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47 いい湯だな!アハハン♪

ボク達は、お互いかける言葉も無く、トボトボ歩いていた。

途中、川に立ち寄り、頭から浴びたアームモンチの血を洗い流す。

あー風呂に入りたいな。モヤモヤする気持ちも疲れも、全て洗い流したい。

そうだ、ここって火山だったな。


((ねぇ~暖かい水が、湧き出る場所知らない?))


((火山を少し登ればあります。泉から湯気が立っていました。))


アッシュから返事が返って来た。昨日の探索で見つけたと言った。


露天風呂か?きっとそうだ。入れるかな?熱すぎたらその時考えよう。

少し立ち寄りたい場所があると話すと、一緒に行くよと返事が返って来た。

みんな、このまま家に帰りたくないのだろう。

アッシュに案内を頼み、付いて行く。


暫く歩くと、岩に囲まれた場所から湯気が立っていた。

岩の際に寄り手を湯に浸すと、少し熱めだったが大丈夫そうだ。

急にボクが裸になり温泉に飛び込むと、ラグ達が目を丸くして驚いていた。


「とっても、気持ちいいよ!みんなも飛び込みなよ。」


ボクの言葉に誘われて、次々と飛び込んで来る。

湯に浮かび、大の字になって夜空を見上げた。

さっき感じた、鬱積したものが溶け出してゆくようだ。

感じた?う~ん、ボクは何を感じていたんだろう。


「何でかな~、何で涙が出たのかぼく分らなかったよ。」


スミスがぽつんと呟いた。


「俺も、悪いことしたって思っていないのにな、何故かな」


「寧ろ、あの数のアームモンチが

街の近くに住み付くと、脅威になるから、遅かれ早かれ討伐されてたよ。」


「ボクもわからないよ。ただ、一方的過に蹂躙したからかも?

