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33 十二日目 王都グレイス 2

王都初日の朝、厳密には二日目だが…

到着して食事して寝ただけなので、ノーカウントでOK!


目が覚めていたけれど、ベットで寝転がったまま考え事をしていた。


気軽にディメーションを開ける事が出来ないので、サンド達もあの時のまま砂は、足りているだろうか…気になる!

それと、父さんにまだ話せていない事も気掛かりだ(問題山積みだなハァ~)


「ノア、起きてる?」

「兄さん起きているよ、おはよう」

「おはよう。そろそろギルドに行くって、父さんが呼んでるよ」

「はーい」


ボクは、体をグゥッと伸ばしてからベットを降りた。

シャー達とドライも、当然あとを付いてくる。


どうやらボクの存在がシャー達とドライを繋ぎ、異種族間の会話も出来ているみたいだ。

ドライとの軽い口調での会話が楽だなと感じたので、シャーに変えてみたら?と提案した。

返事は、意外にも努力しますだった。

直ぐに変わるのは、無理だな~でも、徐々に柔らかい口調になればいいな。


父達とボク達8人で、テイマーギルドに向かう。

ボク達だけでも大丈夫だと言ったら、渋い顔をして首を横に振った。

信用無いんだな…


ギルドに着いて登録したい事を伝えると、わざわざそれぞれ個室に連れられた。

王都って、キッチリしているな…


テイマーギルドは、年齢関係無く一回で本登録出来ると説明を受けた。

プレートを翳す時Lvが出るかとひやひやしていたら、表示されたのは、ボクの名前と今使役している魔物の名称そして数量だけだった。

ホッとした(とんだ取り越し苦労だったよ…)

冒険者と違い討伐依頼が無いので、Lvもランクも関係無いらしい。


使役する魔物が増えた時は、自動でプレートへ記載されるので、わざわざ報告に出向かなくていいそうだ。

それを聞いて安心する。

増えるたびに、王都まで旅するなんて無理!まぁ~ボクはひとっ飛びだけど。

な~んてね…こんな長い距離、まだ試していないから、絶対出来ます!って言えない。


無事登録を終え、いよいよ印の説明を聞く緊張の瞬間だ。

見せられたのは、5×5㎝と1×1㎝2種類のギルドの紋章だった。

それを見える場所に装着すればいいだけだと聞いて、問題無い範疇で安堵したよ。


この世界には、奴隷とか奴隷とか奴隷が居るから…

大切な事なので、3回言いました。

初めて首に枷を掛けられ、鎖に繋がれた人間を見た時の衝撃!

とても忘れられない…

だから従魔の印と聞いた時、悪い想像しちゃったよ。


「テイマーギルドのご登録があれば、冒険者 商人どちらのギルドでもこの印をご用意できます。どうぞ御利用ください」


ニッコリ見事な営業スマイルで、お姉さんが話し終える。

もっと大きいサイズの印もあるらしいが、この2種類を選んだのは、ボクが子供だからかな?取り敢えず両方10枚購入する事にした。


旅の目的の、登録が終わりホッとする。

これからは、堂々とシャー達といられる!…ん?

今までは、あれでも少し遠慮していたんだよ?本当だよ!

だって、小さくしてたでしょ。


苦労して王都まで来たのに、明日帰路に着く。

お店を従業員に任せたままにしておけないからね。

残念だけど仕方がない。


「さて、これからどうするか」

「昼には、まだ時間が早いしな」

「父さん、ボク達印を装備する道具を買いに行きたい」

「そうすると雑貨屋か」

「ギルドの横に丁度ありますね」


ギルドの隣の雑貨屋に、印専用の革製の紐やネックレスが何種類もあった。

シャー達には、それぞれの名前の色に合った革製の紐をドライは、瞳の色に合わせ紐はやめてネックレスにした。

小さいシャー達用にも、買っておこう。


路地に入り、大きくなったシャー達とドライの首に掛けてみた。

凛々しいシャー達、愛らしいドライ、ボクは、大満足です。


ミスドが言っていたように、ここは、従魔が居て普通だ。

誰も気に留めない。

他の人も大きい魔物を、堂々と連れて歩いている(良い所だな~)


「さて、用事も済んだし宿に帰りますか」


父達は、明日からまた御者をしなければならないから体を休ませておきたいのだろう。


「親父、先に帰っていいよ」

「父ちゃんそうしろよ!」

「坊主どもから目を離すとなぁ~」


父達は、迷っている様子だったが、結局折れて宿に戻った。


「皆にお願いがあるんだけど」

「ノアのお願い…」

「少し怖いけど、聞いてやろう!」

「怖いとか何で~ディメーションのサンド達、あのままだから…」

「そういえば、そうだな」

「何日たった?」

「5日かな?」

「不味いね!」

「何処か、場所を探そう」


場所を探すと言っても簡単じゃない。

王都は、広くて人も多くて…おまけに道にも詳しくない。

切実にスマホが欲しい…

この世界に来て初めて文明社会を恋しく思ったよ。


「あ!馬車の中なら、人目に付かないし大丈夫かも?」

「停車場に行こう!」結局ボク達も宿に戻る事となる。


箱馬車に乗り込み戸を閉めて、ディメーションを開ける。

サンド達が蠢いていた。

心配していた砂もまだ沢山あった(良かったよ~)

