表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/129

35 十四日目 go home 2

ゴトゴトゴト ガクン!

大きく馬車が揺れ驚いてビクッと体が震えた、目が覚めてしまう。

外を見るとまだ夜は、明けていない。


他の3人は、深く眠っているらしいピクリともしない。

ボクも、もう一度眠ろうかと思い瞼を閉じたが、駄目だ眠れない…

眠ろうと意識すると別の考え事が浮かぶのは、何故だろう?


そういえばこの森は、ドライの故郷なのかな?なんて、つい考え始めてしまった。

こんな時間だから寝ているかな?と思ったけど、話しかけてみよう。


((ドライ、起きてる?))

(( ………))


返事が無い眠っているんだな起こすのは、可哀想か。

諦めて目を瞑り馬車の揺れに身を任せていると


((ノアは、押しが弱いわね))茶目っ気を含んだ声が聞こえた。

((あ、起こしちゃった?ごめんね))

((ん~ん、ノアが目覚めた時から、起きているわよ。シャー達もね!))

((え?そうなの))

((そういうものよ、何か聞きたかったんでしょ。何?))

((この森は、ドライの故郷なのかなって思ったんだ。どうなの?))

((ん~生まれた場所が故郷なら、さしずめ私の故郷は、ノアの掌かしら?))


指を顎にかけ首を傾げる仕草が、とってもキュートだ。

そんな答えが返ってくると思いもしなかったので驚いたが、ちょっとくすぐったい。


((ありがとう。何故か分からないど、その答えを聞けて嬉しいよ。あのね、卵をここで見つけたし、もしかして他にもドライの仲間がいるんじゃないかと、思ったんだ。))

((うん、そうね…多分いるわ))

((分かるの?))

((言ったでしょ。ピクシー同士は、会話が出来るって。会話は、無いけど気配は、感じている…))

((なら、会っておいでよ。一日は、山で野営するから時間があるし))

((良いの?))

((ボクまだ9歳だから、あと2年と6か月経たないと自由に遠くまで出られないんだ。だから、仲間に会いたいなら今がチャンスだよ?))

((ありがとう、ノア。でも、他の子も誘いたいから皆が起きてからにするわ))

((わかった、なんか眠くなちゃった。寝るね、おやすみドライ。そしてシャー アッシュ シルバー ブルー レッドもおやすみ))


朝起きたら、ピクシー達が燥いでいた。

ラグ達も、快く送り出すと決めた。

行ってらっしゃい、馬車を見失わないでね!


朝食の時、父達と傭兵組が、今日の予定を話している。


「日が暮れる前に下りの中腹辺りまで走らせ、そこで野営にしよう」

「お昼の休憩を飛ばして馬車を走らせれば、なんとか行けるな」

「可哀想だが、馬に無理させちまうな」

「山を抜けるまでの辛抱だ、頑張って貰おう」

「じゃ~お弁当の準備をしましょうね。ミア手伝ってちょうだい」


話を聞いていた僕達は、ブラシを手に持ち馬の所へ向かう。

ボク達には、馬を労わる事くらいしか出来ないからね。

馬の世話をしながら、他愛もない話を持ちかけた。


「テイマーギルドなのに、何で従魔するっていうんだろ?」

「従魔術だから、じゃないのか?」

「そもそも、テイマー術で良くない?」

「どっちでもいいって事かな?」

「これからボク、ティムするって言おうかな。短いし簡単だ」

「いんじゃね?」

「名前みたいだね」

「チムニーに似てる。アハハ」

「本当だ!ティムは、何処かにいそうだな。じゃ~テイマーする?ん~」

「ノアの好きにすればいいよ。俺達の中では、もう通じるしな!」

「ノア用語だな!」

「じゃ~転移は、ジャンプかな…」

「転移?」

「ジャンプ?」

「何の事?」

「え?ボク、何か言ったっけ」


ヤバいヤバい、つい口からぽろっと余計な言葉が出ちゃった。

空耳だと誤魔化したけど…何か言いたげな顔をしている。

どうしようと思っていたら。

気まずい空気を打ち消すように、ラグが無理やり話題を変えた。


「そろそろ出る準備した方が良くないか?馬車に繋ぎに行こうぜ!」


ホッとした、ラグありがとう。

その後、馬車に乗り込む頃には、ピクシー達仲間に会えたかな?とか、迷子にならないよね?と心配したり、いつも通りの雰囲気に戻っていた。


ボクは、出発前の失敗に少なからず衝撃を受け、まだ立ち直って無いようだ。

本当に迂闊だったよ。


魔力操作の訓練をしようと言い出したのも、また口が滑るかもと恐れたのかもしれない。


皆、転移?ジャンプ?とグルグル考えているのかな…

それとも、真面目に、訓練に取り組んでいるのかな…


((ノア大丈夫です。無理に話す事は、無いのですから))