   もっと、互角だったら、死闘を繰り広げていたら違ったのかな…。」


「難しいよな、こっちの正義とあっちの正義みたいな?」


「共存できれば、一番いいんだけどね。結局ぼく達は、甘いって事?」


まるで禅問答のようで答えが出ない。


「それでも、明日同じ討伐依頼が来たら、

             達成するために努力をするんだろうね。」


そのボクの言葉に、皆は思い詰めた表情で答える。


「冒険者である限りね。」「冒険者だもんな。」「冒険者の使命だな。」


沈んでいた気持ちが、何と無く軽くなった気がする。

お風呂の効果もあったが、皆と話せた事が大きいんだろうな。


茹でダコになる前に温泉から上がり、

さっきより軽くなった足取りで家路についた。




次の朝、心配したセルジュが、ボクの部屋に顔を出した。


「ノア、昨日はショックを受けていたようだけど大丈夫?」


「心配かけてごめん、もう大丈夫だよ。」


「ならいいけど…。それからあの後、

     参加した人は、今日ギルドに集まるようにって、言われたよ。」


「そうなんだ、分かったよ兄さん。ありがとう。」


「朝食を食べたら、一緒に行こう。」「うん、そうだね。」


食事をしながら、温泉を見つけた事を話した、

ギルドの用事が終わったら、行ってみたいと言うので、後で行く事にした。



ギルドの中は、昨日の討伐の話で持ちきりだった。

激昂と一緒にギルドの隅に座り待っていると、チムニーが奥から現れた。


「昨日は、ご苦労だったな。

皆のお陰で、アームモンチの脅威から街が守られた。

報奨金を順次支払うので、都合のいい時に、

            ギルドカードを持って申請するように。」


ワッ!と、歓声が上がる。臨時収入だと喜び、浮足立っていた。

我先にと押し掛ける人で、ギルドのカウンターがパンクしそうな勢いだ。

ボク達は時間が経って、落ち着いてから貰う事にして外に出る。


セルジュがメンバーに温泉の話をして、一緒に行く事になった。

どうせならゆっくりしたいので、お昼を買って行こう。


ボク達がウルフの背に乗っていると、手綱の事を聞かれたので、

トーマス商会で、購入できるようになると宣伝をした。

ラグ達の分もまだ出来て無いみたいだから、いつになるか分からないけど。


走らなければ問題なく乗れるよと教えたら、試しに乗っていた。

慣れないと、落ちるかもしれない事も付け加えたよ。


岩場を通り過ぎ、火山を少し登ると温泉に着いた。

近場だが、風呂に入る習慣が無いので、穴場になっているな。

この場所の事は、他言無用って事で、みんなと意見が一致した。




―side ギルド―



「よぉ!アリス、息子達は手続きに来たか?」


口調は軽いが、ハーネルの表情は暗い。


「いいえ、朝ギルドマスターの説明があった時に、見かけたきりです。」


様子のおかしいハーネルを見て、近くに居たドアロスが声を掛けた。


「ハーネルどうした?」


「いや、討伐の後落ち込んで、直ぐに居なくなったと思ってたら、

俺より後に帰って来て、嫌にすっきりした顔してたんで、気になってな。」


「お前んところもか?うちの坊主も同じだ。

子供にあの惨状は、ちぃっと刺激が強すぎたかと思って、

          帰った時声を掛けたんだが、ケロッとしてたぞ。」


「きっと、4人で話し合って解決したんですね。多分、心配いりませんよ。

あの子達、本当に仲がいいから。

それに手続きも、カウンターが混み合っていたから避けたんじゃないかしら

                きっと夜までに現れると思いますよ。」


アリスの気休めに、少し救われる気持ちなのだろう。

ドアロスとハーネルの顔が幾分明るくなった。


夕方街に戻り、ボク達と激昂がギルドに顔を出すと、

ラグとトリルがアリスに、指導もとい小言を頂いた。


「友達と仲がいいのはいい事だけど、親子の会話も大事よ!

         お父さん達とちゃんと話してる?心配してたわよ。」


ラグとトリルは顔を見合わせ、何とも言えない顔をして頭を掻いていた。

二人は口ごもりなら、返事をしているが、

泣いてた事なんて気恥しくて、今更話すことなど出来ないだろうな。


報奨金が思いのほか貰えたので、

皆で相談して、家賃を1年分先払いする事にした。

全ての手続きが終わった後、

アリスは、セルジュ達を見て指名依頼がある事を告げる。


「来てくれて丁度良かったわ、激昂に荷馬車の護衛で、

                明日から依頼が来ているわよ。」


「誰の依頼で、何処までですか?」


「トーマス商会の依頼で、王都までよ。前も受けたわよね、どうする?」


サザンは、メンバーが頷いたのを確認してから、返事をした。


「はい、受けます。」


そう言えば、ミアが5日後と言っていたな、もう5日たったのか。

討伐が間に合ってよかったよ、またミアがガッカリするところだったな。


家に帰ると、玄関でミアが待っていた。

依頼の返事を早く聞きたかったのだろう。

兄さんから返事を聞いて、飛び跳ねて喜んでいた。


そして僕を見て

王都に行っている間、リリとララの世話を頼んだ。

シャーの様に、隠れたり小さくなれないので、連れて行けないと

父さんに説得されたようだ。


印はあるけど、ゼクスとツヴァイもボクと留守番だ。

長い期間、従魔士不在で送り出す事が出来ないからね。


アームモンチの脅威は去ったが、他の魔物が住み着くといけないので、

ロック達が交代で番をする事になったと、ラグ達が話していた。

2匹も家にいたら、大変だしね。

ゼクスとツヴァイに話たら、ボクに断りを入れてから岩場へ向かった。

古巣だし気になるんだろうな。


両親はボクだけ残し、長い間不在にすることを心配していたが、

ラグ達がいるしシャー達も傍に居るので大丈夫、心配ないよと話した。

だが、不安が拭え無い様だ。何が不安なんだろう?不思議だ。


カレフからの伝言で、

ラグ達の注文した品が出来たので、取りに行くようにと、父さんに言われて

シャーに他のウルフへ連絡を頼んだ。


王都から家族が帰ってきたら、

そろそろボクも、あの森に話を聞きに行かなくちゃ、冬になってしまうな。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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