98 休息日だったはず
家に入り玄関の扉を閉めたとたん 我慢の限界を超えたラグが大爆笑する。
「ウハハ ぉぉ面白れぇ ノ ノアの棒読み。あれだけ練習したのにカンペ握り締め 引き攣った笑顔で捲し立てて、俺が口をはさむ余裕が無かったぜ」
「ラグ 笑いすぎ」
「台詞も焦って少し間違えてたろ」
「作って欲しいなが、抜けただけだろう?話が通じたしセーフだよ」
「ほら、玄関で騒いでると外に聞こえるよ」
「さっきパンを買ったの、良かったら一緒に食べましょ。ついでに簡単なスープを作るわ」
「シシリー僕も手伝うよ。ノア達もだぞ」「ハーイ」
みんなで料理を作って椅子に座った時、ちょうど母が帰って来た。
休憩で戻る時間だと分かっていたので、多めに用意してあったから一緒に食べる事に。
いつも ミアと休憩を取ってるけど 今日は、母一人で?と 疑問が浮かんだが、敢えて話題にしないでおこう。
「帰って食事の準備が出来てるなんて、デクシラが同居していた時以来ね。助かるわぁ ありがとう」
「簡単な物ばかりで恥ずかしいですけど、あの キッチンを勝手にお借りしてすみません」
「そんな事無いわ、とても美味しいわよ。息子達も一緒だったんでしょ?それに いずれ家族になるんですもの気にしないで」
「ぁ はい」
気の早い母の言葉に義姉さんは、恥しそうに俯き消え入りそうな声で返事を返した。
この調子だと嫁姑は、問題なさそうかな?
母が仕事に戻る時 「気にかけて欲しいと言ったけど、期待の真逆だったわ。ノアは、本当にミアに手厳しいんだから」そうボクにこっそり耳打ちして 悪戯っぽく睨んだ。
後日 母から聞いた話だが、ボク達が家に入った後 ミアは、接客の途中で仕事を放棄し、物凄い剣幕で「私 今日の休憩は、ここで過ごすから!」とだけ母に言って、倉庫に籠ったそうだ。
母は、その時 何も知らなかったので(事務所にいて見ていなかった)従業員に事情を聞いて納得したそうだ。
食事中 その話題に触れなかった事に感心したよ。
母が仕事に戻り ボク達だけになったので、午後からどうする?と訊ねたら「もう充分だから また今度にしよう」って、二人揃って辞退の申し出があったので 今日は、このくらいで勘弁してやろうかな。
このまま家で寛いていても良かったが、ミアがふいに現れたら気まずいので場所を移動。
熱々カップルは、そのままデート続行だそうです。
「明日から仕事再開だし、俺 チョット依頼の確認してくるわ」
「一緒に行こうか?」
「大丈夫 すぐ済ませるよ。溜まり場だろ?話が終わったら俺も行くよ」
「分かった 後で」
部屋に入るとボクは、まずディメーションを開放した。
いくらこの中が快適でも太陽は、無いからね。
サンド達もいそいそと?庭へ繰り出す。
「ドライ 今朝は、ありがとう。助かったよ」
((ふふ どういたしまして。そうだ ノアこれ見て、3個芽吹いたの))
「おぉ、これバニラ?10個中3個成功したんだ。優秀じゃん」
((大変だったのよう~)) と、緑魔法を駆使した悪戦苦闘の経緯を聞かされたが、ごめんドライ何を言っているのか理解不能で、生返事しか返せない。
「えっと この苗が無事成長したら増産できるの?」
「そうよ、それでお願いがあるの。暖かくなって山の雪が解けたら里帰りしたいの」
「いいよ。それでって事は、苗に関係あるの?」
「正解。冴えてるわね」
「一応聞くけど、何で里帰り?」「ふふ 秘密よ」「やっぱり」
それだけ言うとドライは、従魔達が寛いでいる庭へフワリと飛んで行った。
何を企んでいるんだかドライのサプライズ好きは、健在だ。
ボクも庭に出てシャー達に抱き付く(モフモフだぁ~)癒されるなぁ。
三日間の休息日だったのに、何か慌ただしかったなぁ。
ランク昇格とセルジュのゴシップとミアの拗らせの後始末。
これでミアも少しは、大人しくなるかな?ハァ 無理かな。
あれ、この休息日に何かやる事があったような…あーそうだ!新しい杖を買ってミスドさんの所へ相談に行くつもりだったんだ。
仕方ない次回だな。
今度は、絶対忘れないよ。
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