((シャーありがと。そういえば前に後で話すねって言って、そのままだったね))

((はい、そうですね))

((ボクは、物理的な力や剣そして魔法で高みを目指したくないんだ))

((ノアほどの魔力があれば、何でも出来るし、何者にもなれます))

((だけどボクは、何者にもなりたくない。それだけは、ハッキリしているんだ))

((ではノアは、どうしたいのです?))

((何を目指すかまだ決めて無いけどやりたい事は、出来たよ。ボク成人したら、街を出て旅に出たい。今回色々な町や村に旅して、もっと知りたいって思ったんだ))

((それは、楽しそうですね。我等もお供します))

((本当、ありがとう。後5年半!待ち遠しいな))


「ノア、何楽しそうな顔しているんだよ。真面目に訓練してるのか?」

「へ?あ~シャーと話し込んでた。そう言うラグこそボクの顔を見てる暇あったんだ?真面目にやってない証拠だね!アハハ」

  

シャーと話をしたおかげで心が軽くなり、いつもの調子が戻っている。

皆は、何も聞かなかった事にしたのかボクに問い質してこない。


長い時間一緒にいるから、気の緩みが出たんだろうな。

あんな事があると空気が悪くなるから、気を引き締めなきゃ。


暗くなる前に目的地に到着した。

本当は、少しでも前に進みたいが、この先に適当な広さがある場所が無いので、仕方がない。

馬車を行きと同じ配置にして、見張り用のテントを1つ設置した。

父達と傭兵組は、夜警のため仮眠を取る。

ドアロスがラグに、最初の見張りに立つので、お前が寝る前に起こせよと頼んでいた。

大人って大変だな。


山の中腹辺りなので、木々に遮られ視界が悪い。

夕暮れ時の散歩は、危険なのでふらふらする訳にもいかない。

なので、焚火を囲みボーっとして時間を潰していた。

シャー達がボクの側で、周りを警戒してくれているので安心だ。


「ノア、お願いがあるの」


珍しくミアが、しおらしい物言いをして来たが嫌な予感しかしない。


「なに?」ボクは、警戒する。


「私も従魔が欲しいの、ノア手伝って」


正直、こいつ何言ってんだ?と思った。


「ミア、何でテイマーギルドに登録に行かなかったの?今そんな事したって、今更王都へ引き返せないと思うんだけど…」

「あの時は、まだ欲しく無かったんだもん」

「どうしてもと言うなら、父さんに相談してからにして。じゃないとボク手伝えない」


可哀想だけどこればかりは、仕方がない。

ボクが手伝って今ミアが従魔を使役したら、父さんに何て言われるか。

ミアは、諦めきれない顔をしていた。

困ったな~と思い母を見ると、母は、少し頷き


「ミア、ノアの言う通り今更王都に引き返す事は、出来ないのよ。分かるわよね。もう少ししたら、仕事でミアも一緒に王都へ荷を運ぶ時が来るわ。その時登録に行きましょう。それまで我慢できないかしら?」


ゆっくり、言い含めるようにミアに話す。

ミアは、唇を噛んだままコクンと頷き馬車の方へ歩いて行った。


「ありがとう。母さん、助かったよ」

「ノアがあんなに愛らしい小鳥まで使役したから、きっと欲しくなっちゃったのね。ノア、ティマーに登録したからといって程々にしてね!これ以上ミアを刺激しないでちょうだい」

「はい、気を付けます」


ますますワン達の事、言いづらくなっちゃったよ。


「ノア、大変だな」


ラグが肩に手を置き笑いを堪えていた。

他の二人もワン達の事に気付いているんだろう、笑いを噛み締めている。

ボクだけ複雑な表情だ。


最後までお読みいただきありがとうございます。

☆☆☆☆☆の評価と ご意見やご感想を寄せていただけたら嬉しいです。


続きが気になるな!と思ったらブックマークをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