名付けを終わらせて無いせいか、喜怒哀楽ぐらいの感情しか読み取れない。


「ごめんね、会いに来れなくて。餌は、まだ大丈夫みたいで安心したよ」


声を掛けると、喜んでいる波動がじわじわと伝わって来た。


「家に帰ったら、名前を付けるね。待っててね」


理解しているか分からないが、また来るよと最後に声を掛けて閉じた。


「砂も沢山残っていたし、安心したよ。付き合ってくれてありがとう」

「帰りも、ムバクーヘンの街に寄れればいいね!」

「砂を集めるの手伝うよ!」

「うん、ありがとう」


これから何しようか?話しながら表に出ると、行き交う人々の数が明らかに増えていた。

宿に帰る時の2倍?いや3倍は、歩いている。


「王都見学は、諦めるか?」

「人に埋もれて迷子になりそうだ…」

「アジョンっていい所だったんだね」

「人に酔っちゃうよ…」

「人に埋もれる問題は、解決できるけど?」

「ノアそれ本当か?」


ボクは、シャーを撫でながら当然のように「うん、乗せてもらえば良いだけじゃない。歩くだけなら問題無いよね?」


でも、街中に人が溢れかえっているのでさすがに5匹は多い。

どうしようかと迷っていると


「主、何なりとお申し付けください」

「シャー、昨日お願いしたでしょう?口調を変えるって、これからは、主じゃなくてノアって呼んで!ドライもねそうして。それじゃ~シャーとレッドに今日は、お願いするね。アッシュとシルバー ブルーは、小さくなって一緒に乗ろう」


3匹の印を、小さい物に付け替えて

シャーにボクとラグ レッドにスミスとトリルが跨り人気のない場所を探した。


人影まばらな路地を選んで進むと、小さなコミニティに行きついた。

華やかな表と違い、庶民的な雰囲気にとても馴染む。


「食べ物がある場所だから、シャー達少し影で待っててくれる?」

「ノア、りょ…わ…わかった」噛んでたが、進歩!サッと影に潜んだ。


「ここ落ち着くね~」

「良い感じだ!」

「売店があるよ」

「昼飯だな」

「アジョンで見ない物もあるね」

「どれも旨そうだな」

「迷うね」


「あ!ケーキだ」

「え?ケーキって何」

「旨いのか?」

「どれの事?」


ケーキと言ってもカップケーキだが、何でここにこんなものが?

しかも、カップの上に生クリームらしき物まで乗っかっている。

味を確認する為一つ買う。


「お姉さん、これ1個下さい」

「はい、10シリね」

「ノアこれ、アマパンって書いてあるよ?」

「そうだね…」


一口食べてみる。

甘い!生クリームは、もったりしていて少し重いし、バニラビーンズも入って無い。

けど…久しぶりのケーキだ。

ドライも気に入ったらしい、クリームを舐めて両手でほっぺをはさんで、ニコニコしている。

これは、もう大人買いするしかない!


「お姉さん、これ100個下さい」

「そんなに置いて無いわよ?残りはせいぜい50個かしら」

「そんなに美味しかったの?ぼくも買いたいよ」

「俺も買うぞ!」

「俺もだ!」

「あ~そうか、皆が買ってからにするよ」


皆が買った後、残り20個全部買った。

皆10個も買ったのか…食べ切れるの?お昼前に完売したので、お姉さんも喜んでいる。

買ったケーキを店の影で鞄にしまう。

アジョンに帰った時、オヤツにしようっと(楽しみが増えたな)


皆を見ると、3個食べた所で持て余している(当然だよな…)

いくらカップケーキでも、普段食べ慣れないから胃にもたれるよ。

生クリームも重かったし。


「ノアーこれ食い切ら無いよ~ってお前、あんなにあったのに…」

「アジョンに持って帰るんだよ」

「あ~そうか、ノアの鞄やっぱり便利だな」

「ノアお願い!ぼくのもしまって」

「俺も」

「ん~ボクがしまうのは、構わないけど…」


この際、皆の鞄をアイテムバックにするか…でもな、後で面倒な事になりそうな予感。

ボクの鞄の中で、区分け出来ればいいんだけど…やってみよう!


「ちょっと待って、今準備するから」


目を瞑り、箱を四分割にして蓋を付けるイメージ(むぅ~ん)少々時間が掛かったが魔法陣が頭の中に浮かんだ。

更に、皆の顔を思い浮かべそれぞれ専用になるようにイメージを重ねる(うみゅ~ん)手間取ったが、何とかなった。


「うん、出来た!」

「ノア何やったの?」

「ボクの鞄に皆の専用空間を作った。皆から預かっても中で混ざらないから間違えないし、安心だね!」


「おう!ありがとな」

「ノア凄い…」

「普通に作るだけでも難しいのに」

「この事も、誰にも言わないでね!絶対だよ」


そして、他の売店でも色々多めに買い込みそれぞれの箱に収納。

味見しながら買い物していたので、すでにお腹一杯だ。

でも…皆、散財しているけど大丈夫なのかな?


「へぇっ!子供の癖にえらく羽振りがいいじゃねえか」

「お兄さん達にも、分けて欲しいな~」

「そうだな~」


何で悪役って3人組なんだろ…それに如何にも馬鹿が言いそうな台詞。


「俺達が何でおじさんに?」

「おじさん誰だよ!」

「おじさんヤダ!」


おいおい、わざとおじさん言ってるでしょ?それに最後のヤダって…

よしボクもここは、ガツンと行くぞ!


「おじさん!子供にたかって、恥しくないの?」

「誰がおじさんだよ!お兄さんだろ」

「そんなのどっちだっていいよ!おじさんに奢るお金なんて無いよ!」

「うるせいガキども、大人しく金を出せばいいんだよ!」


うわぁ~王道の屑!それに、あ~このくだり面倒くさい。


((シャー達、でかいサイズで来てくれる?))


影から飛び出た5匹は、鋭い目つきで静かに睨みつけた。

3人は、その場にへたり込んであわあわして声も出なかったよ。

まぁ、そのまま放置してシャー達の背に跨り悠然と帰りました。

(ヒューヒュー)


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