82 ポンコツ≠変人
「初心者ダンジョンに何時間も籠って、一体何をやってんだ?」
「あんな場所で 苦戦する訳無いし」
「コッソリ2番目の方に行ったとか?」
などと 朝食の時3人に問い詰められた。
昨日午後からシャー達とダンジョンに出かけ、遅く帰った事で疑問を持ったらしい。
「ん?お散歩」シレっとボクが答えると「ハァ~?」と3人揃って声をあげた。
「ダンジョンで散歩?」「聞いたことが無い」と呟き 変人を見るような視線に晒されたので、本当に仲間なのか?失礼な奴等だなぁ~なんて胸の内で毒づく。
本気じゃ無いけどね。
さて 3人の理解が追い付かないようだから、ボクの考えを披露するとしようか。
理由と方法 ついでにシャー達の能力を説明すると「ウルフ達の運動か」「確かに必要だな」と納得してくれたけど…
変態認定され(勝手な妄想)さっき感じたモヤっとした複雑な感情をどうしてくれよう。(何もしないよ)
3人は、激昂を見習いタイムアタックにトライしていた。
「俺達が必死で狩ってたのに、ノアはのんびり楽しんでたとか…」
「ありえないんだけど 本当斜め上を行くよね。もう~脱力」
「シャドーウルフって、そんな特徴もあったんだな」
シャー達の話が切っ掛けとなり、ロックウルフにも何かあるかもって話題にかわる。
「魔獣だしな、なんせ「魔」が付くんだから 何かしらあるんじゃないか?」
「確かに魔力はあるな、覚醒してないだけ?」
「あんまり期待を掛け過ぎても 負担になるよ」
「そうだな、今だって充分助かってるし問題無いからな」
そして ダンジョンへ行くにしても2匹のウルフに全て任せるのは、流石に厳しいという話の流れで、3人で初心者ダンジョンへ出かけた。
「6匹いても単純な物理攻撃だけじゃ、後半は厳しいだろうな」
「確実にボスは、無理だな」
「でも 出来るだけノア方式で、ゆっくりロキシーやヴァウル達の後を付いて行くよ」と言ってたので、今日 ボク達の散歩は、諦めた方が良さそうだ。
明日から 2番目の入口に挑む事も話題に上がったので、道具屋に行っておいた方が良いなと考えた。
念の為 ダンジョンから脱出できる、緊急回避のアイテムを買うつもりだ。
二人一組ウルフを連れて行こうって話だったから、念には念を入れた準備をする必要があるだろう。
それに まだ誰と組むか決まってないが、二つのチームの条件を揃える。
そうなるとシャー達は、留守番だ 用心しておくに越した事はない。
ボクに限っては、いざという時には呼べるんだけど それは、反則になるかな?
「さて、アイテムボックスを作って香辛料の移動をするか」
昨日は、謎のテンションで「用途に合わせて3個作れば!」なんて考えたが、時間をおいて冷静になり「何故3個?」と自分に呆れた。
勢いって怖い 移り香?アイテムが混ざる?それなら、今頃ボクのアイテムバックの中身は、目も当てられない悲惨な状況になってるはずだ。
ふと 作業に向かう足を止め、ディメーションの入口から中を見渡す。
暇をみてコツコツ努力を積み重ねているので、現状ドーム4個分ぐらいの広さになっている。
中での長距離移動は、シャーの背に乗り運んでもらうくらいだからな。
「くぅ~ 今までの努力は、無駄じゃ無かったなぁ。広さはもう充分…かな?」
広々とした光景を目の当りにし、喜びと達成感に包まれる。
左に視線を送ると最初に作った砂場と水場や生命樹に果樹園、主にドライが管理していて整然と整っている。
「そうだ、香辛料栽培の場所も作らないとな 赤土が良いのかな?生産地調べてみないと分からないか」
しかし、整った左に対し右側を向けば 雑に積まれたもので溢れていた。
「ふぅ~物が増えたし、そろそろ真面目に配置を考えて 模様替えしなきゃな」なんて考えるが、いつになる事か。
インゴットの山やそのまま重ねられた数十本の丸太に切り出した木片の残り、それに昨日作った丸太の向こう側に設置されたバスタブ、片付けるには中々骨が折れそうだ。
「まぁ~片付けは今度だな、取り敢えず今日はアイテムボックスを作って 買い物して…後アレだ!アイテムボックスとアイテムバックの関連付けだな。そうなると 買い物を先に終わらせる方が良いかな」
独り言を声に出しているので 従魔達がチラチラ視線を送っていたが、自己完結したノアは気付いて無い。
ぶつぶつ独り言が多いのは、精神年齢親父化の表れだろうか。
先に買い物を済ませることにしたようで、出かける準備をしてシャーを呼び ディメーションを後にした。
ノアが外出して、いつもの静かな環境に戻り残された従魔達がホッとした事に、ノアが気付く術はない。
((いないと寂しいけど、たまにウザいのよね…)) byドライ
((え~私は、そんな事言っていませんよ?))
((うん、そうだよねぇ~ノアがいた方が嬉しいよね)) その他大勢の声
((裏切り者~!))
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