表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/129

60 フラグ回収しました。

「やっとホーリーカペルトが日の目を見るよ、練習しておいて良かった。」


スミスが楽しそうに話す、それはスミスを中心とした直径3mの聖域結界だ。

それに触れた不浄の物を浄化してしまう、いわば守りの要だな。

あとトリルに聖属性を付与したり、聖と光を合わせ持つスミスにもってこいの

狩り場になったね。


ラグは矢に変換すればどの属性でも射る事が出来るので問題ない、普通に魔法で

撃てないなんて変わっているけど、弓ステにオマケで付いたと言ってたな…。

だけど、全属性なんてとんでもないオマケだよ。


ボクもホーリーインパクトを使えば、衝撃波で数体いけるし、危険があれば

ホーリーレインで一網打尽も出来る、これは守りと戦力に隙が無いな。


ギルドに申請したボク達と激昂は、洞窟の中にいた。

明る過ぎると隠れる可能性があるので、小さな明かりで足元を照らし進んだ。

ライトアローを数本束ね、かざして歩くラグの姿を見て物は使いようだなと

感心したよ。


既にスカルやデッターと遭遇した冒険者の戦う音と不気味な呻き声が反響してる。

これだけの人数がいれば、もしかして遭遇せず終わるかもと思った矢先、

デッターの一団に出会ってしまった…やれやれ。


「ごめんなさい、この人数で3mは狭いね、次の機会までにもっと広げておくよ。」


「俺達の事は気にするなよ慣れているから、それより凄いなこの防御魔法、

俺も出来るとよかったのにな。」


「ぼくは支援と付与に特化しているから、サザンさんは攻撃魔法でしょ。」


場にそぐわぬ呑気な二人の会話に、力が抜けそうになるよ。

クレッセントが前に出て、スミスを守る形になりデッターを寄せ付けない。

そして、目の前のデッターをボク達が攻撃して、激昂に守られたサザンが範囲魔法を奥に飛ばし、遠くに蠢くデッターを撃退した。


出会っては撃退しまた進むの繰り返しで、いったい何人いたんだと愚痴りたいが、

突然の死に見舞われた可哀想な人達です、とギルドの人が言った事を思い出し

最後まで頑張るしかない!と気合を入れ直した。


そろそろ、全てのスカルとデッターが浄化されたかな、他の冒険者もゾロゾロ

出口に向かっている。

討伐証明は地元のギルドで出来るように手配すると最初に聞いたので、野営場に

引き上げた、洞窟を出ると驚いた事にまだ明るかったよ。

暗闇の中、時間の感覚がずれていたんだな、まだお昼を少し過ぎた頃だ。


今日帰る筈だったので荷造りは済ませてある、激昂とボク達はアセノスを後にし、予定どおり帰路に着いた。

帰り道、急ぐことなく2か所の停車場で休憩を取り、野営をしてのんびり進む。


「旅に出ても、アイム達のお陰で随分楽になったよ。」


「今までは二人一組で交互に見張りをしていたけど、一人と一匹で済むからな。」


「途中で魔物に会う事も無くなったしよ。」


「ノア達は最初からだね。」


セルジュの問いかけに、どう答えていいやら…。

ボク達はもっと楽してるなんて聞いたら、何て言われるかな。

ゼクスとツヴァイをセルジュに預けているので、今回はシャー達が交代で

荷車を引いているし、仕方ない激昂の手前ボク達も見張りを交代でやるか。


部屋のドアに施した防犯の威力を見た激昂は、自分たちの部屋に設置して欲しいと

スミスに依頼をしていた、2階から沈むのは不味いので考えさせてほしいと

答えていたよ、あと好みがあるので絵は用意してね、とも言っていたな。


それって受けるって返事したようなものじゃ無いか?ボクが思ったのも束の間。

その言葉にいち早く反応したリーが、やった!お友達価格でよろしくな、

と言い切ったし、全くちゃっかりしてるよ。


トリルは魔法を纏うコツを、真剣な顔でリーから教えて貰っている、リー師匠と

呼ぶのには正直引いたけど、リーが師匠ね...まぁ~いいけど。

今回スミスが、ホーリーカペルトなんて大技をやってのけたので、

負けてられないって思ったんだろう、頑張れ。


ラグも触発されたらしく、一度に矢を数本出すコツを思案中のようだ、

こうやって、刺激し合い成長できる仲間がいて、恵まれているな。


激昂と密な交流ができて充実した旅だったよ、帰りはアクシデントも無かったし。

