうか。
「じゃあ、俺達もやるか。」
「あぁ。」