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6 ミアにドキドキ 

今日、午後から教会へ出かける。

何だか気分がソワソワして、外に遊びに行く気にもならない。

気持ちを落ち着けよう、魔力操作の訓練でもするか…

集中しているとアッという間に時が過ぎて、昼になっていたらしい「昼食の準備が整いましたよ」と呼びかけるデクシラの声で我に返った。


食堂に向かうといい匂いが漂い、すでにみんな席についている。

話題は、勿論ステータスの事だ。


「ノアは、ステータスについてどのくらい知っているのかな?」

「人それぞれ相性があると聞きました」

「そうだね、だがそれだけじゃ無い。相性もあるが普段の生活で変化する事もあるんだよ」

「変化って、どんな風にですか?」

「例えば火魔法だ。魔法が無くても道具を使えば火を熾す事が出来るが、魔法の方が数段便利だろ?どうしても必要だと思えば努力する事で、種火くらいなら灯す事が出来る様になるんだ。元の相性が無いので攻撃魔法までは、使えないけどね。生活するには、充分役に立つんだ」

「へぇ~そういうものなのですか、勉強になります」

「でも~そこまでしなくても、道具があるからいいやって考える人も少なくないわね。私も水魔法が苦手だからつい出来る人を頼っちゃうわ」母様が笑顔で話を混ぜ返す。

「そうだね、ソフィアの言うとおりだ。けど僕は、可能性の話をしたいんだ。ステータスは、自分次第だってね」


父様は、ボクがスキルの事を気に病んでいると考えて、さり気無く励ましてくれているんだな。

ん~~ありがたいが、本来の意味を知っているから多分ボク今、微妙な表情をしていると思う…


昨日の昼食事にもステータスの話をしていたためセルジュやミアも興味を示し、この際みんな見てもらう事になった。

ボクもミアのステータスに興味あったし、丁度いいや。

何故興味があるかと言うと最近のミアは、たまに鋭く心臓に悪いからだ。


先日、ミアとデクシラが1階の居間に居る事を確認してから、2階で空間移動の練習をしていた時の事だ。


階段脇にある書斎に入り、そこから斜向かいにあるボクの部屋まで転移した。

軽い眩暈がして一瞬景色が揺らぎ何事も無く視界が戻る、よし成功だ!

移転する時の眩暈も最初は、吐き気がするほど酷かったが回数を重ねるうちに慣れてきた。


今日も調子がいい!な~んて気分よく自室から出たところを階段を上がってくるミアと鉢合わせた。


「あれっノア、書斎に居たよね!?」最近ボクだけ呼び捨てだ昔は、可愛かったな…

「何言ってんだよ、今ボクが自分の部屋から出たとこ見たでしょ?」

「だって…絶対書斎にいるって思ってたんだもん」確信を持った表情で言い切るミア。

「思い違いだよミア。ボクは、自分の部屋にいたんだから」ボクが強めに言い募るがミアの表情は、納得していない。


そんな風に居るはずの無い場所で、度々ボクに出くわすので不審に思っているようだ。


後、アイテムボックスを作る練習をしていた今よりも幼い頃。

練習に使っていた箱に、妙に興味を持ちやたらと欲しがった。

失敗作なので何も機能しないはずだからあげようかとも思ったが、万が一何か不備があって事故でも起きたら困ると考え直し、結局譲らなかった。


双子効果なのか、それともミアに探知能力でもあるのか、この際ハッキリさせないと気が気じゃない。


「3人共、それでいいね」


ふいに父様が問いかけた。

二人は、元気よく返事をしたが話を聞いてなかったボクは「?」


「何だ、ノアが言い出したのに聞いてなかったのかい?」

「ごめんなさい」

「急ぎの用事を片付けてから、教会に行こうかと聞いたんだが」

「はい、大丈夫です」返事を返すと仕事へ戻って行った。


父様が帰って来たら、直ぐに出かけれるように準備しておこう。


それから1時間程で用事を終わらせた両親は、店を従業員に任せ帰って来た。

教会は、町の中心部で川沿いにある。

普段のんびり散歩がてら歩く道程だが、店の馬車を使った。

馬車が教会に着いた時、丁度シスターがドアの前に佇んでいた。


「こんにちは、良い天気ですね。ご家族お揃いで礼拝にいらっしゃたのですか?」

「こんにちは、いつもお世話になってます。今日は、子供たちのステータスを調べようと思いやってきました」

「そうでしたか、こちらへどうぞ」


シスターが扉を開け皆を教会の中へ誘い、更に左の奥にある個室へ案内する。


「少しこちらでお待ちください。準備をして参ります」


一旦席を外し、暫くすると名簿を手にして戻った。


「こちらにステータスを授かる方のお名前をご署名いただき、お一人に付き大銅貨1枚の献金をお願い致しております」


母様が大銅貨3枚の献金を済ましている間にボク等は、それぞれ用紙に名前を書き込んだ。


「小さいお子様まで読み書きを嗜まれて、素晴らしいわ」

「ええ、3人共努力家ですの」


すかさず澄まし顔で3人と訂正する当たりの配慮(母は偉大だ!)

