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僕だけの《愛の女神》へ

作者: 秋葉竹

たましいの色彩いろ


1


照れてたわけじゃないと思う。

かつて見たこともない、

美しいこころの人に出会って、


「………」


言葉を詰まらせて、うつむいてしまってた。


初めて出逢った人のことを

好きになるなんて、ダメだよ。


「………」


そんな、

相手のことをわからないままで

好きだなんて、思っちゃダメ。


「………」


とっても、いい香りがしたから。

とか?

僕を見る目が、語りかけていたから。

とか?

振り向きざまに、目と目が合って

好きになることだって

ある。

あったものは、仕方ない。

それを、

だって、

それを、一目惚れとか、いうんでしょ?

なら、

そんな、

言葉があるなら、

いいじゃない?

僕以外の誰かさんも

同じ目に遭って、

驚いて、だから、言葉を作ったんでしょ?


なら、いいじゃない、

僕のも、それでいいよ。


「………」


僕はべつに

照れてなんか、ないよ。

ただ、彼女のこころのありように

驚いていただけ、

それで、


「………」





2(その心、美しすぎる女神。)


どれほどの、

僕の悲しみも、

僕の絶望も、

すべてをわかってくれて、

すべてを受け入れてくれて、

その上で、

やさしく微笑んでくれて、

僕のことをちゃんと見ていてくれるんだ。


僕は、バレバレの貴女への好意を、

ことあるごとに曝け出してしまって、

でも、ちゃーんと許してくれるんだ、

僕なんかから、

なーんか、そんな目で見られてるって、

知ってしまっても、いいのかなぁ?

ぜーんぜん、僕に嫌な思いをさせないんだね?

僕を、変わってるねって目で、

見ないんだね?

恋、

に違いないんだけど、

そんなの、あまり、気にしないのかな?

ほんとうに、もう、伝わってると思うんだけど。


貴女にかぎって、

にぶくて、気づかないってことだけ、

ありえないしね。

なら、僕の恋を、受け入れてくれるの?

ンな訳ないけど、嫌われてないだけで、嬉しい。

この恋心知って、それでも僕の手を

握ってくれるんだよ、ね、ウレシ。


僕が、どれだけ僕自身を持て余しても、

どれだけ、駄目なんだと思っても、

そんなことないから、と、

すべてを。

僕の生きていてもいい未来を、

その、すべてを肯定してくれる、

女神さまだ、貴女は。


僕は貴女に会えて、良かったよ。

会えてなければ、と考えれば、

自信がないよ、いま、こうしていられる。

こんな風に、これから、寝て、

朝になれば、起きて、

やってくる明日を、

真っ直ぐ見つめていられる心。

貴女の、おかげだね。


あゝ、そうか、

だから、貴女は、誰からも好かれるんだ。

僕みたいな「僻み、嫉み、やっかみ」の

塊のような女の子(子、じゃないでしょ?)

からでも、

嫌われないのは、

貴女が、僕みたいな女の子(!)の

心も、

自分でさえ持て余す心をも、

おそらくただしく理解してくれているんだ、

だから、絶対、やさしくて、

絶対、傷つけない微笑みを浮かべてくれて、


絶対、僕は貴女が、好きになる。


貴女の好感度は、もはや女神か?


好きにならない人がいる訳ない。


でも、もし、貴女が、

それで少しでも辛い思いをしているなら、

僕は貴女にすがることを、やめる。

僕は貴女を、守るものに、なりたい。


そのことを、僕だけの、

この世界に生きて行く、目標にし、

誇りにし、汚れなき夢とし、

手前勝手だが、貴女を守るものとして

存在し続けて行くことを誓う。


きっと、誓うよ。



でも、

でも、だよ?

ここまで好きにさせる女神って、

もう、破滅へ誘う美しすぎる女神みたいな

ものだよね?

僕だけは、大丈夫だけど、(ウン?)

ちょっと、こわいよねぇ?









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― 新着の感想 ―
[良い点] とっても恋している気持ちが爽やかでいいな、と思いました。 女神なんているなら私も会ってみたいですね〜。 恋はノーリスク・ノーリターンですよ。 求めよ、さらば与えられん…だったかな。 健闘を…
2022/04/16 14:06 退会済み
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