夕方の到着だったのでギルドへ出向き討伐証明と、みんなは鉱石の買取も

済ませていた。

ボクは目的があるので勿論売るつもりは無い、不要な物混ざっているけど

今必要でなくてもいつか使うかもしれなしね。


「ノアこの鉱石欲しかったんだろ?やるよ。」


苦笑してリーが声を掛けてくる。


「あれ、売らなかったの?」


「買取の実績が無いって言われたよ。ノアはいったい何に使うのかな?」


セルジュが不思議そうな顔をして聞いてきた。


「ん~ボクも初めての試みで成功するかわからないんだ、出来てからの

お楽しみでいい?出来なかったらごめん。」


そう言った訳で激昂、クレッセントのメンバー全員から貰い受け思わぬ収穫になり

一応買い取ると申し出たけど、スカルとデッターの盗伐報酬が一体中銀貨1枚と、

高収入を得た後なので、みんな太っ腹だったよ。


今回試す錬金は少し時間が掛かりそうなので、仕事を休んで暫く籠りたいと

みんなに相談すると…。


「俺もリー師匠に教わった事を試したいな。」


「ぼくもホーリーカペルトをもっと磨いて、多くの人を守れるようにしたい。」


「今の俺が一度に打てる、矢の本数の限界を試したいな。」


本当にお前等は仲がいいなと、激昂が笑って呆れていたな。

目処が付いたらボクが連絡する事になって、その日は解散した。


次の日、いつもの手順を踏んで洞窟へ飛んだ。

岩場の入口からここまでの道は全て完全に塞いだが、まだ見ぬ方は暇を見つけて

探検しようと思い浅くしか塞いでいない、火山まで続いていたら厄介だな。


好奇心より面倒事を避けたい気持ちが勝り、通路の奥の奥まで塞いで封印した。

隠蔽まで仕掛けだんだし、これで大丈夫かな?気掛かりを払拭できて安心したよ。


さてやるか、まず鉄から不純物を取り除き純度の高い鉄にする。

次にクロコアイトからクロムを抽出し、ニッケリンからニッケルも抽出する。

ニッケリンは銅色なのに銅の成分が無いなんて不思議だよ、それにニッケルが

白銀色なのも不思議だ、時間が掛かったがここまでは何とか失敗せずに済んだ。

まだ抽出しかしてないから当たり前か。


問題なのはこれからだ、鉄をドロドロに溶かす全体の50%ぐらいだったよな。

これをひっくり返しでもしたら、大事だぞ…慎重に慎重にっと。

そしてそこに、クロムとニッケルを少しずつ混ぜ込む、分量はぶっちゃけ感だ。

鑑定Lv10と自分の目だけが頼りだという綱渡り的な?


熱を帯びた鉄からの反射で汗が噴き出る、水分補給しなくちゃ。

泉の水を飲むついでに頭から水をかぶって冷やす、12月なのに気持ちいいぞ!

そして、ここだという謎の確信を持ち火からおろす。

保管しやすいので、全て1㎏のインゴットに形成して、少量残ったのは

パチンコ玉にしていくつか作っておいた。


さて、このステンレスのインゴットをすべてディメーションにしまってと、

結構な量が出来たな、みんなから材料を譲って貰えた事が大きかったよ。


これからが問題だ、ボクは鍛冶のステを持っていない、そしてどうせ成型を誰かに頼むなら、一流のドワーフに頼みたいな。

ソリス火山を越えた場所だと知っているが、残念ながらお約束通り行った事が

無い場所にジャンプはできない。


そういえば、ルカナから一日南下した距離だったな。

ルカナなら王都に行った時、外壁の外を通って場所を知っているし…。

明かり窓を見上げ夕暮れ時だと気付いた、今日はもう遅い今夜考えて明日試すか。


翌日、朝食も食べずに早朝から家を出て洞窟に寄った。

影を伝いシャーが先にロカナへ立ったので、今は返事待ちだ。

ボクがいきなりジャンプして人と衝突事故を起こしたら大変だからね、

シャーには苦労かけっぱなしだな。


((ノアそんな事気に病まなくて、大丈夫です。))


((あ、シャー…えへへ、それで人の往来は多そう、どんな感じ?))


((早朝ですので、今なら大丈夫です。))


シャーの返事を聞いてすぐ飛んだが、足が地面から数メートル離れている。


「うわ~っ!何でこうなるの、高低差?」


シャーが飛び上がり、ボクを背中でキャッチしてくれなきゃ今頃…ぞっとしたよ。

目視で飛ぶという手もあったが今の今で、とても飛ぶ気にならない。

馬車で一日でもシャーならネ!なので、シャーの背に乗り高速で駆け抜けた。


ドワーフの街に着いて職人を探すが、やっぱり酒場が定番だろうか?

