7 神の寵児って…聞いてないよ!
部屋に入ると、仄かな光が灯る静謐な雰囲気だ …緊張するな。
中央に青く光る大理石の様な台座がありそれは、ボードを斜めに嵌め込む仕様になっていた。
そのまま前に進みボードを置くと、枠の上に文字が浮かんだ。
―ボードに手を翳しなさい―
指示通り手を翳すと、ボードが光りに溢れ文字が刻まれてゆく。
「おぉ~」
神秘的な光景に、思わず呻き声が漏れた。
そして、次第に焦りに変わった… アッこれ駄目な奴だヤバイ!
名前 ノア 年齢 5歳 基本Lv32
HP 3200
MP 150,000
力 35
魔力 98,000
火魔法 Lv 3 時間魔法 Lv 3
水魔法 Lv 2 空間魔法 Lv 3
土魔法 Lv 1 錬金 Lv 1
風魔法 Lv 3 従魔 Lv 1
氷魔法 Lv 3 鑑定 Lv 1
雷魔法 Lv 1 隠蔽 Lv 1
光魔法 Lv 5 槍術 Lv 1
闇魔法 Lv 1 馬術 Lv 1
(p 320)
<スキル> 君子不器 神の寵児
いや、もうこれやっちまったな!どうする…このまま見せる訳にいかない。
「基本Lv32かぁ~ MPと魔力もえげつない、魔力操作の訓練の賜物?神の寵児って!いつの間に付いたの?うわぁ~どうしよ…」
打開策は、無いかと思案しながらボードを眺めていると<隠蔽>が有る事に気付いた。
隠蔽か、思う様な効果があるのか?う~ん判断がつかないな…
まずは、鑑定をLv10にして隠蔽の確認しようと決意しp54を振ってみる。
「鑑定!」
―隠蔽 隠す事-
「まんまやん!隠蔽Lv1だからか?あーもうこれも10に上げてしまえ!」
「改めて、鑑定!」
―隠蔽 人の目を欺き隠す事(偽装) 文字 姿 気配 あらゆる事に対応する―
「よし!偽装で何とかなる」
ボクは、小さくガッツポーズをとった。
まず隠すのは、時間と時空と隠蔽で…後は、基本Lv5魔法のLvを全部1にして…
あ!HpMp魔力も下げないと…ブツブツ呟きながら隠蔽の偽装を駆使する。
そして、何とか普通に見えるステータスボードに改変した。
名前 ノア 年齢 5 基本Lv5
HP 500
MP 380
力 35
魔力 150
火魔法 Lv 1
水魔法 Lv 1
土魔法 Lv 1 錬金 Lv 1
風魔法 Lv 1 従魔 Lv 1
氷魔法 Lv 1 鑑定 Lv 1
雷魔法 Lv 1
光魔法 Lv 1 槍術 Lv 1
闇魔法 Lv 1 馬術 Lv 1
(p 50)
<スキル> 君子不器
よし、これなら大丈夫!魔法の適正ありって事で魔力とMPは多めにしてっと…神の寵児も忘れず消したし、これなら大丈夫だろう。
そろそろ戻らないと時間の経過が気になるな。
ようやくボクは、平静を装い部屋を出た。
「終わったかい」
「はい」
「何か手違いでもあったのかな?長くかかっていたようだが」
「いえ、何も…あ!魔法の項目が多くて反映に時間がかかったのかな?」
「ほぅ~見て良いかい」
「はい!これです。皆も見て良いよミアのも後で見せてね」
「わぁ~凄くいっぱいあるね!ノア」
セルジュが目を見開き驚いている、横にいた父様も驚き母様は呆れた顔だった。
「これは、凄い」
「魔法ほぼ全てに適性があるじゃない」
「何で右の項目に隙間があるのよ?」
ギクッ!なんて鋭い指摘をするんだミア。
「ボクが分かるわけ無いだろ」
拗ねた振りをして答えたが小聡明く見えたのかミアは、疑いの眼で僕を直視した。
「随分時間も過ぎたようだし何時迄もここに居ては迷惑だね。さぁ家に帰ろう」
父様の一言で、皆帰ろうとするが肝心なことを忘れていた。
「ボードを消すには、どうしたらいいんですか?」
既にミアとセルジュの手には、ボードが無い。
「エンドと唱えてごらん」
「エンド…あ!消えました。ありがとう」
部屋を出てシスターにお礼を言い、母様がお布施を納め教会を後にした。
表に出ると既に夕暮れ時だった、馬車に乗り家路につく。
出かける時は、賑やかだったが待ちくたびれたのか帰りは、間延びした雰囲気だった。
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