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第一話 仲間 5.動物園(4)

 前の二人が楽しそうにトラの檻に向かって駆けていく。

 あんなの、どう見たってほほえましいカップルにしか見えない。


「ねぇ、私も広樹君って呼んでいい?」

「へ?あぁ、いいけど。」

「私のことも詩織って呼んでよ。」

「しおりって、緑川と一緒じゃん。」

「そうなの。偶然だよね。でもいいでしょ。緑ちゃんのこと栞って呼んでるわけじゃないんだし。」

「ん、まぁね。」


(それでも、いつか呼びたいと思ってるんだけど・・。)


「嫌?」

「あぁ、そうじゃなくて。なんていうか呼びにくいかな。ホラ、花田って男子に人気あるし。」

「そんなことないよー。人気なのは広樹君でしょ。」

「そうかな?」

「そうだよー。」


 花田と会話をしながらも、視界に入る前の二人が気になってしょうがない。視界に入らない所まで行ってしまうとそれはそれで不安なので、二人が駆けて行くと少し歩くペースを上げる。

 だが、スカートにパンプスの花田が走れるとは思えないので、二人に追いつくのは大分難しそうだ。


(なんだよ。翔のやつ。楽しそうじゃねぇか。)


 それが動物園に来て楽しそうなのか、緑川と一緒で楽しいのかは分からない。

 きっと翔なら俺と二人できてもあれだけはしゃぐのだろうが。どちらかと言うと、翔と一緒にはしゃぐ緑川が気になった。

 正直、動物園でここまで緑川のテンションが上がるとは思っていなかった。学校では分からない彼女の一面を見た、と思う。


 それはいいのだが。


(俺、今日ほとんどまともに緑川と話をしてないぞ・・。)

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