86 んん~ジレンマ
激昂は、まだ戻ってない。
長ければ一週間と宣言していたので、明日迄には帰って来るだろう。
戻ったら多分 アジョンへ一度帰るだろうな。
それに まだ2月の初めだから、もう一度ババールへ出発するだろうと確信して、ボクは今 薪割をしている。
予想が外れても薪は野営の要だから、あっても邪魔にならない。
風魔法をスパスパッと使い、流れ作業の薪割にも慣れ、いつもの下らない空想が始まる…失態の反省も含めてね。
稀に いいアイデアが浮かぶかも?
文明の恩恵は、貧富の差で格差が生まれるが、救済処置がある。
けど 魔力は本人の資質に左右され、自己啓発しか道が無い。
どっちが良いのか判断できないが…ボクに限っては後者だ。
なんせ正に今、薪割を労力無しで成し遂げているからだハッハァ!
(…下らない、ハッと正気に戻り恥ずかしくて悶絶した)
何でこの前 片付けなんてしたんだろう、アイテムボックスに放り込めば済む事じゃ無いか。
無駄な時間だったな…半日も費やして、愚かだったよ。
(この件で、ボクは結構頭が固いと自覚した)
本格的に2番3番ダンジョンをマッピングするなら、野営必須だな。
階段やエントランスに、他の人がいた場合ディメーション使えないし、やっぱり寝袋欲しい。
激昂の幌 広くしてもいいかな? でも、勝手に入るのは気が引ける。
けど、広くなってたら喜んでくれるかも…どうしよっかなぁ。
杖に木刀をどうやって仕込もう、腐食の安全対策を間違えたら一大事だし、魔道具の専門家に相談するか。
よし、帰ったらミスドさんの店に行こう。
あ、その前に杖を新調しよう。
万が一事故があったらと考えると、腐食なんて普段使い出来ない。
今使っている杖は愛着があるし、使い出が良い麻痺効果の刃に付け替えるか。
初めてのダンジョンで、実りが多くて嬉しい。(ニッコリ)
空想、迷走、妄想で、単純作業が楽しく順調に終了した。
寝袋と杖以外の考えを無かったことにして、(つっ、消去)みんなは何してるんだろうと思い、表の様子を見に行くとテーブルに黄色いパンを広げ、何やら楽しそうだ。
「何だ買い物行くなら誘って欲しかったな、仲間外れ…イジメなの?」
「イジメって、声を掛けようとしたよ、でも作業に没頭してたし…」
「百面相してて…声かけづらかったぞ」
「思考にふけるノア、通常運転だな」
「今日は、声に出してないだけマシだよ」
「チャンとノアの分も買ってあるぞ、まったく」
「オォー友よ、ありがとうー」ザッと一歩引かれた、やり過ぎたか。
「ヤダノア怖い」「ドン引きしたぞ」「イジメ発言からおかしかったが」
「悪かった 棒読みはやめて。本気にするなよジョークだよ、パンありがとう。ところでボク いつもそんなに言葉を漏らしてる?」
「気付いて無いのは、ノアだけだな」
「思考は洩れないのにな、普通逆だろ」
親父化の…いや女だったからおばさん?男で女だからオネエ?あーもうわからん、老化でいいやもう、老化の弊害だな!(言い切った自分にへこむ)
変わったパンを買って来たと言ってたので1つ口に運ぶ、するとスパイシーな香りが、お口いっぱい広がった。
惜しい 近いけどもう一歩。
それに 野菜や肉が無い、生地にスパイスを練り込んだ、ピリッとする珍しいパンなだけだ。
けど、この調子だと思ったより早くカレーの伝説が始まるな。
誰だか知らないけど、頑張れーレシピの天才!
「ラグー、ノアがまた百面相してまぁーす」(棒)
「機嫌良さげだから、気に入ったんじゃないかぁー」(棒)
「気に入ったよ、買って来てくれてありがとう」
ボクは料理レシピに関わらないと決めていた。
何故って、料理は奥深い事を前世で知ってるから…。(作ってたし)
だから、誰かが作ったものを、美味しく頂ければそれでいい!ここ重要なので言い切ります。(上げ膳据え膳楽チン)
そんな事に関わったら、スローライフなんて夢のまた夢になっちゃいそうだ。
なのに 何でバニラをわざわざ栽培するか、理由は簡単アマパンだ。
バニラを上手く流通にのせて、アマパン製作者の手に渡れば…どう見てもカップケーキだし、日本人だと思うんだよな。
もし違ったとしても、バニラを手にしたら、このパンのように化学反応を起こすかもしれないと、期待してるよ。
日本人じゃ無い事も想定して、少し仕掛けるのも有りだけどね。
現状の生産者に迷惑かけないように、市場のリサーチも必要か…あの小さな砂漠の集落で、香辛料売って無かったなババール止まりか、その辺も調べなきゃ。
それにしても、あぁ~ぁ、みんなに熱く語れない事が辛い。
「ラグー」(棒)
「もう、ほっとけ」(飽きた)
最後までお読みいただきありがとうございます。
☆☆☆☆☆の評価と ご意見やご感想を寄せていただけたら嬉しいです。
続きが気になるな!と思ったらブックマークをお願いします。




