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50 ピクシーの里帰り3

どれくらい寝ていたんだろう…。建物の外から、人の賑わう声が聞こえてくる。

モソモソと体を起こして、辺りを見回すと、丁度みんなも起きたようで、

ボーっとした、寝ぼけた顔が揃っていた。


「そう言えば、ぼく達4人だけって、久しぶりだよね。」


スミスが言ったとおり、ウルフ達やドライ達まで、今ディメーションの中にいる。

ゼクス達だけ、荷車に置き去りなのは可哀想だと、みんなが思った。

しかし、小さくなれないので、宿屋の部屋に連れて行く訳にいかず、

苦肉の策でこうなった。


珍しくシャー達も中に入って行った。何か理由があるのだろうか?

ドライ達は生命樹の周りに、もう少し手入れが必要だと言って、中に残っている。

まぁ~この中で、何かやらかしても、人目に付く事は無いので、いいか。


「ロッキー達がいないし、店に入りやすいな。」


「折角だし、食堂に行ってご飯食べようか?」


「おーそうだな!腹減ったよ。寝ている間に昼飯食い損ねちまった。」


「久しぶりに、海鮮料理が食べれるね。」


4人だけって、何年ぶりだろう。シャーを使役してからだから、2年かな。

そのまま、宿屋の下にある食堂へ行く事にした。


話題はもっぱら、人攫いの話だった。脚色を含めて、面白おかしく話しながら、

海鮮料理をたらふく食べて、お腹がはち切れそうだよ。

ついでに、お弁当を何人前までなら注文できるか聞いて、一人10人前注文した。

明日の朝、出発する時に受け取る手筈だ。


そして、腹ごなしをするため、街へと出かけた。

散歩をしながら、色々なお店を冷やかし見ていたが、これと言って欲しい物も無い。

ボクが欲しい物は砂だ、帰りに寄る予定だったので、残念ながら深さが、

まだ少し足りない。


ラグとトリルは前回、母親の土産を忘れるという失態を、冒していたので、

今回は、慎重に品定めをしている所だ。

ボクも前回は、皆一緒だったので必要無かったが、今回は買って帰らなきゃな。

色々物色していたが、なかなか決まらなかった。すると、突然ラグが思い付く。


「海鮮弁当たくさん買ったし、土産もあれでいいかな?」


「おぅ~そうか!そうだな。土産にしてもいいんだ。」


「ラグ、冴えているね。ボクも、そうしようっと。」


「きっと、アイテムバックを、買い与えていて良かったと親も思うよ。」


多分ラグは、考えるのが面倒くさくなったんだなと思った。

でも、海鮮弁当の土産だなんて、良い思い付きだよ。

スミスのアイテムバック云々は、値段を考えると、どうかと思うよ。


けど、土産にと思い付いた後、自分たちの分が激減する事に気付く。

ならば海鮮串焼きを、たくさん買い込もうと言う事になり、港へ向かう。


その時トリルに、砂はどうすると聞かれたので、

ディメーションが完成していないので、帰りにも寄ってねと、

みんなにお願いをしました。

そして、あれこれ買い物を済ませる間に、暗くなってきたので

宿に引き上げる事にした。


部屋に戻って、一日中放ったらかしにしていた、シャー達を思い出し、中を覗く。

まったく、毎度ドライ達は、驚かしてくれる。


水場の近くに植えた生命樹の周りに、青々とした牧草が生え、

可愛らしい花まで、所々に咲いていた。それで、5mだったのかと納得したよ。


ウルフ達は生命樹を囲んで、思い思い牧草の上に横たわっている。

4頭の馬に至っては、飼い葉そっちのけで、新鮮な牧草を食んでいた。

折角ボク達が、眠たいのを我慢して探したのに…。


でも、とても気持ちよさそうな光景だったので、

後でハンモックをここに置こうと、ボクは決意した。


変な時間に、腹いっぱい食べたので、みんなお腹が減っていない。

実は、屋台でつまみ食いもしていた。なので、晩御飯は各自で自由にと決まる。


だから、時間に余裕ができたので、穴の作業に取り組むことにした。

帰る時までに、完成させたいからね。

そして、何とか寝る時間までに完成させたよ。やれば出来る子なんだよ!


