表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/129

74 ババールダンジョン 16階層~反省会

「そろそろ行くか。」「うん…」「ハァ~少し気が重いな…」「だな…」


ここから先、ボク達は人型の魔物と初めて対峙する事となる。

セーフティーゾーンから覗き見ると、オーク1匹とゴブリンが4匹があても無くウロウロしていた。


「オークを先に潰すか?」「誰がやる?」


「ノアのカッターかトリルの斬撃で、首を狙えばいいんじゃない?」


「残りのゴブリンは、一人一匹ずつ倒そう!」


全員で倒すには戦力過剰なので、個々の力を伸ばす事にした。


―16階層

ゴブリン、ホフゴブリンなど多種多様なゴブリンとオークが5~10匹の群れであちこちに留まっていた。

獲物が多い時だけ力を合わせ、少ない場合それぞれ対処。

戦う前は、対象が人型だった事に戸惑いを憶えたが、耳障りな声と醜悪な顔そして悪臭、それらに繰り返し接する事で、次第に情けをかける気持ちが薄れていった。


―17階層~19階層

オーク、オーガ、トロールと上位種の魔物がそこかしこに溢れていた。

出会った魔物の戦力に合わせて対応しつつ前に進む、群れからはぐれ一匹だったらソロで挑み、3匹ならペア4匹ならマンツーマン10匹前後ならパーティー全力でってな具合で、臨機応変ってやつだ。

一つの階層が初心者ダンジョンより広いうえ洞窟ばかりで閉塞感もあり、19階層の出口が見えた時は小躍りした。


ここまで大きなケガも無く、19階層出口から下に降りると、重厚な扉がある広いエントランスに出る。

そこに意外な人達が、悲壮感を漂わせ蹲っていた…タリア達だ。

それを見たセルジュは顔を背け、サザンは眉を寄せ呟いた。


「前のパーティーがまだ終わって無いのかな、聞いて来る。」


そう言って、サザンがタリアのパーティーへ近付いていく。

セルジュが背を向け見ないようにしていたので、ボク達も自然とタリア達から距離を取り見ないようにしていた。

暫くすると、サザンがタリア達パーティを連れて戻り、呆れた顔で事情を告げた。


「天空の鷲がボス部屋を諦めたが、戻る事も出来ないので一緒に連れ帰って欲しいそうだ。」


「またかお前等、いい加減自分達の力量を見極めろよ。」


リーの強い口調に、天空の鷲は申し訳なさそうにしていたが、タリアだけムッとした顔をして抗議しだした。

要約すると、一緒に来てと頼んだのに見捨てたとか、ボク達の事も引き合いに出してズルイとか、訳の分からない一方的な主張だったので、聞かされるボク達は正直げんなりだ。

天空の鷲の面々が慌ててタリアを抑え込んで、ペコペコ謝っていたけどね。


クールタイムは終わっていると聞いて、スミスの身体強化を受け扉に手を掛けた。

ボク達4人が先に進むのを見た天空の鷲は「何であいつ等が行くんだ?」と訝しむが、意に介さない激昂は、ニヤッと笑い見送る。

全員扉の中に入り、ボク達以外は壁際で待機。

そして、中央に進み出たボク達の前にオーガキングが仁王立ちしていた。


「グオォーーー!!」


威圧を放つオーガキングに対し、ボクは威圧に抗いながら「ダイヤモンドダスト」と叫んだ。

オーガキングの全身が一瞬凍り付いたが、すぐ表面がひび割れ砕けてしまう。

トリルも威圧が放たれた後、真っ先に足首を狙い斬撃を飛ばしスパッと両足を切り落とした。

バランスを崩したオーガキングは、両手両膝をつき四つん這いになる、激痛を受けてもなお叫ばなかったところは、流石キングだと感心してしまう。

足を失い憤怒したキングが、顔を上げトリルを睨んだ、ラグはその瞬間を逃さず矢を連撃し目を潰した。


「ギャググヴガァ――!」


思いがけない衝撃に、堪らず両手で顔を覆い喉を逸らし叫び声をあげた瞬間、ボクのサンダースパークがオーガキングを貫いた。

そして、意識を失ったキングがその場に崩れ落ちズシンと地響きが轟く。


「やったか?」「終わった?」「動かないね。」「消えてくよ!」


「ヤッタ――――!」


ボク達は互いに手を打ち合い、肩を組んで喜びを分かち合う。

振り向くと、激昂もウンウンと頷いたりハイタッチをして喜んでいたが、天空の鷲はだらしなく口を開いていた。


天空の鷲と一緒に地上へ戻り「お礼に食事でも…」と、誘われたがサザンが速攻で断った。

タリアは、しきりとセルジュを気にしてチラチラ盗み見していたが、セルジュは最後まで見向きもせず、ダンジョン入り口で天空の鷲と別行動。


2番目のダンジョン踏破は、一つ目より時間が掛かったようで、夕暮れ時に差し掛かっていた。

幌に戻り、食事をしながらの反省会は、創意工夫を凝らした攻略だった事を大いに褒められ、ボク達の顔も緩みっぱなしだよ。

気持ちよく食事を終え、お茶を飲みホッと一息つくと、さっき気にかかったことを聞いた。


「そう言えばリーさんが「またか」って言ったけど、どうして?」


「あ~セルジュが前に助けたって言ったろ?あの時は14階層のどこだったかな…」


「いや、13階層だったんじゃね?」


「まぁ、どっちでも同じだけど…とにかく助けた時に、初心者をソロで回れるようになってから、チャレンジした方がいいと助言したんだ。」


「あの様子じゃ、多分まだ出来てないんだろう。」


「助けたのもこれで4回目か…懲りないよな。」


「えっ、4回もか…」


そりゃ呆れた顔になるわけだ…あれ、だけど…。


「今日、天空の鷲に何も言わなかったよね?」


「あぁ、3回言えばもういいだろ?言うだけ無駄だったよ。」


「本来冒険者は、自己責任だからな!」


仏の顔も3度まで、諦めたのか…。



最後までお読みいただきありがとうございます。

☆☆☆☆☆の評価と ご意見やご感想を寄せていただけたら嬉しいです。


続きが気になるな!と思ったらブックマークをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