でも、まだ昼だし食堂に行ってみよう。


初めての街、子供だからって舐められないように、シャーに乗ったまま移動した、

食堂はさすがに止めたけどね。


店で、町一番の鍛冶職人は誰かと尋ねたら、周囲にいた職人誰もが我だ我こそと

名乗りを上げて収拾がつかなくなり、困った。

インゴットを取り出し素材はこれだと見せると、変わった素材だなと唸って殆どが

去った…あれ?結局その場に残った、ザッチが請け負ってくれる運びとなった。


一緒に仕事場へ行き希望のデザイン、薄くて切れ味の良いペーパーナイフの

形を伝えた、危ないので鞘付きでお願いしたよ。


「坊主、この珍しい金属はいったい何だ?」


やっぱり、そこ気になっちゃうよね。


「ボクが錬金した物です、軽くて丈夫で腐食しにくく錆びにくい優れモノです。

この金属の名前はステンレスです。」


「ほぉ~坊主が作ったのか大したもんだ、でっどんな物を合わせたんだ?」


「それは内緒です。錬金術の情報を無暗に教えませんよ。」


「ふん、しっかりしてやがる…でっ、何本作るんだ?」


「20本お願いします、プレゼントにしたいので、持ち手の部分にこの宝石を

装飾して下さい。」


「この宝石、いったいどうやって?」


「アセノス火山まで行って掘ってきました。」


製品の納期はいつ頃になるか聞いたら、明後日にできると返事をもらい、

前金を払い帰る事にする。


あ、その前にここへジャンプしても怪しまれない場所を探すか、

町の近くで目立たない場所、何処かに無いかな…あの林の中くらいしか無いか。

シャーにも場所を覚えさせてっと…さて、まず洞窟へ飛んだほうがいいかな。


二日間ボクも新技に挑戦だ、先ず一個のパチンコ玉から始めるか。

風魔法を使い、球を浮かせて身の回りをクルクル浮遊させた。

なかなか難しいな…くっ、慣れたら最低でも、10個操作出来るようになりたいな

気を抜くとすぐ落ちてしまう、まだまだだね。


二日後の朝、ドワーフの街へ飛びザッチの作業場兼家へ向かう。

奥さんのスザンが迎えてくれ、結婚していたのかと驚いた、失礼かな?


ザッチはまだ寝ていた、奥さんがフライパンをガンガン鳴らして起こしている。

あの強面のザッチを赤ん坊のごとく扱う奥さんツエー!

寝起きが悪いんだな、不機嫌な顔で奥から出て来た、一応ボク客なんだけど。


商品を見せてもらい、こそっと鑑定をして超高級品とでた、正真正銘の一流職人!

驚きがモロ顔に出ていたのか、ザッチは怪訝な表情をしたよ。


材料持ち込みだからって、本当に一本大銀貨1枚でいいのか?と疑問に思いながら

残りの支払いを済ませて店を出る、その時ザッチはサッサと奥に行ったが、

またよろしく~と奥さんが笑顔で送り出してくれた。絶対またお願いしに来るよ。


家に帰りホッと一息つく、食事が終わったら家族と激昂の分をセルジュに渡して、

明日溜まり場でラグ達にも分けよう。


「ノア家族みんなの分を作ったのか?ありがとう、この素材見た事無いが

これは何かな?」


「ボクが錬金で作ってみたんだ、ステンレスだよ。」


「知らないな、何処で知ったんだ?」


「それは秘密だよ、錬金の情報は秘匿するもんでしょ。」


「そうだったね、随分華奢で小さいがどんな使い道を考えたのかな?」


「荷解きとか?胸ポケットに入るでしょ、あとは手紙を開ける時こうやってスッと

切れるから切り口が奇麗だし、それに懐刀として隠し持っても役立つと思う。

あと、錆びにくいし腐食しにくい金属だから手入れも楽だしね。」


「便利だね、店の商品に出来るかな…特殊な金属を使わなくても型だけ真似て。」


そこから父さんが、深く思考を巡らし始めたので部屋へ戻った。

ボクが作りたいものは別の物だったけど、まだ足りない物もあるので次回だな。

今度は密度の高い硬い木を探さないと…。



最後までお読みいただきありがとうございます。

☆☆☆☆☆の評価と ご意見やご感想を寄せていただけたら嬉しいです。


続きが気になるな!と思ったらブックマークをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