シャー達は、すっかりディメーションの中で寛いでる様子なので、

今夜はそのままでいいか。そう思い、お休みと声を掛けて、閉じた。

昼過ぎまでガッツリ眠ったので、寝れるか心配したけど、取り越し苦労だったよ。


翌朝、グッスリ睡眠をとり、スッキリした気分で起床した。

宿の清算を済ませ、弁当を受け取り出発だ。


ムバクーヘンからヒリバ村までは、昼休憩を取っても、余裕で今日中に着く。

だが、山に深く踏み入らないと、父さんと約束をしたので、

明るいうちにヒリバ村に入り、ドライ達を仲間の元に送り出す事にした。

なので、早めに到着したいから、引手の交代だけして進むことになっている。




―side アジョン―



チムニーに呼ばれて、ドアロスとハーネルがギルドに顔を出した。

アリスが二人に気付き、奥の部屋へと案内をする。

暫く待つと、忙しそうな足取りで、チムニーが部屋に入って来た。


「いや~呼び出しといて、待たせてすまんね。」


「大丈夫だが、一体何の用だ?」


「クレッセントの事で、相談しておきたいんだ。本来親は関係無いが、

          まだ未成年だしな。それに異例の事でもあるからな。」


「うちの坊主が、何かやらかしたのか?」


「心配しなさんな、やらかしてなんかいない。それどころか、大手柄だ。」


「手柄って、今旅に出ているはずだが?」「仕事じゃ無いはずだがな。」


「旅の途中、偶然会った人攫いの一団を、捕獲したんだよ。

  そして、攫われた子供達も、無事救助したそうだ。大したもんだよ全く。」


「一体どうやって…。」「またノアの魔法でか?」


「いや、違うようだ。一団が眠っている隙をついて、子供たちを助け、

                     そして、捕まえたと聞いたぞ。」


「ほ~そうか、そんな事を。」「旅の途中、何やってんだか。」


二人は、嬉しいやら呆れるやら、複雑な気持ちだった。


「じゃ~用事ってのは、何だ?」


手放しで喜ばない二人の様子を見て、チムニーはどうするか悩んだが、

呼び出した手前、話を続ける事にした。


「今朝、本部から連絡があってな、

 クレッセントをCランクに上げないかと打診されたんだ。」


「えっ、あいつ等まだ1年目だぞ。」


「幾らなんでも早い、もっと経験を積んでからでも遅くないぞ。」


「ふむ、やっぱりか。俺も同じ気持ちだ。

いや、クレッセントに話す前に、お前たちの反応を見ておきたくてな。

俺も立場上、あいつ等に黙っている訳にいかない。だが、決定じゃ無く打診だ。

話してみなければ分からんが、一応覚悟をしておいてくれ。俺の話は終わりだ。」


二人の不安が的中した形になり、納得できない顔をしている。

それを見たチムニーが、続けて話した。


「まぁ~お前達が、危惧した事も伝えておくよ。」


その言葉を聞いて、帰った。だが、二人の不安が消えた訳じゃ無かった。



そんな話がギルドで、語られている事を、当然知らぬまま。

ボク達の旅は順調に進み、日が少し傾いた頃、ヒリバ村に到着した。


村の停車場は時間が早いせいか、誰もいなかった。

ボク達は、一番奥に陣取り、前と同じ形で荷車を停めた。

多分、この停め方が、定番になりそうだ。


ドライ達を送り出してから、ラグは村長の所へ挨拶に向かった。

後は、ドライ達の連絡を待つだけだ。


そういえば、小売店が一軒だけ有ったな。

前に寄った時は、店に入らないままだったし、ラグが戻ったら行ってみるか。


ゼクス達8匹は、森の近くで狩りをすると言って、出て行った。

シャー達は生命樹が気に入ったようで、ディメーションへ入って行く。

ボク達はラグが戻って来たので、散歩がてら小売店へ行ってみる事にした。


店に入ると、木の香りが立ち込めていた。

流石木工の街、色々な木造りの家具や、他にも小さな細工が並んでいた。

商品をよく見ると、釘が使われていない事に驚いた。

これって、木組みって言うんだっけ?異世界にもこんな工法があるんだ。


感心しながら見て回っていると、感じのいい3人用のベンチがあった。

手触りも座り心地も、とっても良い。デザインも完璧だ。

これ、生命樹の側に置きたいな。そう思い立ち、衝動買いしてしまった。

しかも、2脚…。


ディメーションの中だし、雨ざらしになる事も無いから、いいよね。

きっと、無駄にならないような気がする。

お店の人が、停車場まで運ぶと言うので、お礼を言ってお願いをした。


日が沈み夜になっても、ドライ達は戻らなかった。

夜空を飛ぶのは嫌がるから、今日は戻ってこないだろう。


夜になった停車場には、他の旅人の姿もあり、少し賑やかだった。

ボク達は、熾した火を囲み、早速弁当を広げる。

昨日から、ずっと海鮮尽くしだな、明日は肉にしようっと。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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