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第一話 仲間 5.動物園(6)
「私、蛇って苦手だから外で待ってるね。」
蛇の展示をしている建物に入ろうとした時、詩織がそう言うので「じゃあ私も一緒に」と言おうと思ったら、
「赤木君は外で髪乾かした方がいいんじゃない?一緒に待ってようよ。」
と彼女は意外な事を口にした。
「え、あぁそうだな。」
(ま、いっか。広樹と二人きりにしてやれるし。)
「ごめんね、詩織。すぐ出てくるから。」
「いいよ~、気にしなくて。」
「そうだぞ、じっくり蛇見て来い。」
と、ついでに赤木が無責任なことを言う。
(赤木ってば。詩織の気持ち分かってるくせに。)
「じゃあ、行こうぜ、緑川。」
「うん。」