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28 八日目 ヒリバ村

まだ、夜も明けきらないうちから出発の準備をした。

朝食は、昨日宿屋にお願いして準備されていた弁当を馬車で食べる。

ディメーションルームとサンドスライムの事を、父さんに言いそびれたままで少し気が重い。


馬車の中でお弁当を食べながら、お土産を見せ合った。

ラグは、姉シルフと妹カシュに微妙に色の違うピンク貝のイヤリングを買って、これで忘れて怒られる心配が無いと、胸を撫で下ろしていたが…

姉さんと妹、そんなに怖いのかな~?それと変なお面も買っていた。

部屋に飾るらしい。


トリルは、弟ニールに街の名前入り木刀を買っていたんだけど、ボクが洞〇湖とか銀〇を連想したのは、言うまでもない。

きっと、誰に言っても伝わらない!残念。

思わず笑ったのが、自分用の土産も木刀だった事だ。 


スミスは、母親に砕いた貝で作られた壁掛けを買っていた。

虹色 ピンク ブルー色とりどりの貝が、美しい海岸の風景を描いている。

自分のは、欲しいものが無かったと言っていた。


ボクは、12㎝×18㎝の巻貝を5色買った。

売店で見た時、サンドの核が上手く一致すればと、思いついたからだ。


「トリル ラグ」

「ん?」

「なに?」

「自分のと兄弟姉妹のお土産買っているけど…お母さんのは?」


「あ!」

「へ?」心なしか顔が青い。


「きっと、ガッカリするだろうな~」

「ネエ~」

「大丈夫、まだ王都がある!」

「うん、そうだ!」

「忘れないようにね!」

「おぅ」

「うむ」


「そうだ、サンド達の名前どうするの?」

「う~ん、アン デュ トロワ カトル センクかアインス ツヴァイ ドライ フィーア フンフまたは、ワン トゥ スリー フォー ファイブどれがいいと思う?」

「意味が分からん」

「呪文?」

「名前のような響きも、混じってた?」


考えるのが面倒で、1~5の数字を地球の言語で並べただけだもんな。

繰り返し聞かせて耳慣れた頃、3人の意見が一致して英語になりました。


ツヴァイとかドライやセンクは、響きもいいし次回に持ち越そう。

巻貝に核が上手くマッチすれば、色別も出来る様になるし一石二鳥だな!


「今日は、ヒリバ村を目指しているんだよね」

「早めに到着して、明日の準備を先に済ませるみたいだね」

「明日から山越えだからな…」

「山で野営になるって聞いたよ」

「うわぁ~虫、蛇、考えただけで…」

「魔物の危険度も上がるよな」

「考えたら負けだ」ラグの一言で「何に負けるんだよ!」笑いながら総突っ込み一気に場が和んだ。


馬を30分程休ませるため休憩を取った。

皆のお昼ご飯は、その30分で手早く作ったものを馬車の中で食べてねと言いながら手渡された。


右側は、切り立った断崖であの岩肌の向こうは海なのかな?と想像した。

そして、左には高い山が見える。

明日は、あの山を越えるのか…



急いで馬車を走らせたお陰で、予定より早くヒリバ村に到着出来た。

父さんとミスドが村長に挨拶をしに行く間に、村人の案内で停車場に移動した。

停車場には、商人と旅人の2組が先に荷ほどきしていた。

邪魔にならないよう距離を置いて、奥の空いてる場所に野営の準備をする。


「坊主達今日は、馬に無理させたから念入りにブラシをかけてやってくれ」

「はーい」


元気よくドアロスに返事を返して、ブラシを手に持ち柵木まで馬を連れて行く。

小シャー達も付いてくる。

最初は、シャー達の事を怖がっていた馬も今は、小さければ怯えなくなっていた。


((あ、駄目だ…シャー達悪いけど今日は、馬に近づいたら駄目だ))

((?????))

((ボク達の馬だけじゃないからだよ。慣れてないと怯えるでしょ?))

((了解しました))


「あれ?ノア、シャー達隠れたよ?」

「他の馬がいるからね」

「あ、そうか」

「なるほど」

「仕方ないね」


丁寧に馬の世話を終わらせ、シャー達の散歩を兼ねて村を見て回る。

西側の出入り口から東側まで、切り立った崖が聳え立ち壮観だ。

東から南口そこから西口までは、森から村を守るように、木材で作られた高い壁がぐるりと囲んでいた。


ヒリバ村は、林業や木工が盛んなようだ。

村の外の森から斧の音が響き渡り壁内には、材木が大量に積んである。

そして、木材を切り分ける音と削れる木の香りが漂っていた。

商品を保管する倉庫は幾つもあるが、小売店は1店舗しか見当たらない。

卸売りが専門なのかな?


ズズズズズズ、耳慣れない地面を擦る音がする。

不審に思い音の方角に目をやると、幅も長さもシャー達を超える蜥蜴が、木材をいっぱい積んだ荷車を引いていた。


「ビックリした!」

「従魔かドラゴンの一種かな?」

「力持ちだね!」

「印ってどれだろう?」


父さんに従魔の事を教えて貰った時、印の事を聞いていたが、うっかり形の事を聞いてなかったので、どんな形なのかがずっと気になっていた。

お得意の本に頼ろうにも、肝心の従魔の本が家に無い。

ボクは、何とか印を見つけようとそれらしき物を探し、ジロジロ無遠慮な視線を送っていたが蜥蜴は、何の関心も示さず過ぎ去っていった。


野営に戻る時、人も馬も多いので可哀想だけどシャー達に今日は、影に隠れて過ごすようにお願いをした。


傭兵組と商人の護衛3人が、何やら話している。

近くを通ると声が聞こえてきた。

強盗団討伐の噂が広まっているようで、興奮した彼等が話しているが


「魔獣を連れた子供が一人で強盗団を討伐したって話しだぜ!」

「すげーよな!」

「憧れるぜ!」

「へ…へ~、そうなんだ~」サザンが苦笑いしながら鼻を掻いていた。


セルジュや他のメンバーもあまり話に食い付かないので彼等は、ご不満の様子だ。

ボク達は、当然関わらないように静かに横を通り過ぎる。

離れた場所まで移動してから小声で


「噂って怖いね…」

「嘘と本当が、混ざってるよ」

「尾びれ背びれが…」


盗賊の話は、口にしないと固く皆で誓い合った。


ボク達が夕食を囲んでいたら、商人のおじさんが近づいてきて

「さっき、美しい毛並みの子犬を連れていたね!良かったら譲ってくれ」と頼みに来た。


ボクは、丁寧に断わったのに金に糸目をつけないとか、余りにもしつこいので父さんが再度、毅然とした態度で断ってやっと諦めてくれた。

影に潜ませておいて良かったよ。

それにそもそもシャー達は、犬じゃ無いしね!教えないけど。


明日は、今日より早く出発するから夜更かしをしないようにと注意を受け、解散になった。

言われなくても、今朝早かったのですでに眠い。

横になったら直ぐに寝る自信がある。



最後までお読みいただきありがとうございます。

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