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婚約破棄したい

私はもう心が壊れかけてるかもしれない。

もう何回目だろう?どうしてか、何の意味があるかもわからない、、けれど同じ人生を繰り返している、

大好きな彼と婚約する、嬉しくて、幸せで、でも彼の心は別の令嬢に向き、何もしなくても憎まれる。

あげくに婚約破棄されて、良くて投獄の後毒殺、悪ければ刺し殺される、いつも言われのない罪。どんなに頑張っても、殺されてしまう。でもどうしても嫌いになれない、憎めない、代償としてその手にかけられてしまうのに。

でももう疲れてしまったの、関係改善の努力も、添い遂げる道筋を模索することも。嫉妬して悲しくても誰も害していないのに、いつの間にか害したことにされる。バカみたい。今でも痛いくらい好きだなんて、嫌いになりたい、大嫌いに。いっそ気持ちごと記憶をなくしたい。もう何もかもに疲れたし、何も要らない、望まないから穏やかに過ごしたい。

嫌われてるのに一緒にいるのは辛いし、頑張っても未来は変わらないのなら彼から離れよう、少しでも平穏な日々が過ごせるように。

私は公爵令嬢のクロエ・スタンバーグ、これでもお父様、お母様に大切に育てられたし、お兄様もとても大事にして下さる、皆家族愛に熱いのだ、多少のワガママは許してくれる、ならば婚約破棄して病気療養として領地に引き篭ってしまえば良い。そうすれば、デビュタントの前の今ならば間にあう、家族の負担にもならない。幸い私は治癒魔法が使えるし、スタンバーグ家は皆調薬に長けている、母も兄も薬師だし、父も宰相をしているが一流の薬師だ。私も両親の血を濃く引き継いでいて、そこそこの薬師だと思う、領地で薬師兼治癒師になれば良い、それに繰り返す転生でたまに夢現に見た未来、そこで見た美容化粧品についても研究したい。きっと好きな人と添い遂げる事はできない、でも今より笑顔で過ごせるはず、

だから、今日告げよう婚約破棄したいと。

地味な黒のドレス、プラチナブロンドの髪は下ろしたままで良い、彼の気を引く気はないのだから、地味に質素に、気持ちが伝わるように。それでも、侍女のサラは綺麗に仕上げてくれた。どうせ、シエル様は見向きもしないけど。

当城すると東屋に案内された、彼はいつも不機嫌そうに待っている、本当は嫌わないで欲しいな。婚約自体は国王陛下がお決めになった事だから。私は嬉しかったけれど、王命の拒否権はないのだから

「シエル殿下、ごきげんよう」

「あぁ…」

殿下は眉を顰め素っ気なく返信をして、座るように促した、彼は私に興味がない、いつ話しても同じなら今言ってしまおう、震える手をぎゅっと握って話した

「殿下、婚約破棄して下さいませんか?私ずっと考えておりました、私では殿下を笑顔にできません。私はずっと子供の頃からお慕いしています、きっとずっとこの気持ちは変わりません、でもこのまま婚約をつづけるのは辛いのです、苦しいのです。殿下は私の事が嫌いですし、そしていつかお慕いする方が現れた時には私は疎まれる事でしょう。お慕いする殿下に憎まれて生きたくはないのです。今年私は16になります、でもデビュタント前の今なら大した噂になりません。正式に発表もされてませんし、私に瑕疵があったという事にすれば殿下の醜聞にもなりません。

ご迷惑にならぬよう領地へ戻り王都へは二度と戻りません、ひっそりと静かに領地で暮らしますわ、どうか、どうかお願いします」

泣くまいと思っていたけど、どうしても涙が溢れる、でももう全てから遠ざかって、ひっそりと穏やかに過ごしたい、彼のそばにもう居たくない。どうせ殿下だってその方が清々するのでしょう?

「君は何を言ってるのか理解してる?」

その青目が初めて私を見すえた気がする、びっくりしている?怒っている?突然こんな話したから?

「はい、殿下は今年18歳になられましたから、そんなに長い間婚約者が不在とはいかないとは思います、でもきっと私より一緒に居て幸せなご令嬢と出会える事でしょう、それにお気づきですか?婚約して9年程でしょうか?殿下とこうして会話するのはとても久しぶりです、いつも、会話になりませんもの、私が殿下の興味を引けない事が悪いのですけれど。私、もう叶わない想いを持ち続けるのに疲れました、もうご容赦して頂きとうございます」

涙か溢れたけれど、言葉を紡ぐ事ができた、思いの丈を伝えて深く腰を折ってお辞儀した。

「君の気持ちはわかった、私が君を深く傷つけてしまっていた事も理解した、でも私の一存では決まらない、これは王家と公爵家の取り決めだ。」

「はい、ですが殿下がお話し下されば陛下も聞き入れてくださるはずです」

「それは…そうかもしれないが、この婚約は王命だ、そんな簡単な事ではない。」

もっともだけど、でも、ここは引けない、私だって本気なのだから。

「殿下どうか前向きに考えていただけませんか?今のまま婚約を続けても良い結果にならないと思います。

私が目障りならば、貴族籍を抜き国外へいきます、幸い薬師として困らない知識を両親が授けてくれましたから。殿下のお邪魔になるような事は決していたしません。お目汚しすることなく大人しく過ごしますので、何卒お願いいたします」

深く深く腰を折ってお願いをした。

すみません、作者のご都合主義です。更新は遅めです。完結できるよう頑張ります。

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