シスターもハッとしていたが、それ以上何も言わなかった。


名簿を書き終え渡すとシスターは、ボク等に両手をかざして魔法陣を浮かばせた。

すると、柔らかな光がボク等を包み、やがて緩やかに消え去る。


「では、始めます。最初は、両手でやってみましょう。掌を目の前に挙げて「ボード」と唱えてください」

「ボード」


ボク達が唱えると、半透明でクリーム色の長方形の板が目の前に現れたので思わず声が漏れた。


「おぉぅ…」

「出ましたね、一番上の部分を見てください。ご自分のお名前が書かれてますか?」

「はい」

「ステータスは、まだ空白ですね。それでは、お一人ずつ順番にあちらの扉をご利用下さい。個室になっております。そこで、ボードにステータスが反映されるまでお待ちください。お一人30分程かかると思いますが、終わるまで付き添いの方は、この部屋をご自由にお使いください」


説明が終わりシスターは、部屋から下がっていった。

どうやらステータスを授かる部屋は、一部屋しか無い様だ。

まずセルジュが入り、そしてミア最後にボクの順番だ。


30分程でセルジュが出てきて続いてミアが入る。

ボクは、ボードの変化が気になりセルジュに探りを入れた。

この為に順番を最後にしたんだ。


「兄さんのステータスってどんな感じ、それとも秘密?」

「ハハ、秘密じゃないけどノアのも後で見せてね」


  名前 セルジュ 年齢 8歳 基本Lv8 


HP 800 


MP 58


力  85         


魔力 30


火魔法 Lv 1       


水魔法 Lv 1


鑑定  Lv 1


算術  Lv 3     


剣術  Lv 2


馬術  Lv 1


(p 80)


<スキル> 計算


「ほお~火と水魔法の素養があるじゃないか」 

「スキルが計算だから算術は当然だけど鑑定まであるなんて、剣術なんていつの間に?外でヤンチャしているのね、フフフ」

「父様、基本Lv8になっているのは何故?」

「10歳までは、自動的に基本Lvが一つ上がるんだ、だから皆Lv10になれるんだよ。後は、魔物を倒したり武術や魔力の訓練をして基本Lvを上げて行くんだ。HPも毎年100増えるから1000まで必ず増えるよ。下にある(p)の中の数が余剰分だ、この数もLv×10p増えるんだ。余剰分は、後でしっかり考えて欲しいステータスを習得しなさい」

「はい!でも 上がっているステータスがあるよ何故?」

「それは、セルジュが日々努力した証だよ。ポイントと関係無く成長したんだよ、食事の時話しただろ」

「努力次第で変わる…」

「うん、セルジュの上がっているステータスは、素質があったようだし最近店の手伝いをしだしたので伸びたんだと思うよ。それからHpMp力魔力は、持っている素質で数値が違ってくる。これも訓練や努力で変わるものなんだが、どうしても素質があるモノの方が伸びが早いかな」

「素質で伸びるものに敢えてpを振らないで、伸び悩むものに振る人もいるわね。Lvの数だけpが必要だからよく考えて振らないと」

「Lv1からLv10迄上げるのに54p必要になるからね」

「無いものを努力して手に入れたらどうなるの?」

「習得した時、新たにステータスボードに反映されるよ。しかし昼食の時に話したが、努力して取ったステータスは、伸びにくい。だから溜めていたpを振る人もいる。しかし魔力の素質も関係してくるので一概には、良い手だと言えないけれどね」

「Lv1でも魔力の違いでLv10に匹敵するような力を持つ人も、稀にいるって話でしたわね」


へ~そういうものなのか、奥が深いわ…

肝心な所を聞き漏らさずに済んだな、先に入らず聞いていて良かった!

説明を聞いている間に、ミアが出てきた。


「じゃ~行って来ます」


はぁ~深く息を吐き覚悟を決めて部屋に入る、いよいよボクの番だ。!


最後までお読みいただきありがとうございます。

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